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食で予防

認知症のはなし

(2012年5月1日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

効果期待の成分も

 食品に含まれる成分には、認知症の防止に良い効果が期待できるものがあります。ただし過剰な期待は禁物です。

 エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は魚油に多く含まれ、血を固まりにくくし、脳の血管が詰まるなどして起きる血管型認知症の防止につながります。アルツハイマー型認知症の原因となる老人斑の蓄積を抑えるとの報告もあります。

 葉酸はビタミンB群の一種で、葉野菜に多く含まれています。葉酸が不足すると、アミノ酸の一種で、動脈硬化を引き起こすホモシステインが増えます。その結果、脳血管障害やアルツハイマー型認知症のリスクが高まります。葉酸の十分な摂取が認知症予防になる可能性があります。

 イチョウの葉エキスは食品成分ではないものの、フラボノイドなど多様なポリフェノールを含み、抗酸化作用があり血流を改善して認知機能を高めるとされています。欧州では医薬品として服用されています。ただし無効との報告もあります。

 日ごろから意識的に、継続的に摂取することが重要で、認知症がある程度始まってからでは、効果は期待しにくいでしょう。 (国立長寿医療研究センター内科総合診療部長・遠藤英俊)

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