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【社会】

阪神大震災18年 兵庫各地追悼式典

阪神大震災の追悼行事が続く会場に浮かび上がった「1・17」を囲み、発生時刻に黙とうする人たち=17日午前5時46分、神戸市中央区の東遊園地で(梅津忠之撮影)

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 六千四百三十四人が亡くなった阪神大震災から十七日で十八年を迎え、兵庫県内各地で犠牲者の鎮魂を祈る追悼式典が開かれた。参列者は阪神だけでなく二〇一一年三月に起きた東日本大震災の経験も語り継ぎ、記憶を風化させない社会づくりを誓った。

 神戸市中央区の東遊園地には、遺族や東日本大震災の被災者ら約五千人が参列した。「1・17」に加えて「3・11」の形に並んだ竹灯籠がともされる中、地震の起きた午前五時四十六分に合わせて黙とうをささげた。

 続いて開かれた神戸市主催の追悼の集いでは、長女真奈さん=当時(10)=を亡くした藤本圭子さん(55)が遺族代表として「親子が仲良く歩いているのを見ることができず、目を背けた日々もありました」と振り返り、東日本の被災者と共に「忘れないという思い、風化させてはいけないという気持ちは同じ。あの日の話を語っていきたい」と結んだ。

 矢田立郎神戸市長も追悼の言葉で「震災で得た経験を他の被災地支援に役立てていくことが、震災を生き抜いてきた私たちの使命」と述べ、継承の大切さを強調した。

 式典に福島県南相馬市から訪れた会社役員渋佐克之さん(50)は「原発問題で東京を中心に東日本の影が薄くなっていることに不安を感じる。自分たちも神戸のようにしっかりと震災の記憶を残したい」と語った。

 被災地では、県や神戸市が民間業者や都市再生機構(UR)から借り上げた災害復興住宅の返還期限が二〇一五〜二三年に迫る。転居先のない一人暮らしの高齢・障害者の支援が課題になっている。

 

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