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Sunday, July 26, 2020

沖縄戦の記憶-アジア太平洋戦争の戦犯を美化する「黎明の塔」を放置してはいけない(琉球新報コラム転載)A Ryukyu Shimpo Column on the Battle of Okinawa Memory

『琉球新報』7月8日「乗松聡子の眼 35回」「沖縄戦の記憶 皇軍の加害性を明確に」を琉球新報社の許可を得て転載します。Here is Satoko Oka Norimatsu's article in July 8, 2020 edition of Okinawan newspaper Ryukyu Shimpo. Re-posted with Ryukyu Shimpo's permission. 

Related article in English: 
From Nanjing to Okinawa – Two Massacres, Two Commanders (Asia-Pacific Journal: Japan Focus(「南京から沖縄へ 二つの虐殺、二人の司令官」)


琉球新報社提供

Wednesday, October 11, 2017

日系カナダ人作家ジョイ・コガワ氏によるオンタリオ州「南京大虐殺を記念する日制定法案」への支持表明 Japanese Canadian author Joy Kogawa supports Ontario's Bill 79, Nanjing Massacre Commemorative Day Act

Joy Kogawa
(2009年5月15日、トロント大学での
憲法9条についてのイベントで講演)
See below for Japanese translation of Joy Kogawa's statement to support Bill 79. The original English version appeared in the Toronto Star on September 15. Please leave a comment in the comment section below to express your support to Joy and Bill 79.

幼いとき戦時日系カナダ人収容を体験し、戦後そのときの体験をもとに書いた小説 Obasan (日本語訳は『失われた祖国』として二見書房から1983年、中公文庫から1998年に出ている)でカナダの代表的作家の一人となったジョイ・コガワ氏。先日からこのブログで、オンタリオ州議会で審議されてきた「南京大虐殺を記念する日」を設ける法案(Bill79)について情報を提供してきているが、さる9月15日、コガワ氏は地元紙『トロント・スター』に、この法案への支持を表明する記事を発表した。

Why I Support the Nanjing Massacre Commemorative Day Act: Joy Kogawa
https://www.thestar.com/opinion/commentary/2017/09/15/why-i-support-the-nanjing-massacre-commemorative-day-act-joy-kogawa.html

ここに日本語訳を紹介する。(注:訳はアップ後微修正することがあります)。

★コガワ氏に賛同する人はこの投稿のコメント欄に賛同コメントをしてください。


なぜ私が南京大虐殺を記念する日法案」を支持するか

-大規模な歴史上の暴力は、その歴史が繰り返されない為に、
周知され研究されるべきである-

2017年9月15日
ジョイ・コガワ

私は、カナダで生まれた日系人として、カナダと日本の両国を愛している。しかし、第二次世界大戦中の幼年期、収容所のあったブリティッシュ・コロンビア州・スローカン市で、土曜日の夜にオッドフェローホールで上映されていたニュース映画を通じて、日本の残虐行為について知ることとなった。日本の数々の素晴らしい側面に対しての誇りを持ちながらも、今日でも私は、日本の軍隊の歴史の重みを感じ、それによって未だ苦しみ続けているアジア全域の被害者とその家族が求めているものに対しても重い気持ちを抱いている。私は、深い傷を負い続けている人々が癒され、その歴史の恥を代々受け継いでいる人々の心の安らぎを願ってやまない。私たちはお互いが傷つけられやすい状況にあることを認めることで、私たちを隔てる原因となる恐怖や憎しみを乗り越えることができると信じている。

Gently to Nagasaki(仮訳:『長崎に優しく』)という著書を執筆しながら、1937年の南京大虐殺について学ぶこととなり、言葉を失うような資料画像を見て身動きが取れない様な感覚に陥った。大日本帝国軍は、数週間の間に、南京を占領し、数え切れない数の捕虜と市民を殺害したのだ。[1]今、サーベルや銃剣の世界を超えた時代において当時と同じような戦争への欲望に我々が直面するにあたり、過去の戦争の悲惨さを明確に記録していくことが重要だ。[2]

