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【社会】

福島第一原発の南側、貝など減る 国立環境研調査

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 東京電力福島第一原発事故後、同原発の南側の海岸で、貝類など無脊椎動物の種類や生息数が減少したとの調査結果を国立環境研究所(茨城県つくば市)のチームが四日、発表した。

 同研究所の堀口敏宏室長は「東日本大震災の津波の影響だけでは説明できない。原発事故で漏れ出た放射性物質や化学物質が親潮の流れで南下した可能性もあり、室内実験をして原因を調べたい」としている。

 チームは二〇一三年五〜六月、宮城、福島、茨城県内の七地点で、潮の満ち引きで海になったり陸になったりする「潮間帯」と呼ばれる海岸に生息する貝やフジツボなど無脊椎動物の種類数や生息数を分析した。

 〇・二五平方メートルの枠内でかき取った生物の種類数を調べたところ、福島第一原発の北側に位置する福島県双葉町の調査地点では合計十七種類だったのに対し、南側の大熊町は八種類、富岡町は十一種類だった。茨城県神栖市や宮城県石巻市と比べても、南側の二町は少なかった。

 また、一平方メートル当たりの総個体数について一九九五年に東電が実施した同様の調査結果と比較すると、大熊町と富岡町が当時の平均数を大きく下回っていた。

 

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