東京
東京(とうきょう)は、日本の関東地方南部に位置し、1869年2月11日(明治2年)以来、日本の事実上の首都が置かれている都市、地域である。
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[編集] 概要
2010年現在、国際連合の統計によると、東京は世界最大のメガシティと評価されており、世界最大の人口を有する都市圏を形成している[1]。都市単位の経済規模(GDP)ではニューヨークを凌ぎ、世界最大である[2]。2010年8月、アメリカの外交専門誌フォーリンポリシーにより、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ、世界第3位の世界都市に選ばれている[3]。
[編集] 地名の由来
「東京」の地名は、1868年9月(明治元年(慶応4年)7月)に出された江戸ヲ称シテ東京ト為スノ詔書により、江戸の町奉行支配地域を管轄する東京府が設置されたことに始まる。
江戸は東京と称することになったが、読み方については根拠となるような法令が出たわけでもなかった。「とうきやう」(呉音)が正規に使われたが、明治20年代頃までは「とうけい」(漢音)も混在して用いられることも少なくなかった。日刊新聞の発達により人々が情報を共有する機会が広がり、第1期国定国語教科書で「東京」の振り仮名が「トーキョー」と表記され(棒引き仮名遣い)、混在はなくなった。一方、昭和初期までは「東亰」という表記も混用されていた[4]。この「亰」という文字は「京」の俗字である。「亰」を使ったのは、中国の東京(Dongjing,ドンジン)との混同を防ぐためともいわれるが、後に同じ字となった。
江戸を東京と改称するという構想は、江戸時代後期の経世家である佐藤信淵が文政6年(1823年)に著した『混同秘策』に既に現われており、大久保利通はこれに影響を受けて江戸を東京とする建言をしたという[5][6]。
1889年(明治22年)5月1日には、東京15区を東京府から分立して東京市とした。東京市は1923年(大正12年)の関東大震災によって人口が増加した周辺の町村を合併し、市域は最終的には現在の東京都区部とほぼ同地域となった。1938年(昭和13年)6月に内務省が「東京都制案要綱」発表し、1943年(昭和18年)1月に政府が「東京都制案」を帝国議会に提出し可決されたことを受け、同年7月1日に東京都制が施行され、東京府と東京市は廃止されて東京都が設置された。
[編集] 「東京」の範囲
「ここが東京」と明確に示せる場所はなく、非常に概略的で曖昧模糊としている。一般には西部の多摩地域は除かれ、後述の特別区、特に、いわゆる「都心」がそうだというのが共通認識である。
歴史的に、江戸時代の御府内(江戸の市域)を中心に東京が形成された。これはおおよそ旧東京市15区(麹町区・神田区・日本橋区・京橋区・芝区・麻布区・赤坂区・四谷区・牛込区・小石川区・本郷区・下谷区・浅草区・本所区・深川区)にあたる。その後、特別区は再編・拡大され、現在の東京23区となった。
[編集] 東京都区部
詳細は「東京都区部」を参照
東京都区部は、東京都東部の23の特別区から構成される地域である。今日でも、統計などで東京都区部を「東京」という一つの都市として扱う場合もある。しかし1943年7月1日に東京市が廃止されて以降、東京都区部を一体として管轄する地方自治体は存在しない(区長がおり、区議会や区役所があるなど、個々の区が市と同等の扱いをされている)。また、東京都区部(総称:東京)は東京都の都庁所在地として認識される。ちなみに条例上の都庁所在地は「東京都新宿区西新宿二丁目」となっている(参考リンク)。
[編集] 東京都
詳細は「東京都」を参照
[編集] 東京市の後裔としての東京都
東京都は東京府と東京市が合わさって成立したため、旧東京市地域を管轄する地方自治体として公的に位置づけられる性格もあり、オリンピックの招致活動などでは東京都知事が東京の市長として扱われる。これはロンドン(グレーター・ロンドン)と似た構造となっている。
これは前述の東京都区部と同じ範囲である。
[編集] 東京府の後裔としての東京都
東京都は、府県制時代の東京府の性格も有している。したがって、東京都は日本の47都道府県のひとつでもある。東京府の行政区域を受け継いだため、多摩地域や伊豆諸島・小笠原諸島までの広大な海域・島嶼も含まれる。府県制から都制へ移行した1943年(昭和18年)まで、東京府には東京市・八王子市・立川市の3市があったが、都制施行と共に東京市が23区へ解体されたため、東京都下の市は八王子市と立川市の2市に減った。その後、新憲法施行に伴い地方自治法が施行され、東京都三多摩地区には2市以外にも多くの市が誕生した。
[編集] 東京圏
詳細は「首都圏 (日本)」を参照
「東京を中心とする地域の定義一覧」も参照
東京圏は、東京都区部を中心とする都市圏である。法令上は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県及び茨城県の都県域のうち、東京都区部及びこれと社会的経済的に一体である「多極分散型国土形成促進法施行令」第6条で定める広域をいう[7]。ここでは様々な法令が引用されているため難解であるが、まとめると次の区域となる。
- 首都圏整備法第2条第3項に規定する「既成市街地」は全域
- 同条第4項に規定する「近郊整備地帯」も全域
- 同条第5項に規定する「都市開発区域」
具体的には、国土交通省が告示したものが分かりやすい[8]。
なお、国土交通省では首都圏整備法に基づき、毎年「首都圏整備に関する年次報告」を国会に提出しているが、そこでは東京圏を埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県と定義している。
一般的には、東京都心から50kmから70km程度の圏内を首都圏とみなす定義、あるいは、利根川以南の島嶼部を除く南関東1都3県(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)を首都圏とみなす定義が多く見られる。近年は新幹線などの交通網の発達により首都圏の範囲は広がっているととらえて、北関東や甲信越地方、静岡県、福島県浜通り・中通りなどを含める論議もある。ただし定義によっては、市街地の連続性や交通網の発達度などの要素が見落とされていたり、科学的かつ厳密なものとは言い切れない場合もある。
[編集] 東京地方
詳細は「東京地方」を参照
東京地方は、主として天気予報での用語である。東京都から島嶼部を除いた区域を指す。
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東京都区部と多摩地域(気象情報における東京地方)
[編集] その他
[編集] 脚注
- ^ 国際連合の統計による世界の都市部の人口
- ^ プライスウォーターハウスクーパースによる都市のGDP
- ^ THE GLOBAL CITIES INDEX 2010
- ^ 鈴木理生『東京の地名がわかる事典』日本実業出版社、2002年2月、P19。
- ^ 明治21年、織田完之訂『混同秘策』の寅賓居士(織田完之)による序(近代デジタルライブラリー)
- ^ 大正6年、東京市史稿 第4冊 第4篇(近代デジタルライブラリー)
- ^ 「多極分散型国土形成促進法」第22条第1項
- ^ 国土交通省関東地方整備局建政部
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 行政
- 観光
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