nimoca
nimoca(ニモカ)は、西日本鉄道(西鉄)を中心に導入されているサイバネ規格のICカード乗車券である。発行枚数は2010年(平成22年)11月末現在で約120万枚[1]。
カード発行会社は福岡県福岡市中央区今泉一丁目12番23号に本社を置く、西鉄の100%子会社である株式会社ニモカ(資本金1億円)。このほか、大分県大分市中央町3丁目6番9号に本社を置く、大分地区バス3社と株式会社ニモカなどが共同出資する大分ICカード開発株式会社(資本金5,000万円)が「めじろんnimoca」の名で発行している(めじろんnimocaについては当該記事を参照)。
目次 |
[編集] 概要
西鉄が2008年(平成20年)5月18日に導入した非接触型ICカードである。西鉄の鉄道線ならびに西鉄バスの一般路線および一部の高速バス路線において乗車カードとして、西鉄グループの商業施設において電子マネーとして利用できる。また西鉄グループ以外では、2010年(平成22年)2月27日より昭和自動車[2]、同年12月26日より大分交通・大分バスの一部のバスで乗車カードとしての取扱いを開始しているほか、西鉄グループ以外での一部の商業施設でも電子マネーとしての取扱いを実施している。
サイバネ規格を採用したICカードの中で最初に多区間におけるバス定期乗車券の機能を搭載する。
2010年3月13日から、SUGOCA(JR九州)、はやかけん(福岡市地下鉄)、Suica(JR東日本・東京モノレール・東京臨海高速鉄道他)との[3][4]、各カードがそれぞれ本対応している鉄道路線(西鉄は貝塚線を含む全線)と西鉄バス・昭和バスの導入車両が相互利用の対象となる。
名称の由来は、Nice Money Card の略(NiはNishitetsuのNiを兼ねている)と「バスにも、電車にも、買物にも、いろいろ使えるオールラウンドなカード」という意味が込められている。その守備範囲の広さとポイントサービスからか九州の交通系ICカードでは最も発行枚数が多い。
カード番号はNR以下15桁の英数字となるが、頭の「NR」は「Nishi-Nippon Railroad」の略と思われる。
イメージキャラクターはフェレット。特に名前はつけられていない。デザインはスケアクロウマンやモダンペッツで知られるplay set products。フェレットは、2008年6月5日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された、映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」のジャパン・プレミアのレッドカーペットに、大阪・道頓堀の「くいだおれ太郎」や中日ドラゴンズの「ドアラ」と並んで、インディ・ジョーンズのトレードマークである“帽子”と“ムチ”を携えて登場した。
[編集] 利用範囲
以下、特記がない限り2011年3月時点でのサービス状況を記す。
[編集] 鉄道
西鉄電車の全路線が導入対象で、天神大牟田線、太宰府線、甘木線の全61駅ではサービス開始当初から導入が完了している。これら各駅は同時一斉スタートであったため、定期券についても供用当初から対応している。
貝塚線各駅での供用開始時期は、貝塚駅で接続している福岡市営地下鉄のICカード「はやかけん」が「nimoca」と相互利用できるようになるタイミングまで待って、2010年3月13日となった[5]。西鉄電車は他のnimocaサービスに比べて対応が早かった中、貝塚線に限っては他の路線に比べ遅れを取る形となったが、これは貝塚駅で福岡市地下鉄との乗り継ぎ利用が大多数を占め、相互利用開始後でないとICカード導入のメリットが薄かったためである。同様の事例として、JR九州のSUGOCAも筑肥線・唐津線での導入は他の路線より遅れを取る形となった。
相互利用開始時点で鉄道におけるnimocaの利用範囲は、福岡市地下鉄全線とJR九州の北部九州地区、並びにSuica事業者エリアにも広がった。
なお、西鉄の子会社である筑豊電気鉄道では、nimocaに関して導入の発表は現時点ではなされていない。
ICカード対応の新型自動改札機(緑色)でのみ通れるようになっており、従来の自動改札機(青色)はICカード非対応であるため通過できない。nimoca対応・非対応の自動改札機が混在している改札口では、このように色での区分のほか、新型自動改札機の下部と手前にnimoca対応のステッカーを掲示することで識別できるようにしている。
