最高経営責任者
最高経営責任者(さいこうけいえいせきにんしゃ、アメリカ英語: chief executive officer、略語:CEO、シー・イー・オー)とは、アメリカ合衆国内の法人において理事会又は取締役会 (board of directors) の指揮の下で法人のすべての業務執行を統括する役員、執行役員又は執行役(officer、又は executive officer)の名称、若しくは最高経営責任者 (chief executive officer) として選任された人物のことである。統括業務執行役員などと和訳されることもある。イギリスにおいては、同様の職務を行う役員を業務執行取締役 (managing director、略語:MD)、又はチーフ・エクゼクティブ(chief executive)という。
[編集] 概要
最高経営責任者 (CEO) は、アメリカ合衆国の法人における役員(アメリカ英語: officer)で、一般に理事会又は取締役会によって選任されるが、定款の定めにより、社員総会若しくは株主総会で選任する場合もある。理事会又は取締役会はいつでもCEOを解任することができるとされる。CEOの職務は理事会又は取締役会の指揮の下で法人のすべての業務執行を統括し法人(corporation)の経営に責任を負うとされる。 米国法律協会(American Law Institute、ALI)による「企業統治の原則:分析と勧告」(Principles of Corporate Governance: Analysis and Recommendations)において、法人の最高経営責任者(chief executive officer)は主要上級執行役員(principal senior executive)に分類されている。
CEOの職務は取締役(director)の職務と明確に区別される点において、取締役との役割分担が曖昧な取締役会長(chairman of the board of directors)や社長(president)などの米国の伝統的な法人の役員(officer)とは異なるが、米国の法人では取締役会長がCEOを、社長がCOOを兼任することが多い。カリフォルニア州のように、定款に別段の定めがない限り、社長(president)若しくは社長(president)を置かない場合は取締役会長(chairman of the board of directors)が法人の総支配人(general manager)および最高経営責任者(chief executive officer)となると会社法で定めている州もある。一方、法人を設立した国や州によっては役員(officer)の名称に規定がないため社長や取締役会長を置かないでCEOを置く場合もある。
イギリスでは監督機関である取締役会の業務執行役員からの独立性を確保するため、上場会社ではチーフ・エクゼクティブ(イギリス英語:chief executive)と取締役会長の兼任が規制されている。
日本国では会社法349条の規定により、あくまでも会社の代表権を持つのは取締役または代表取締役、委員会設置会社については代表執行役であり、最高経営責任者 (CEO)、最高執行責任者 (COO)、最高財務責任者 (CFO) 等の名称の役員の権限や責任に法的な裏付けは何も無く、社長や会長と同様に会社の内部的職制の名称でしかない。つまり、もし「取締役兼最高経営責任者」という名称の役職としてあっても、代表取締役制度を採用している会社では代表取締役、委員会設置会社では代表執行役でなければ法的には会社を代表する権限は無いのである。
また、「代表取締役CEO」という表記を今日、日本では多く見受けられるがこれについては、会社内での最高責任者、つまり事実上のトップということを表す意味も持つ。
[編集] 関連用語
- 役員 (会社)
- 最高執行責任者(COO)
- 最高財務責任者(CFO)
- 最高情報責任者(CIO)
- 最高技術責任者(CTO)
- 最高知識責任者(CKO)
- 最高個人情報保護責任者(CPO)
- 最高顧客市場分析調査責任者(CMO)