落書き風の壁画で知られる神出鬼没の英国人アーティスト、バンクシーが英イングランドの建物の壁に描いた有名な風刺画が破壊されていたことが分かり、当局が調査に乗り出した。
「スパイブース」と呼ばれるこの壁画は、録音機材を持ったスパイ風の男3人が公衆電話を取り囲む姿を描いたもので、英諜報機関GCHQの本部から近いチェルトナムにある19世紀の建物の壁に2014年4月に出現した。国家による監視活動を風刺した作品と解釈されている。
この建物は保全対象に指定されており、チェルトナム州議会は2015年、スパイブースの作品計画をさかのぼって承認していた。
壁画が描かれた建物は今年1月に21万ポンド(約2700万円)で売りに出され、数日前から壁の周りに足場や防水シートが設置されていた。
英PA通信が21日にシートの隙間から内部を撮影したところ、壁画が消えてレンガがむき出しの状態になっていることが分かった。壁画はこれまでに何度か傷付けられたことはあったが、今回は跡形もなくなってしまったと思われる。
議会の建築環境対策責任者マーク・ネルソン氏は、所有者から事情を聴いていることを明らかにした。
州議会は建物の損傷が進むのを防ぐため、所有者に対して対応を通知していたといい、「作業中はバンクシーの壁画に細心の注意を払うよう求めていた」という。
現在は状況を調査している段階で、「今後どう対応するかは調査が終わるまで何とも言えない」とネルソン氏は話している。
[via:http://www.cnn.co.jp/showbiz/35087865.html]
[via photo:http://www.bbc.com/news/uk-england-gloucestershire-37148473]