ここに、私がアジア系カナダ人と共にBill79“南京大虐殺を記念する日法案”を支持する10の理由を記す。

1)      大規模な歴史上の暴力は、その歴史が繰り返されない為に、周知され研究されるべきである。欧州のホロコーストについては、その歴史は教えられ、人々の心に刻まれているが、アジアの歴史上の大規模な残虐行為についてはそうではない。

2)      現在、排外主義・虚偽報道・歴史修正主義が横行し、ホロコーストの被害者でさえ再び平気で侮辱されてしまう時すらある時代において、Bill 79法案を通過させるような動きは、私達の人間性は、自らが蛮行を犯してしまう能力を有することを認められるかどうかにかかっている、という新たな喫緊の課題を提示する。

3)      私は日系カナダ人として、日系カナダ人に対する補償を求めた長期に渡る闘いに連帯してきてくれたアジア系カナダ人コミュニティを支持する。私達日系カナダ人が支援することによって、アジア系カナダ人コミュニティと今後も良き関係を築いていく礎となる。逆に私たちが支援しなかったりや反対したりすることは、コミュニティ内での分裂と、日系カナダ人に対する敵対心につながる裏切り行為となるだろう。

4)      オンタリオは、多種多様な文化的背景の人々が暮らしていることで知られている。この国はお互い礼をもって接するような姿勢で高い評価を得てきているが、その模範と言えよう。Bill79を通過させることは、混乱の中で希望を渇望している世界に、更なる進化と歩むべき方向性を示すことになる。
                                                                                               
5)      真実の認識なくして、和解はあり得ない。Bill79は、南京の歴史的真実を認める努力を通じて、和解への道に繋がるだろう。この一歩を踏み出すことで、オンタリオは、歴史を修正したり、曖昧にしたり、否定したりする人達とではなく、世界の歴史学者達と共に歩むことができる。

6)      実際に苦しみの中にいる人達の立場に立って、その人たちの口から真実を聞くことが、彼らの苦しみを軽減していく助けとなる。それらを否定し、過小評価しようとすれば、苦しみはさらに長引き、過去の過ちに対して更なる過ちを加えることになる。

7)      Bill79は、かつて罪なき日系カナダ人が日本の罪を代わりに背負わされ、苦しんできた強制収容の歴史を広く認知させることに繋がる。これは現在もこのようにスケープゴートにされている人たちがいるということを社会に知らしめる教育的手段となることであろう。

8)      Bill79の通過は、歴史の真実に向き合う日本の勇気ある教育者に対する激励のメッセージになる。日本の若者たちは、外国で初めて真実を知り衝撃を受ける、というのではなく、母国で自分たちの国の歴史を学ぶ機会があっていいはずだ。

9)      第二次世界大戦から40年が過ぎた1988年9月22日に、カナダ政府が議会の全面的な承認の下、罪なき日系カナダ人に対する加害を認めたことは、真実と和解の勝利であった。アジアの国際的緊張感が高まっている昨今、Bill79の通過は、連帯行動になると共に、アジアの真実・和解・平和・繁栄への希望を与えるものになる。

10)日系カナダ人として、日本が、世界の道義的なリーダーシップを示す国々と並び称されるようになることを願っている。Bill79の通過が、その様な方向へ拍車をかけていくことが私の願いである。



[1] 原文には soldiers とありそのまま訳すと「兵士」であるが、正確に言うと大量虐殺されたのは捕虜であり、筆者に確認した上で「捕虜」と訳した。

Tuesday, September 26, 2017

歴史否定派勢力に妨害される オンタリオ州・南京大虐殺を記憶する日の制定法案 (田中裕介 寄稿)Ontario's Bill 79 Attacked by Japanese Right Wing

カナダ・オンタリオ州で12月13日を「南京大虐殺を記憶する日」と制定する Bill 79という法案が、世界各地への「慰安婦像」への妨害と同様、日本の右派(政府を含む)や右派からの影響を受けた現地の日本移民などからの妨害を受けている。この件についての、トロントのライター田中裕介氏に記事を提供していただいた。これより短い記事は9月22日『週刊金曜日』にも掲載されている。
(9月30日追記。金曜日の許可があったのでこの記事も下方に貼り付けました。)

