射撃

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射撃(しゃげき)は、遠くの的に弓矢を向け、的を打ち抜くこと。狩猟戦闘、あるいはスポーツとしてこれを行う。今日では特に、実弾を使う銃で行うものを指すことが多い(本項で詳述)。(弓矢を使うものについては「アーチェリー」の項を参照)

目次

[編集] スポーツとしての射撃

エアライフル射撃競技

夏季オリンピックの競技種目の一つである。 アメリカ以外の国で所持するには免許が必要なことが多いが、免許の基準が日本と比べて緩い場合も多く(ライフル、ピストル)人気競技の一つである。 また、イギリスは日本と同じくらい銃器の所持条件が厳しいが、競技としての認知度は高く、日本に比べれば盛んである。

[編集] 主な競技

2004年のアテネオリンピックで行われた射撃競技は以下の通り。

  • ピストル射撃
    • ラピッドファイアー
    • フリーピストル
    • エアピストル
    • スポーツピストル
エアライフル競技選手 / Hattie Johnson
  • ライフル射撃
    • スモールボアライフル
    • エアライフル
  • クレー射撃
    • トラップ
    • スキート
    • ダブルトラップ
    • ランニング・ターゲット

冬季オリンピックではバイアスロン (ライフル)が行われる。

[編集] 姿勢

立射
  • 射撃の姿勢については4種類ある。立ったまま射撃を行う立射(スタンディング Standing)、床に伏せた状態で射撃を行う伏射(プローン Prone)、あぐらをかくように座った状態で行う座射(スィッティング Sitting)、片膝を立てた状態で行う膝射(ニーリング Kneeling)である。種目によってどの姿勢で行うか(単一、あるいは複数)が決められている。

[編集] 日本での射撃

クレー射撃
飛行中のクレー(クレーピジョン)を散弾銃で撃ち落とし、その枚数によって点数を競う競技。
銃規制の厳しい日本では諸外国に比べ普及率は決して高いとは言えないが当然国内でも行われている。専用の射撃場もそれなりの数があり、年齢、性別を問わず楽しんでいる人も多い。ただし、日本の銃刀法があるので、クレー射撃に使う散弾銃を所有するためには、それなりの手続きが必要である。警察の窓口で申し込み、初心者講習会・教習射撃の受講、銃の申請をし、公安委員会から所持許可を得て、保管用ロッカー等を整えた後に所有することになる。さらに、精神状態等についての定められた条件も満たしている必要がある。
1922年、クレー射撃の大会が日本ではじめて行われた。「全日本クレー射撃選手権」(トラップ競技)が猟友会主催で行われたのがそれ。1964年には、オリンピック第18回東京大会のクレー射撃競技が埼玉県所沢の射撃場で行われた。
ライフル射撃
クレー射撃が飛翔中の的を狙って撃つのに対し、ライフル射撃では決められた距離に固定されている的を狙い点数を競う。
国際的な標準の距離は空気銃10メートル、スモールボアライフル50メートル、ビッグボアライフル300メートルであるが
国内でのラージボアライフルは射場設備の関係で300メートルよりも短い距離で行われる場合も多い。
狩猟用途でライフル銃を所持するのには散弾銃での10年以上の経験を必要とするが、競技用ライフルは空気銃での競技から始め、所定の段級位をとって日本体育協会より競技者としての推薦を取ることによりスモールボアライフル、ビッグボアライフルとステップアップ出来る。
例外的に体験射撃を許可された一部の射撃場では、無資格者も空気銃に限り設置されている貸し銃を使用した実銃射撃が許可されている。
ピストル射撃
日本では拳銃の所持に大変厳しい規制があるため普及しているとは言い難いが日本ライフル射撃協会の主管によりピストルによる射撃競技も行われており、国体の正式種目でもある。
日本体育協会よりの推薦で競技用けん銃、空気けん銃の所持が可能であるが、推薦枠は全国でエアピストル500人、装薬ピストル50人と狭き門である。
おのずと所持許可者には(特に装薬ピストル)警察官、自衛官が多いが民間人での競技選手も少数いる。
ビームライフル
エアライフル競技に使われる空気銃は玩具ではなく公安委員会の所持許可が必要な実銃であるのに対しビームライフルは低年齢者や所持許可を持たない者の入門用として光線銃を使用する日本独自の競技である。
設置場所も公安委員会の指定を受けたライフル射場以外でも使用できるので射撃部のある高校等でもさかんに利用されている。
競技は10メートルでのエアライフルに準じたルールで行われ、国体の正式種目でもある。近年、より高精度なデジタルシューティングシステムが開発され注目されている。
玩具銃
低圧ガスによりプラスチック製の弾丸(BB弾)やペイント弾を発射する玩具銃(エアソフトガンペイントガン)による標的射撃競技やサバイバルゲームなどがあり、無資格で楽しめるために愛好者も多い。諸外国のほとんどで若年者も無資格で所持できる空気銃が日本では規制されているため、これらの競技が受け皿となっており競技団体も存在しているが、ビームライフル以外は体育競技種目としては認知されておらず、実銃射撃の競技人口拡大に結びついているとは言いがたい状況である。
日本前装銃射撃
遊技場で玩具銃によりコルクの弾を発射し的を撃つ遊びやゲーム機によるものは射的(プリンキング、plinking)であり、スポーツ射撃(shooting)とは区別されている。前述のエアソフトガンやペイントガンも一般的には射的の要素が強く、スポーツ競技と言うよりゲームの意味合いが大きい。

