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【伝統芸能】

知られざる龍之介の名曲 生誕120年を記念 都一中が演奏会

 神奈川県立神奈川近代文学館(横浜市中区)が芥川龍之介生誕百二十年を記念して二十六日午後二時から、一中節宗家十二世・都一中(みやこいっちゅう)を迎えて「芥川龍之介の一中節−知られざる名曲『恋路の八景』」と題したレクチャーコンサートを開く。

 三百五十年の歴史を持つ江戸浄瑠璃のひとつ一中節は、歌舞伎の下座音楽から離れて師匠から弟子へと伝承されてきた。

 龍之介の養家は江戸時代、代々江戸城の数寄屋坊主(茶道職)を務めていた。一家で一中節を習っていたこともあり、龍之介もまた洗練された音曲に魅せられたという。

 ♪心なき身にもあはれはしみじみと…で始まる「恋路の八景」は龍之介が作詞した唯一の一中節で「書簡集」に収められている。十年ほど前、一中がレギュラー出演していたラジオ番組のディレクターが見つけ、一中が東京・紀尾井小ホールで初めて演奏した。

 「初めは江戸時代後期にできた『吉原八景』の替え歌と思いましたが、曲に当ててみると、節は同じでも馥郁(ふくいく)とした大正ロマンの雰囲気を醸し出した。一中節が深く染み込んでいないと書けません。さすが龍之介は天才だなと思いました」と一中。今回は十年ぶり、二度目の演奏となる。千円。同文学館=(電)045・622・6666。  (神野栄子)

 

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