この法案については日系カナダ人を代表する作家ジョイ・コガワ氏が地元紙「トロント・スター」で支持を表明し、日系の若い世代がリーダーシップを取って「強制収容という迫害の歴史を経てきた日系こそ支持をするのが当然である」という声明を出したりしてきた。長年トロントでアジア系カナダ人同士の連帯をつぶさに見てきた田中氏のメッセージ:
カナダの日系社会は日本から押し寄せるナショナリズムの波にのまれつつある。多民族社会で育った若者たちの「共生の論理」に学ぶ時がきたのだと思う。
を心に刻みたいと思う。

バンクーバーでも歴史否定派のネトウヨが日本からわざわざ来て地元イベントに潜入し、産経新聞や「桜」チャネルなどで、あることないことを言いふらしているようだ。そういう人に伝えたいが、「歴史戦」とか称して海外にまで来て、恥の上塗りをするのはやめなさい。まず外国語を勉強して、日本語以外の本や記事を読みなさい。いろいろな国の人と話して視野を広げなさい。@PeacePhilosophy  乗松聡子

以下、田中氏の記事です。

オンタリオ州議会に提出された第79「南京虐殺事件記念日制定」法案


一部日系人やそれに呼応する本国の右派勢力が強行に妨害


田中裕介

 今を去ること1992年10月、戦後初の天皇訪中はまた国交正常化20周年の年だった。天安門事件の傷も生々しいこの時期に、中国政府の招待に応じた日本の象徴が何を語るのか。世界が注目した。

 ここカナダのトロント市では、中国系、韓国系を中心に、日系の代表を交えた200余名による、戦時中の日本軍による戦争犯罪に対する正式謝罪その他を要求する集会とデモがあった。天皇訪中に対する4項目の要求(南京虐殺の真相究明、正式謝罪、教科書へ侵略の記載、補償支払い等)が12000名の署名とともに日本総領事館員に手渡された。

 この時、カナダのアジア系コミュニティと南京虐殺事件との接点が生まれたのだと思う。当時は、トロントの中華街を歩くシニアの多くが、日本の侵略の生々しい証言者だった。

 そして25年が経過した。8月20付けの日本経済新聞に「南京大虐殺巡りカナダ州議会に意見書 自民有志14人 」という見出しの記事があった。「関係国間で好ましくない論争を引き起こす可能性がある」と自民党議員らがオンタリオ州議会に意見書を送った。また、「日本政府が前面に出ると、中国もこれに対抗して州議会への根回しを活発化させる恐れがある」と懸念してもいる。

 これはスー・ウォング議員がオンタリオ州議会に提出した「12月13日」を「南京虐殺記念日」に制定する「B79法案」のことだ。カナダに30年住み、日系コミュニティ新聞の編集者として人権問題と取り組んできた一日本人から見ると、これら自民党議員たちは、多民族社会の実相と共生の論理が全く見えていないのだと思う。

 「原爆記念日」、「関東大震災の日」など負の歴史を次世代に伝えるのが日本の親たちの責任であろう。当地にも「先住民の日」があるし、1998年にユダヤ系が被った「ホロコースト」、2009年に旧ソ連内で人工的とされる飢餓で多数のウクライナ系住民が死亡した「ホロドモール虐殺記念日」も制定されている。一方、日本は未だにアイヌを先住民族として認定していない。小池東京都知事に至っては、関東大震災での朝鮮人虐殺の追悼文を取り止めるという逆方向に舵取りをした。他者の存在を見ようとはしていない。

 トロント市役所前には、広島の灯と長崎の水を湛えた平和庭園がある。恒例の原爆記念式典で黙祷を捧げる200人ほどの出席者は約8割が非日系人だ。多民族社会では他者から学ぶという姿勢が必要なのだ。

 「B79法案」に話を戻すと、既に昨年12月にトロント市議会では、ギリシャ系のジム・カリギニヤス市会議員が提出した「南京虐殺80周年」を記念する決議をしている。カリギニヤス議員は、「ギリシャも同様の虐殺の負の歴史を抱えている」と祖国の例を出して記憶することの大切さを語った。