自動改札機が設置されていない駅ならびに無人駅では、出入り口にあるICカード専用の簡易改札機にカードをタッチするような形となっている。例外的に自動改札設置駅ではあっても、新型自動改札機が導入されず、ICカード非対応の自動改札機の手前に簡易改札機を設置して対応している駅も一部存在した(櫛原駅など一部の小駅)が、現在は新型自動改札に交換され、簡易改札機も撤去されている。この場合、nimocaでの入出場時は簡易改札機、磁気券での入出場時は自動改札機と使い分ける形となっていた。
天神大牟田線・貝塚線の一部の駅ではnimoca利用者を対象とした駐車料金割引サービスが行われている。同日中に西鉄電車を利用した場合に適用対象となり、割引額はいずれの駅も200円となっている。
- パークアンドライド優待サービス対象駅
[編集] バス
[編集] 西鉄グループ
日田バスを除く西鉄グループのすべての一般路線で使用可能で、西鉄が受託している一部のコミュニティバスも対応している。高速バスは近距離路線のみ利用できる。日田バスの急行朝倉街道線、急行久留米線の急行バス路線でも利用可能。
詳細は後述[6]。
対応車両には前面下部と乗り口横にそれを示すステッカーが貼られている。定期券類のnimoca対応は、2009年3月16日の福岡地区を皮切りに始まり、11月9日に完了した。バスカード・よかネットカード同様の乗継割引制度はnimocaでも受けられる。詳しくは該当記事参照。
- 利用できる高速バス
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- 福岡 - 北九州線(なかたに号・ひきの号・いとうづ号、砂津 - 福岡空港)
- 北九州 - 久留米線
- 福岡天神 - 直方線
- 福岡天神 - 中間・香月線(中間高速)
- 福岡天神 - 行橋線
- 福岡天神 - 佐賀線、福岡空港 - 佐賀線(わかくす号)
- 福岡天神 - 鳥栖プレミアム・アウトレット線(臨時便)
- 福岡 - 熊本線(ひのくに号、西鉄グループ運行分)
- 福岡 - 日田線(ひた号、但し、日田バスの一部便では使用不可)
- 福岡空港 - 久留米線
- 福岡空港 - 大牟田・荒尾線
- 小倉 - 北九州空港線(北九州空港エアポートバス)
[編集] 昭和自動車
西鉄グループ以外の交通事業者としては初めて昭和自動車(昭和バス)が2010年(平成22年)2月27日から以下の路線でnimocaを導入した。
上記以外の唐津・伊万里・佐賀営業所の一般路線車についても2013年度までに全車導入する予定である[2]。
なお昭和バスの定期券はnimocaに搭載できない。
[編集] 大分交通・大分バス・亀の井バス
「めじろんnimoca#利用範囲」を参照
[編集] タクシー
2009年5月18日より、久留米市内で西鉄タクシーの営業を行っている久留米西鉄タクシー株式会社が保有する小型車にてnimocaでの支払いとポイントの付与に対応している[7]。 導入するのは久留米西鉄タクシーが保有する小型車両全172台(鳥栖営業所の16台は除く)となっている。
これにより、久留米市内で西鉄グループが運営する交通機関のすべてでnimocaによる支払いに対応することとなった。
[編集] 商業施設
順次対象店舗を拡大。以下は主な店舗。●は相互利用扱いによる対応。
[編集] 西鉄系
- 電車各駅・天神バスセンター・久留米バスセンターの売店
- 西鉄ストア・スピナ・スピナマート(一部店舗。当該項参照)
- ソラリアプラザ、ソラリアステージ、天神コア、大橋西鉄名店街、エマックス・クルメ、チャチャタウン小倉内の店舗(一部利用できない店舗あり)
- 井筒屋小倉店・黒崎店
- 西鉄グランドホテル、ソラリア西鉄ホテル、西鉄イン
- 西鉄電車主要駅構内のコカ・コーラ(コカ・コーラウエスト及び西日本ビバレッジ設置分)、ジャパンビバレッジ、ネオス設置一部自動販売機
- ミスタードーナツのうち西鉄電車駅構内の店舗(西鉄プラザが運営)
- 西鉄旅行
- だざいふ遊園地
- かしいかえん
- 博多バスターミナル(一部店舗)
- マリンワールド海の中道(館内のショップ・レストラン・カフェのみ)
[編集] 西鉄グループ以外
- 博多大丸福岡・天神店及び福岡空港店
- 三越福岡店
- 岩田屋本店
- フタタ(天神大牟田線沿線の一部店舗)
- 大賀薬局
- ベスト電器(2008年8月12日から天神大牟田線沿線・福岡都心の14店舗で取り扱い開始)
- 新出光(天神大牟田線沿線を中心とした4つのガソリンスタンド及び新出光バジェットレンタリース運営のバジェットレンタカー4店舗)
- パーク24(天神・博多エリア及び春日原駅・西鉄久留米駅近接の計6箇所。春日原と久留米は、nimocaを利用したパーク&ライド割引サービスに対応)
