中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

大卒内定率上昇も「ブラック企業」に注意 

2013年1月19日 01時52分

 今春の大学生の就職内定率は、文部科学省と厚生労働省の調査によると、2012年12月1日現在、前年同期を3・1ポイント上回る75・0%で2年連続上昇した。東海と北信越の中部10県(滋賀を除く)は2・5ポイント上昇の72・8%。内定率は回復傾向にあるが、就職状況が大きく改善したわけでなく、就職を支援する団体や識者は、悪質な採用をする「ブラック企業」への注意を呼び掛ける。

 ブラック企業は低賃金で過酷な労働を課す企業のことで、就職活動の学生たちがそう呼び習わしている。

 就職活動や労働問題の相談を受けるNPO法人「ポッセ」(東京都世田谷区)に寄せられたブラック企業関連の相談は、11年に350件だったが、12年は1000件に増えた。

 「ブラック企業に負けない」の著書がある「ポッセ」の代表今野晴貴さん(29)によると、ブラック企業は「選別型」「使い捨て型」「無秩序型」の3種類に分類できる。

 選別型は新入社員を多く採用するのが特徴。「例えば、従業員1000人で200人くらい採用。文句を言わずサービス残業や長時間労働をする新入社員以外は辞めるように仕向ける」と説明する。

 最も過労死に結びつきやすいのが、使い捨て型。低賃金で長時間の単純労働を強いる。無秩序型はパワハラやセクハラが多くなる傾向がある。

 ブラック企業の採用方針の根底には「この新入社員が耐えられないのなら、次の社員がいる」という考え方があるという。

 ブラック企業の見分け方について、労働問題に詳しい弁護士の佐々木亮さん(37)は「離職率に着目するといい。辞める人が多ければ、採用者数がやたらと多かったり平均年齢が若すぎたりする。業務が高度にマニュアル化されている仕事は使い捨てを前提にしている場合があり、注意した方が良い」とアドバイスする。

 入社した場合の対処法として佐々木さんは、労働組合や社外の労働団体への相談を勧める。労働組合がなければ自分でつくり、会社と交渉することもできると指摘。「裁判で争うことも視野に入れれば、長時間労働やパワハラ、セクハラの証拠を残すことも大切だ」と話している。

(中日新聞)

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