 一方、カナダの学校で学ぶ歴史は今もヨーロッパ史が中心だ。アジア系が40%を占めるトロントでは、教育者はアジア史を教える必要性を痛感している。

 前出の自民党議員の本音は、彼らの「歴史認識」の輸出をしたいということだろう。これらの議員は、南京大虐殺を過小評価し、「慰安婦」問題は朝日新聞が捏造したといった偽りの情報を国内で流布し、日本人の歴史認識を塗り替えようとする保守派の「歴史戦」に、国内的には既に勝利したと思っている。 

 ここで憂慮すべきは、カナダの親日派の学者たちがこの意図を見抜けずに「日本はもう十分謝罪してきた。もっと前向きになるべきだ」と、歴史を抑え込もうとする日本側の肩を持つような発言をしていることだ。「B79法案には反対だ。これは虐殺された無辜の民を悼むものではなく、日本を悪魔に仕立てる愚劣な政治目的に使われるものだからだ」とカナダの政策を論ずるサイトで主張するのは、トロント大学のデビッド・ウェルチ政治学教授だ。「中国政府はメディアを使い反日感情を煽り続けている。B79法案はそれを裏付けるもので、カナダ社会に亀裂を生むだけだ」と断言する。これに呼応するように地元の日本関係の学者たちは一切口を閉ざしてしまった。     
 
 全カナダ日系人協会(NAJC)や日系文化会館(JCCC)に依拠する移住者たちは、真珠湾攻撃の後、自分たちが差別の対象となったことを忘れるな、これは中国と日本の間の問題でありカナダ市民とは関係がないのだと反対する。

 そして、差出人不明のハガキが日本からオンタリオ州の議員全員に届いた。全て同じ文面で、「1937年12月から翌3月まで南京市内の推定人口」と題して、幾つかの文献から引用し、虐殺があったとされる時期に、「国際安全区には20万から30万まで人口が増えてさえいる」としている。
(写真説明:日本からオンタリオ州議会議員の全員に送られてきた、
歴史修正主義者が作成したと思われるハガキ。南京虐殺があったとされる1937年12月末の南京市の人口は推定25万だったが、翌3月末には推定27万人に増加していると記されている。これは国際安全区とその周辺のみのサンプル統計から類推された数字を南京市の総人口だと拡大解釈したもので、近郊6県を含む広大な首都南京市の人口とはおよそかけ離れた数字だ。)

 これは、灘高校の歴史教科書の使用に抗議するハガキと同じ趣旨だ。いわゆる「大東亜戦争肯定史観」なのである。

 「愚劣な政治目的」とは、このような策動を言うのではないか。今年、ウェルチ教授は日本政府が500万ドル(約5億円)を寄付してトロント大学に新設させた「グローバル・ジャパン」学科の主任に就任した。
 
● エスニック人権運動の成果
 1988年、NAJCは、第二次大戦中の強制収容、財産没収に対してカナダ政府から謝罪と賠償を獲得した。40数年間執拗に訴え続けた成果だった。

 この日系リドレス運動の経緯は拙訳のマリカ・オマツ著「ほろ苦い勝利」(1994)に詳しい。それによると、最終局面で日系人のリドレス運動を躍進させたのは、先住民、ユダヤ系、中国系、韓国系、ウクライナ系カナダ人などエスニック・マイノリティ22団体の連帯表明だった。
 特に、香港移民の若者たちは、1970年代から今日までカナダの人種差別と果敢に戦ってきた。      

 一方、韓国系移民は、ベトナム戦争で米軍が敗退すると即座に大量に流れ込んできた。北朝鮮の脅威が背後にあった。元慰安婦の金学順が証言者として出現した1991年からキリスト教会や韓国系女性協会が先頭に立ち、女性に対する暴力として「慰安婦」問題と取り組みだした。

 それと並行して、中国系カナダ市民協進会(CCNC)は、1992年の天皇訪中を機に「南京虐殺」運動を開始した。今般のB79法案は、こうした日系リドレス運動から続くカナダの人権運動の一つの成果だった。

 当然にもNAJCは、これら韓国系の慰安婦問題、中国系の南京虐殺問題を支援した。それは、2007年、「慰安婦」が日本帝国による性奴隷制度であったことを認め、教科書にその事項を記載し、真摯な謝罪を行うようにとの日本政府への提言を連邦議会で採択する頃まで続いた。ところが、その後は急激に退潮して行った。これは、日本と中国、韓国の領土問題、教科書問題の影響が移民地にまで及んだことを意味する。
 (写真説明:7月24日、トロント市内でB79法案を支援する記者会見が行われた。中央でマイクを持つのがスー・ウォング州議会議員。その右隣がアルファのジョセフ・ウォング医師。右端二人は、日系人側の支援者代表で作家のジョイ・コガワと日系人ユース・グループのレン・イトー。)