- イズミ(2009年9月30日より、久留米市にあるゆめタウン久留米1階の食品売り場へ導入)
- フタバ図書-福岡県内のギガ全店(天神・福大前・今宿・福岡春日・福岡東)
- 福岡PARCO(一部店舗)
- セントレジャー城島高原パーク/ホテル
- ●ブックオフ(一部店舗)
- ●ヤマト運輸の宅急便
[編集] 首都圏
[編集] スーパーマーケット・コンビニエンスストア
- ローソン(福岡県・大分県内の店舗)
-
- サービス開始当初は、西鉄福岡天神駅店など福岡市内4店舗で対応。2008年8月11日に新たに13店舗で取り扱い開始。2009年10月27日より順次、福岡県内全店舗と基山パーキングエリア内の店舗に利用範囲を拡大すると同時に、店頭でのチャージも可能となる[8][9]。2010年4月20日からは大分県内の全店にも順次導入[10]。
上記以外に以下の各社では九州内の各店舗にSUGOCAを、首都圏内の各店舗(一部を除く)にSuicaを導入しており、これらとの相互利用により利用可能。
- ●ローソン(福岡・大分県以外の九州・沖縄内の各店舗では2010年4月20日よりSUGOCAを導入している)
- ●ファミリーマート
- ●サークルKサンクス
- ●デイリーヤマザキ
- ●セブン-イレブン(2011年3月18日より利用可能)
- ●イオングループの店舗(イオン・マックスバリュ・ミニストップなど)
[編集] 種類
nimoca、スターnimoca、クレジットnimoca、JMB nimoca、arecore nimocaの5種類がある。さらに、nimocaとスターnimocaには、小学生以下を対象とした小児用カードと身体・知的の第1種・第2種障がい者を対象とした障がい者用カード[11]の設定がある (西鉄・昭和の定期券発売所でのみ購入でき、所定の申込用紙に住所・氏名・電話番号・生年月日などを記入し、登録することが必要)[12]。
すべての種類のnimocaに西鉄電車・バスの定期券(エコルカード・ひるパス・ひるパスロング・グランドパス65を含む)を搭載することができる。券面(クレジットnimoca・JMB nimoca・arecore nimocaはカード裏面)に区間および期限が印刷される。昭和バス・相互利用他社の定期券は搭載できない(ただし西鉄電車・地下鉄連絡定期券など一部を除く)。
nimocaは記念カードも定期券や記名カードにすることができる。
- nimoca
- 会員登録が不要。電車やバスの利用でポイントが加算される。また、無料でスターnimocaへの変更も可能。販売価格は2,000円、そのうちデポジットが500円含まれており、残り1,500円分が使用可能である。デポジットの500円は解約時に返還される。
- スターnimoca
- あらかじめ会員登録が必要。紛失時の再発行も可能。通常のnimocaと違い、nimoca加盟店における買い物でもポイントが加算される。販売価格などは通常のnimoca同様だが、券面に氏名・性別と★マークが印字される。一部商業施設ではデポジットのみ(初期チャージ金額なし)の500円でも販売されている。
- クレジットnimoca
- クレジットカード機能付のnimoca。直接、クレジットカード会社へ申込が必要。紛失時の再発行も可能。クレジットでの利用分もポイントが加算(クレジット使用時は加盟店であっても、加盟店ポイントはつかない場合あり)される。カード内のストアードフェア額が設定した金額を下回ると自動的にクレジット決済でチャージされるオートチャージ機能がある。クレジットカードからのチャージ方法は自動改札機(入場時)およびバス車載機(降車時)によるオートチャージのみで、それ以外の機器や窓口、商業施設では不可。4社5ブランド(クレディセゾン(《セゾン》ブランド/VISA付帯)、三井住友カード(VISA付帯)、ジェーシービー、三菱UFJニコス(NICOSブランド/VISAまたはMasterCard付帯))のカードが用意されている。
- JMB nimoca
- クレジットnimocaの機能に加えて、JALマイレージバンク及びJAL ICサービスの機能も有する。同カードのみ、JALのマイルとnimocaのポイント(センターポイントのみ)の相互交換に対応する。VISA付帯で、発行はFFGカード。
- arecore nimoca
- 福岡銀行のクレジット一体型キャッシュカードであるarecoreカードの機能に、nimoca機能を合体させたカード。直接、福岡銀行へ申込が必要。クレジットnimocaと同等の機能を備え、それに加え同行のサービスである「マイバンク」のステップにより、年に一度ボーナスポイントが加算される。VISA付帯で、発行は福岡銀行。[13]
