米ワシントン市内の路上でグレーの毛布に身を包み、蒸気の立ち上るマンホールから暖を取ろうとする男性。寒波の影響を報じる米紙の写真に写っていたのは、ニューヨーク州ロチェスター近郊の一家が捜す息子の姿だった。

写真はＡＰ通信のカメラマンが先週末、寒さに耐える路上生活者たちの姿を伝えようと、連邦議会議事堂近くで撮影した。男性は「ニック」とだけ名乗ったという。

この１枚が、５日付のＵＳＡトゥデーに掲載された。

男性は、１日から行方不明になっていたニック・シモンズさん（２０）だった。両親とともに暮らす自宅から車で走り去ったまま帰宅せず、地元警察が捜索していた。

ニックさんはＴシャツとパジャマのズボンにスニーカーという軽装で飛び出した。

財布も携帯電話も家に残っていたため手掛かりがほとんどなく、捜索は難航していた。

地元紙によると、家族は交流サイト「フェイスブック」に開設した専用ページを通して写真のことを知り、記事を書いたＵＳＡトゥデーの記者と撮影したカメラマンにツイッターなどで連絡した。これを受けて、ワシントンの警察がシモンズさんの居場所を突き止めた。

シモンズさんは健康診断のため、ワシントン市内の病院に収容された。病院はプライバシーの尊重を理由にコメントを控えている。

[cnn]
http://www.cnn.co.jp/fringe/35042174.html