B79法案を推進してきたのは、アジア太平洋戦争史を理解し保存するNPO団体のアルファ(ALPHA)で、その中心になっているのは、こうした香港移民である。その一人、トロント・アルファのリーダーで内科医のジョセフ・ウォング(66)は、1970年代から人種差別反対の先頭に立ち、さらに、90年代に高齢化する同胞社会のために長期ケア施設を設立した。そして、その一部を日系人に提供している。今も無償で会長を務め、内科医の仕事と両立させている。 

 ところが、2009年に日系人が共著で出した、カナダの産業スパイの実態を暴いた「Nest of Spies」という本に、アルファが中国政府のエージェントであると匂わす記述があった。途端に、噂は日系社会に広まり、日系のリーダーたちが、「アルファに近寄るな」と触れ回った。

 日本国領事が、筆者の編集室に真偽をただしに来たこともある。こちらの答えはこうだ。香港移民たちは中国本土から来た移民とは、民族主義に温度差がある。1989年の天安門事件が起きた6月、中国総領事館に抗議に押し寄せたのは香港移民だった。ジョセフ・ウォングもその一人だ。純然たる人権活動家なのだ。

 前述の「Nest of Spies」の出版社は、事実無根であるとして名誉毀損でアルファに訴えられ、高額の慰謝料を課された。だが、燎原の火となって広まった「噂」は未だに消えない。

●今こそ「共生の論理」に学ぶ時
 9月、オンタリオ州議会が始まり、10月中にはB79法案の成否が決まる。だが、ここへきて前出の日系社会の重鎮でオンタリオ州法廷の裁判官マリカ・オマツが「反対」を表明した。「自分たちが人種差別の標的になったことを忘れるべきでない。日系カナダ人と日本人を区別していないB79法案は受け入れられない」という。ここにあるのは他者への共鳴ではなく、他者への恐れと自己防衛の論理だ。

 かつて彼女の著書を和訳し、そこから人権思想を学んだ筆者は戸惑いを覚えた。明治以来の日本のアジア侵略は人種差別の歴史そのものだった。マリカは、犠牲となったアジア諸国民の傷の深さに思いが至らないのか。リドレス勝利から29年。これからは他の少数者の正義を求める闘いを支援すると約束した、あの崇高な人権意識の風化を思い知った。

 一方、希望も見えた。日系の若者たちが立ち上がったのだ。アジア系人権運動の一環としてB79法案を支持するのは当然であり、州議会に宛てたB79法案反対の声明を撤回しろという抗議文をNAJC上層部に送った。この若者層を支持する作家ジョイ・コガワ等かつてのリドレス活動家も声を上げた。更に、中国系、韓国系の若者たちが広島長崎記念日に参加し、亀裂どころか連帯を強化している。

 一方、カリフォルニア州の日系人権団体NCRRは、地元の慰安婦像設置運動を支援してきた。そして、「それによって日系人が差別の対象になったというケースはない」と断言している。

 昨年、「親学」の高橋史朗が「トロント正論の会」の招きで日系会館で講演した。集まったのは50名ほどの高齢の移住者だった。「子どもの発達障害は伝統的な子育てで防げる」といった非科学的な理論で批判を浴びている「親学」を提唱する高橋史郎が日本語で語る、国際人となるための日本の伝統的な子育て方法が北米でいかほどの意味があるのか。しきりに頷き聴き入るシニアたちの肩越しに見えてきたのは、「美しい祖国日本」への郷愁だ。そして、それは冒頭の自民党議員たちが共有する「大東亜戦争肯定史観」に重なってゆく。危険だと思う。

 今、カナダの日系社会は日本から押し寄せるナショナリズムの波にのまれつつある。多民族社会で育った若者たちの「共生の論理」に学ぶ時がきたのだと思う。自分たちの祖先に大きな刻印を残した南京虐殺事件を平和を願う記念日とすることで、「亀裂」を乗り越えて「和解」へ向かう第一歩としてほしいと思う。


