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【望 〜都の空から】

蒲田 庶民の街に脚光

JR、京急、東急の3路線が行き交い繁華街を形成する蒲田=本社ヘリ「おおづる」から(中嶋大撮影)

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 大正から昭和の初め、一帯は最先端の流行発信地だった。米国で学び、初の和文タイプライターを開発した黒沢貞次郎らが旧国鉄線路沿いに建てた広い工場には、社宅のほか娯楽施設、菜園などが併設された。欧米に浸透していた職住近接の「田園都市」の思想を具現化した理想郷だった。

 松竹キネマの映画撮影所も建てられた。現在のJR蒲田駅東口のあたりだ。「東洋のハリウッド」と呼ばれたゆえんである。

 空襲で焼け野原となった街は、戦後、町工場が集まる庶民の街へと姿を変える。その歴史のひとこまに触れられるNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の番組主題歌がホームに流れる京急線・梅屋敷駅と、その隣の京急蒲田駅の中間にある線路沿いに、宇宙船のようなドームが出現した。30日開館予定の大田区総合体育館だ。4000人の観客席数を誇り、バレーやバスケットボールなど人気スポーツの聖地となる期待が広がる。

 国際化した羽田空港の玄関口として再開発が進み超高層ビルも計画されているが、区観光大使の一人で台湾出身の女性、林翊微(リンイーウェイ)さん(43)は「商店街がにぎやかで何でもそろうし、宿泊も安い。そんないまの魅力も残してほしい」と願っている。 (滝沢学)

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