[編集] 銃刀法:日本での銃砲所持の規則

日本では銃刀法により、一般人の銃砲の所持が厳しく制限されており、所持できるのは猟銃(ライフル銃、散弾銃) 空気銃(ライフル銃) けん銃(標的射撃目的に限る)である。猟銃や空気銃を所持する場合は標的射撃狩猟有害鳥獣駆除を目的とする所持許可申請に対してのみ許可される。
日本では、警察官自衛官海上保安官麻薬取締官刑務官入国警備官入国審査官皇宮護衛官米軍基地武装警備員、税関職員、天皇家の侍従以外の実銃の所持や使用は厳しく制限されてはいるが、一般人は標的射撃狩猟有害鳥獣駆除の目的に限れば、所持資格者にライフル銃散弾銃空気銃火縄銃、ピストルでは空気と装薬タイプ(一般に所持が非常に難しい)の所持と使用が許可される(「銃砲刀剣所持等取締法」第4条・第1項・第1号による。
前述の装薬銃を総称して「猟銃」と規定している。

[編集] 所持許可の要件

猟銃や空気銃の所持許可申請に対し、治安上の問題から公安委員会は一定の要件を満たすものに対してのみ許可を与える。銃砲を悪用するおそれのあるもの(暴力団関係者、凶悪犯罪等の処分歴があるものなど)や管理能力に問題のあるもの(アルコールや薬物依存者、精神病者、住所不定者など)は所持が許可されない。装薬銃の所持には、都道府県公安委員会の指定射撃場での教習射撃が必要である。

年齢による制限は以下の通りである。

  • 猟銃は20歳から、空気銃は18歳から所持可能。
  • 標的射撃目的に限り日本体育協会の推薦により猟銃は18歳から、空気銃は14歳から所持可能。
  • 狩猟免許は20歳以上が要件なので、狩猟目的のみの猟銃や空気銃の所持は20歳から所持可能。
  • 狩猟用ライフル銃の所持は散弾銃を継続して10年間所持している実績が必要。また、規制が厳しい地域では実際に猟や射撃を10年間ある程度行っていなければ下りないこともある。
  • 標的射撃用ライフル銃の所持は(社)日本ライフル射撃協会に所属し、エアライフル競技等で一定の成績(AR・5級以上:段級の基準点は、愛知県ラのリンク参照)をあげ同、協会主催の「ライフル射撃に関する講習会」を受講の上、同協会からの推薦を得る事が必要。
申請しようとする銃は機能上危険がなく、悪用のおそれがないもので銃刀法に定められた構造や長さがある必要がある。変装銃、機関銃自動小銃のような全自動式銃(M14の民間タイプのM1A、M1カービンの民間タイプのホーワカービン等のような半自動式銃は除く)、消音器は許可されない。
弾倉内に装填できる実包(弾薬)はライフル銃・空気銃は5発以下、散弾銃は2発以下の構造でなければならない。

[編集] 主な競技用銃

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク