童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが初めて書いたと考えられる童話の一つがデンマークの国立公文書館で発見された。
「みにくいアヒルの子」や「人魚姫」の作者として知られるアンデルセンは、生涯でおよそ160の童話を書き上げているが、今回見つかったのは「ろうそく」が主人公の物語。「彼がまだ10代だったころの作品ではないか」と専門家は言う。
10月4日、歴史学者のエスベン・ブレージュ氏が、公文書館でアンデルセンの故郷出身の裕福な家族が所有していた書類を調べていたところ、「獣脂のろうそく」と題された6ページの手書きの文書が箱の底に紛れ込んでいるのを発見した。
主人公の一本のろうそくが、どのように「火打ち石が入った箱」の助けを得て自らに点火するかを描く内容となっており、専門家によるとアンデルセンが1830年にデビューする7年前、彼が18歳のころに書かれたのではないかという。また、「アンデルセンが後に書いた童話に比べれば未熟ですが、テーマや言葉使いは彼そのものです。指紋もあちこちにありますしね」とこの専門家は話している。
アンデルセンは1805年、コペンハーゲンの西方105マイルにあるオーデンセで生まれた。童話作家として有名だが他にも小説や詩、旅行記なども書いており、作品は世界各国で翻訳されている。
[AP]