[編集] nimoca付き学生証
福岡女学院大学・同大学院・同短期大学部が2011年3月25日より学生証の機能を付帯したnimocaを導入した[14]。
[編集] チャージ
nimocaのチャージは駅に設置されているタッチパネル式の券売機、商業施設に設置されているチャージ機、nimocaを導入しているバス車載機、九州地区のローソン全店で行うことができる。チャージ可能な最低金額は1,000円であり、上限20,000円まで。ただし、バス車内では残高が10,001円以上の時はチャージ不可。
クレジットnimoca・JMB nimoca・arecore nimocaで使用できる機能であるオートチャージについては、一日の限度額が10,000円、1か月50,000円までチャージが可能である。
[編集] ポイント
各nimocaにはポイント機能がついており、利用金額によってポイントがたまる。たまったポイントは、1ポイント1円換算でSF(ストアードフェア)として使うことができる。電車・バス・買い物(スターnimoca・クレジットnimoca・JMB nimoca・arecore nimocaのみ)・クレジット利用(クレジットnimoca・JMB nimoca・arecore nimocaのみ)でポイントがつく。買い物の場合は支払いがnimocaではなく現金やクレジットでもかまわない(一部店舗は電子マネー利用のみ)。電車・バス利用でついたポイントは「カードポイント」、買い物・クレジット利用でついたポイントは「センターポイント」とそれぞれポイントの種類が異なる。また、それぞれ加算率が異なる。
カードポイントは多機能券売機・バス車内等の各所で交換できるが、センターポイントに関しては駅窓口・定期券発売所・バス営業所・ポイント交換機のみでの交換となる。また、バス車内でチャージした場合は、チャージした時点でカードポイント分を自動的に交換する機能を備えている(申し出により今回の交換分のみ停止することも可能)。
各ポイントの有効期限は、付与日翌年の12月31日まで。
[編集] カードポイント
- 電車 - 月の乗車回数によって付与率が異なる。20回までの分が運賃引落額の1%、21~40回までの分が2%、41回以上の分は3%。
- バス - 付与率は西鉄バスの場合は運賃引落額の2%、昭和バスの場合は運賃引落額の5%。これに加え、当月利用金額が2,000円毎にボーナスポイントがつく。但し、対象金額は10,000円ごとにリセットされる。
- タクシー - 久留米市内の西鉄タクシー(久留米西鉄タクシー)のみ。利用総額・回数などに関係なく100円ごとに3ポイントがつく。ボーナスポイントはない。
なお、ポイント付与の際1ポイント以下(小数点以下)の端数は切り捨てとなる。加算タイミングは即時。
[編集] センターポイント
- 加盟店ポイント(スターnimoca・クレジットnimoca・JMB nimoca・arecore nimocaのみ) - 対象外店舗を除き、基本的に税抜200円毎に1ポイント。ただし、西鉄グランドホテルとソラリア西鉄ホテル、フタタおよびベスト電器店舗では100円毎に、西鉄エム・テック博多北工場では300円毎に1ポイント。
- クレジットポイント(クレジットnimoca・JMB nimoca・arecore nimocaのみ) - クレジット利用1,000円毎に3ポイント。オートチャージ利用分も対象になる。
- ポイント移行 - 他社ポイント及びJMB nimocaでマイルから移行した場合もこのセンターポイントになる。
加算タイミングは翌日以降。
[編集] nimoca導入による従来サービスの変化
「nimoca」導入に伴い、磁気式の定期券・回数券類の一部では発売が終了したり取扱縮小が進んでいる。
- 2008年9月30日限りで西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄二日市駅間内の区間限定の回数券方式カード「パルカード40」を発売終了。
- バスカード・よかネットカードについては、2009年9月30日限りで西鉄バス車内・バス営業所・バスターミナル・定期券発売所での発売を終了、2010年3月31日限りで西鉄バスでの取り扱いを終了し、西鉄電車・福岡市地下鉄の各駅での発売を終了して発売を完全に終了した[15]。
- 西鉄電車の通勤・通学定期券は、貝塚線を除き、導入と同時にnimocaに対応。従来通り磁気定期券での発券も可能。
- 福岡地区バス定期券と電車・バス乗り継ぎ定期券、福岡都心フリー定期券、福岡都心100 円エリアフリー定期券並びに福岡都市圏エコルカードは、福岡地区導入完了の翌日となる2009年3月16日からnimocaに対応。
