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【国際】

北「ミサイル」通告 中韓首脳が電話協議

 【ソウル=上野実輝彦】韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は五日、北朝鮮による四回目の核実験や長距離弾道ミサイルとみられる「衛星」打ち上げ通告をめぐり、中国の習近平国家主席と電話協議した。中韓首脳の協議は一月六日の北朝鮮の核実験後初めて。打ち上げ通告期間の初日にあたる今月八日が迫るなか、強く説得に乗り出した韓国に対し、中国がひとまず応じた形だ。

 韓国政府によると、両首脳は北朝鮮の核実験や「衛星」打ち上げ予告、朝鮮半島情勢などを協議。朴氏は「北朝鮮による挑発は北東アジアや世界平和に脅威を与える行為」と主張した。

 その上で「強力で実効性のある国連安全保障理事会決議の採択など国際社会の断固たるメッセージを行動につなげなければならない」と強調。安保理常任理事国であり、北朝鮮に影響力を持つとされる中国に協力を求めた。

 朴氏は二〇一三年の就任以来、中国重視の外交姿勢を貫き、六度の首脳会談を行った。経済力の取り込みに加え、北朝鮮への影響力を持つ中国を後ろ盾に、北朝鮮に非核化や統一交渉を迫る狙いがあったためだ。だが、北朝鮮の核実験後、対北制裁への協力を呼び掛ける朴氏に対し、中国の反応は慎重だった。韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相と中国の王毅外相の電話協議では、王氏が対話を重視する姿勢を強調。首脳会談も約一カ月間行われなかった。

 韓国内では「制裁の鍵を握る習主席との意思疎通が行われていない」(朝鮮日報)など、朴氏の親中外交の方針を疑問視する見方が強まっていた。

 こうした中、強く協議を迫らざるを得なかった韓国に対し、中国が対話に応じ一定の対応を見せた。ただ、中国が制裁に協力する姿勢を示したわけではなく、北朝鮮への圧力が強まるかどうかは不透明だ。

 

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