岐阜県内の外国人実習生、昨年85人失踪 関係機関会議で報告
県内で働く外国人技能実習生で、行方が分からなくなった「失踪者」が昨年一年間で、八十五人に上ることが分かった。名古屋入国管理局や県など関係機関が参加する会合が、岐阜市柳ケ瀬通六のグランヴェール岐山であり、県警が明らかにした。 会議を主催した岐阜労働局によると、県内で働く外国人技能実習生は、二〇一四年十月末で八千三百五十五人。愛知に次いで、全国二番目に多い。 県警警備一課の報告によると、行方不明の実習生の七割が女性で、国籍別では中国、ミャンマーの順に多い。行方不明者の半数は実習一年目に連絡が取れなくなった。見つかった実習生の中には「賃金の高い仕事を求めていた」などと動機を話す人もいたという。 実際に、受け入れ企業の中には労働環境が劣悪な所もある。岐阜労働局の発表によると、昨年四〜十二月、外部からの情報提供などをきっかけに、実習生を受け入れる企業八十三社を調べたところ、七十七社で賃金の未払いや長時間労働などの違法行為が見つかった。 会議の座長を務める朝日大の籾山錚吾(そうご)教授は「実習生の失踪を防ぐためにも、労働者の権利を守る必要がある」と強調した。 (嶋村光希子) <外国人技能実習制度> 外国人労働者に、日本で働きながら技能を学んでもらう仕組み。途上国の人材育成の支援を目的に、1993年に始まった。農業、漁業、繊維、建設、食品製造などの職種で最長3年間働くことができる。 PR情報
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