- 筑後地区のバス単独定期券と電車・バス乗継定期券は、導入が完了した事業拠点から順次nimocaに対応。
- 筑豊地区のバス定期券は、筑豊地区へのnimoca一斉導入翌日となる2009年6月から順次nimocaに対応。
- 北九州地区のバス定期券、得パスは、2009年9月後半以降にnimoca対応[16]。
- 筑豊エコルカード、グランドパス65並びにひるパスは、全車両導入が完了してからの2009年11月9日にnimoca対応[17]。
[編集] 相互利用
他のICカード乗車券との相互利用を目指し、2008年2月にSUGOCAの九州旅客鉄道(JR九州)、はやかけんの福岡市交通局、Suicaの東日本旅客鉄道(JR東日本)にnimocaの親会社西鉄を加えた4社で「九州IC乗車券・電子マネー相互利用に関する協議会」を設立し、2010年春から4社間で相互利用を始めるべく、準備作業を進めていた。
その結果、2009年12月18日にJRグループのダイヤ改正期日が2010年3月13日に決まったことを受け、4日後の12月22日、相互利用サービスをJR・福岡市地下鉄ダイヤ改正に合わせて開始することを正式に決定、当日より予定通り4者間の相互利用が可能になった[4][18]。
- 発表は6社共同という形で行われたが、これは東京モノレールと東京臨海高速鉄道もJR東日本からSuicaを導入し、独自にカード発行を行っているためで、“親元”のJR東日本が相互利用を開始することに伴い、整合性を取るため協調したもの。
- 埼玉新都市交通や仙台空港アクセス線及び伊豆急行は導入当初からSuica利用対応のみであり、独自のSuica発行はしていないため、発表には加わっていないが、相互利用の対象とはなっている。
- ジェイアールバス関東のSuica導入路線では利用不可。
- グリーン車Suicaシステムは利用不可。
- 鉄道博物館の入退館システムは利用不可(館内売店の買い物での利用は可能)。
- Suicaエリア内のJRと他私鉄との連絡改札口は利用不可[19]
相互利用の対象は、ストアードフェア機能と電子マネー機能に限られ、ポイントシステムは各社局とも対象に含まれていない。なお、相互利用のテストを兼ね、ベスト電器福岡本店では2009年3月からnimocaに加えSUGOCAにも本対応している。
[編集] モバイルSuicaにおけるnimocaとの相互利用
モバイルSuicaはJR東日本が2006年1月28日から開始した、おサイフケータイにSuica定期券やSuica乗車券、Suicaショッピングサービスの機能を追加できるものである。乗車券機能とSuicaショッピングサービスについては、nimocaエリアでも問題なく使用可能である。
[編集] nimocaを利用しての新幹線IC乗継サービス
東海道・山陽新幹線のエクスプレス予約による、新幹線―JR在来線の直接乗換口での「IC乗継サービス」は、SUGOCAエリアの博多・小倉の両駅、およびSuicaエリアの首都圏(東京、品川、新横浜、小田原、熱海)の各駅で利用可能である。ただしJR各社のIC乗車カードは、いずれも原則として会社間を跨ぐ利用はできないため、状況によっては利用できないこともあるので、事前に確認する必要がある。
[編集] 沿革
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 3月20日 - 『nimoca 』ラッピング電車を運行開始。
- 4月18日 - 2010年春から、JR九州SUGOCA(スゴカ)、福岡市交通局はやかけん、JR東日本Suica(スイカ)と相互利用を始めると発表。
- 5月18日 - 供用開始。(最初の導入箇所は貝塚線を除く西鉄電車全線と那珂川自動車営業所)
- 8月11日 - 累計発行枚数10万枚突破。
- 8月12日 - ベスト電器の14店舗で導入。
- 10月10日 - 西鉄福岡(天神)駅ビル内のタワーレコードで導入。
- 10月23日 - 九州電力のグループ会社であるキューデンインフォコムが運営する「hearcon」からのポイント移行に対応。他事業とのポイント連携はこれが初[20]。
- 10月24日 - 2009年春よりJALマイレージバンクとクレジットnimocaが一体になった「JMB nimocaカード」を発行すると発表。
- 12月1日 - 新出光グループで導入。新たにガソリンスタンド・レンタカーでnimocaが利用できるようになる。
- 2009年(平成21年)
- 1月20日 - ライトオン西鉄福岡駅ビル店で導入。
