経済学者
経済学者(けいざいがくしゃ、エコノミスト、Economist)は経済学の専門家であり、経済の性質を解き明かすための研究をしたり、場合によってはその結果得られた理論を社会に提言・実践をする人々のことを指す。
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[編集] 特徴
総じてプラグマティストが多いと言われる。どの学問でも経済学に有効であれば尊重するところがあり、現に有力な経済学者のなかにも、数学・心理学・物理学などの分野の出身者が存在する。
[編集] 日本語で「エコノミスト」と言った場合
- 個々の経済主体の需要・供給の側面から価格と生産量の関係をモデル化するミクロ経済学者
- 一経済全体として集計された消費・投資、国民所得、物価水準などの動向を分析するマクロ経済学者
- 数理統計手法を用いて経済の数理分析を行う計量経済学者
- 上記3に近いが、官庁や金融機関等に勤務し、政府・中央銀行の政策分析やマクロ経済動向の判断を行う(狭義の)エコノミスト
などに大別でき、多くの場合そのうちでも3と4を指すが、「経済学者」としては(マルクス経済学等)より広い学問領域を研究する者も含まれる。
通俗的に「エコノミスト」として紹介される人は大半が上記4番目の分類に当てはまる。彼らは金融・投資の専門家であって、経済学における基礎的な知識は習得していないこともあり、そのため政策や社会批判に関しては、初歩的な間違いを含む発言をすることがある。これはアメリカでも良く見られる現象で、経済学者ポール・クルーグマンのエッセイ『良い経済学・悪い経済学』(原題:Pop internationalism)のなかで経済政策の知識についてとてつもなく無知なエコノミストが間違った政策で大失敗した数々の例が指摘されている。 アメリカやイギリスの経済学者には実践主義が多く見られ、政府に意見して政策に反映させている。
[編集] 著名な経済学者
一般的に有名な経済学者としてアダム・スミス(経済学の父)、カール・マルクス(資本主義経済の発展・動態を分析し、さらに共産主義経済学を唱道)、ジョン・メイナード・ケインズ(マクロ経済学の創始者)の3名が挙げられるが、彼らは経済学の創成期の人物である。彼らは経済学者というよりも「哲学者」として捉えるほうが正確とも言いうるが、経済学がその根本には社会哲学を持たざるを得ないとすれば、1960年代以降、統計手法や数学的なモデル構築が大きく発展した今日においても、彼ら3人の学説に立ち戻る価値は失われていない。