- 3月16日 - 電車バス連絡定期券・バス定期券・エコルカードの搭載開始。
- 3月31日 - 春日原駅近隣の駐車場でnimocaを用いたパーク&ライド割引が開始。ICカードを用いた電車乗車履歴連動型割引は九州初。
- 4月1日 - 太宰府市のコミュニティバス「まほろば号」で普通運賃での利用時に限り対応。
- 4月26日 - 久留米地区の西鉄バスで導入開始。
- 5月13日 - nimoca対応のコインロッカー設置開始。
- 5月18日 - 久留米西鉄タクシーの久留米営業所の車両に限り導入開始。
- 5月31日 - 筑豊地区の西鉄バスで導入完了。久留米西鉄タクシーの久留米営業所の全車両に導入完了。
- 6月12日 - 昭和バスが平成22年春からの導入を発表。[2]
- 7月16日 - マクドナルドnimocaキャンペーンを実施(9月30日まで。西鉄高宮駅、大橋駅構内店舗)。
- 8月21日 - とうじ福岡ビル店で導入。
- 8月30日 - 久留米地区・大牟田地区の西鉄バスでともに導入完了。これで長距離高速路線以外のすべての西鉄バスで対応したことになる。
- 9月1日 - 福岡空港内の飲食店で新たに2店舗導入。
- 11月9日 - バス定期券類のnimoca化完了。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 自動車営業所の導入歴
表記は「支社名・営業所名」とする(例:「北九州・門司」であれば、西鉄バス北九州の門司営業所のこと)。また、「本体」はその営業所が西日本鉄道の直営営業所であることを指す。
-
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 1月18日 - 本体・新宮、同・香椎浜及び宗像の全事業所
- 2月22日 - 北九州・門司、同・蜷田及び同・戸畑
- 3月8日 - 本体・土井及び筑豊・篠栗支社
- 3月15日 - 本体・宇美、同営業所桜ヶ丘車庫及び二日市・宇美支社【福岡地区導入完了】
- 4月26日 - 久留米・本社、同・吉井、同・八女、同・筑後及び佐賀・本社
- 5月31日 - 筑豊・篠栗以外の全本支社(一斉導入)【筑豊地区導入完了】
- 6月23日 - 北九州・恒見、同・弥生が丘、同・香月及び同・行橋
- 7月13日 - 北九州・浅野及び同・中谷【北九州地区導入完了】
- 7月27日 - 日田バス(ひた号、急行久留米線、急行朝倉街道線)
- 8月30日 - 大牟田、久留米・大川及び佐賀・鳥栖【全路線バスへの導入完了】[6]
- 西鉄ストア・スピナ・スピナマートの導入歴・予定日
無印は西鉄ストア、★はスピナ、☆はスピナマートである。
[編集] 今後の予定
[編集] 相互利用の拡大
- 2013年春に、北海道旅客鉄道(JR北海道)が導入しているKitaca、関東の私鉄・バス各社が導入しているPASMO、東海旅客鉄道(JR東海)が導入しているTOICA、中京圏の私鉄・バス各社が導入しているmanaca、西日本旅客鉄道(JR西日本)が導入しているICOCA、関西の私鉄・バス各社が導入しているPiTaPaとの相互利用を開始する(電子マネーサービスはPiTaPaを除く)[23]。
現行の各カードの相互利用状況については「Suica#対応表」を参照
[編集] 脚注・出典
- ^ 交通系ICカード基礎データ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000009840.pdf
- ^ a b c “昭和バスは ICカード(nimoca)を導入します (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年6月12日). 2009年6月12日閲覧。
- ^ 相互利用が開始され相互利用のカードで利用できる電子マネーとしての利用も可能となった。 Suicaでnimoca対応の自動販売機でも購入やチャージ可能
- ^ a b “SUGOCA、nimoca、はやかけん、Suica 相互利用サービス開始日の決定について (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年12月22日). 2009年12月22日閲覧。
- ^ “平成22年3月13日より西鉄貝塚線にnimocaを導入します(PDF) (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年12月22日). 2009年12月22日閲覧。
- ^ a b “「nimoca」一般路線バス全線に導入完了! 福岡・北九州を起点とする近距離高速路線でも導入が完了します (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年8月25日). 2009年8月25日閲覧。
- ^ “久留米西鉄タクシーにICカード「nimoca」を導入します (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年5月7日). 2009年5月7日閲覧。
- ^ “福岡県内の「ローソン」全店舗でnimocaがご利用いただけるようになります (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年9月30日). 2009年10月1日閲覧。
- ^ “福岡県内の「ローソン」全店舗でnimocaがご利用いただけるようになります(2009年10月23日版) (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年10月23日). 2009年10月24日閲覧。
- ^ “4月20日より 大分県内のローソン全店にnimocaを順次導入 (PDF)”. 西日本鉄道 (2010年4月8日). 2010年4月8日閲覧。
- ^ 障がい者用nimoca(2009年3月16日開始)
- ^ そのため、精神障がい者福祉手帳所持者や障がい者用カード非所持者が割引が適用される路線で割引を適用するときは乗降時等に係員に各種手帳を提示して対応する必要がある。
- ^ “「アレコレ nimoca」発行について【福岡銀行発表】 (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年12月2日). 2010年12月18日閲覧。
- ^ 九州初のICカード乗車券一体型学生証 福岡女学院大学『学生証にnimoca』利用開始 (PDF) - 福岡女学院大学、2011年3月17日
- ^ “割引乗車券のサービス終了について (PDF)”. 西日本鉄道 (2009年4月1日). 2009年4月1日閲覧。
- ^ “nimocaバス定期券 10月より北九州地区でサービス開始! 〜全ての地区で「nimoca」バス定期券がご利用可能になります〜 (PDF)”. 西鉄グループ (2009年8月12日). 2009年8月12日閲覧。
- ^ “nimocaバス定期券に新ラインナップ! グランドパス65、ひるパス、筑豊エコルカードにも!〜「グランドパス65」・「ひるパス」搭載記念キャンペーンも開催〜 (PDF)”. 西鉄グループ (2009年9月25日). 2009年9月26日閲覧。
- ^ 福岡市地下鉄は七隈線以外でJR筑肥東線と相互乗り入れを行っている関係上、ダイヤ改正は原則としてJRに連動して行う形となっている。
- ^ JR線と他の鉄道会社線の乗換改札口の利用
- ^ hearcon(ヒアコン)ポイントからnimoca(ニモカ)ポイントへの交換サービススタート 西日本鉄道 2008年10月23日
- ^ 久留米西鉄タクシーでnimocaポイントサービスを導入! (PDF) 西日本鉄道 2010年3月19日
- ^ 大賀薬局「Bibica ポイント」から「nimoca ポイント」へのポイント交換提携サービス開始 (PDF) 西日本鉄道 2011年3月22日
「G ポイント」から「nimoca ポイント」へのポイント交換提携サービス開始について (PDF)西日本鉄道 2011年3月22日 - ^ 西鉄、JR(九州、西日本、東海、東日本及び北海道)、福岡市交通局、PASMO協議会、名鉄、名古屋市交通局、スルッとKANSAI協議会以上11団体連名 (2011-05-18), “交通系ICカードの相互利用サービスを実施することに合意しました” (PDF), プレスリリース 2011年5月21日閲覧。
[編集] 関連項目
- よかネットカード - 西鉄電車・バス・福岡市地下鉄共通プリペイドカード
- バスカード (西鉄バス)
- 相互利用可能もしくは相互利用検討中のICカード
[編集] 外部リンク
- nimoca 公式サイト
- ニュースリリース「ICカードの名称とデザインが決定しました」
- ニュースリリース「九州IC乗車券・電子マネー相互利用に関する協議会」の発足について
- 神尾寿の時事日想:西日本鉄道「nimoca」はこんなサービスになる
- 「nimoca(ニモカ)」で交通・ショッピング横断の顧客分析、「駅と加盟店」の相関が分かる
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