たなかゆうすけ:元日系ボイス・マネージングエディター。フリーランス・ライター。和訳書に「ほろ苦い勝利」(1994)、「暗闇に星が輝くとき」(1999)等。

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カナダ・オンタリオ州議会の「南京大虐殺を記念する日」制定への日系人団体の反対に対する日系人の批判

日系カナダ人からオンタリオ州ウィン首相への手紙:私たち日系カナダ人は、オンタリオ州議会のBILL79(南京大虐殺を記憶する日の設立)を支持します。

田中裕介氏の過去の投稿
歴史に何を学ぶか ­– 80年後に甦った「石の声」

★週刊金曜日9月22日号の田中裕介氏の記事です。
注:金曜日の記事は記者会見の写真キャプションが誤っています。以下訂正します。
7月24日、トロント市内でB79法案を支援する記者会見が行われた。中央でマイクを持つのがスー・ウォング州議会議員。その右隣がアルファのジョセフ・ウォング医師。右端二人は、日系人側の支援者代表で作家のジョイ・コガワと日系人ユース・グループのレン・イトー。」



Monday, October 03, 2016

沖縄戦を学ぶ平和教育の場に、「靖国神社遊就館と同じ」と誇示する旧日本軍兵器が展示されている。

琉球新報10月2日「論壇」に載せてもらった。沖縄戦を学ぶ平和教育の場として知られる南城市の「糸数アブチラガマ」に旧日本軍の大砲と魚雷がことし3月から展示され、大砲の方は靖国神社遊就館に同じものが展示されているということをわざわざ誇示するような文言が説明版に付け加えられた。

まずこの「論壇」を読んでください。読みにくい場合は絵をクリックすれば拡大できるはず。


写真なしの記事では説明しづらい部分もあったので、このブログ投稿で写真も含めて補足する。

この問題について沖縄の新聞では、沖縄タイムスが5月に報道している。

『糸数壕近くに大砲展示「慰霊の場に不適」平和ガイド 「平和学習のため」南城市説明』 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/31143 (5月18日)

会員でないと全部読めない記事なので、私の記事にはなくこの記事にある事実を要約すると、
  • 大砲の方は「大里農村環境改善センター」、魚雷の方は「佐敷の老人福祉センター」に保管されていたが、「平和学習の拠点であるアブチラガマに展示した方が多くの人に見てもらえる」との市議の提案などもあり、約300万円の移設予算案が昨年度(2015年)の議会で可決された。
  • この記事ではガマを案内する「ゆうなの会」の當山菊子代表の声として「兵器は、アブチラガマにあった物ではない。展示がだめなのではなく、他の場所、または資料館でなら理解できる」と引用している。それに対し市は「平和祈念公園は祈りの場だが、人間の愚かさを示す兵器も展示している」と説明したようだ。また、沖縄国際大学の吉浜忍教授のコメントとして「兵器がなぜそこにあったのかという歴史を考えてもらうためにも、本来、発見現場での展示が望ましい」「移設するにしても、設置場所や説明文は、委員会を立ち上げて議論すべきではなかったか」とある。

また、この「論壇」の冒頭で書いたように、沖縄の季刊誌『けーし風(かじ)』(1993年創刊)7月号の記事「沖縄戦追体験の場に旧日本軍の大砲を展示」で宇根悦子氏が問題提起している。ここからポイントを取り出すと、

  • 「糸数壕は沖縄戦当時、地元住民の避難壕、旧日本軍の陣地壕、野戦病院壕として使用された。野戦病院が南部へ撤退していくとき、重傷兵約二百名が置き去りにされ、殺された」「近年は平和学習や観光で訪れる見学者が増え、年間数万人が入壕する。
  • 宇根氏が5月に東京の人たちを案内したときに大砲の展示に気づき、その後南城市政策調整課に講義と撤収を求めるメールを送った。その後観光商工課から来た返信メールには、3月に南城市が展示した説明として、「平和学習に役立てるために展示した。ご理解ください」とあった。宇根氏の怒りはおさまらない。
  • 宇根氏は過去の同様の問題に言及する。ひとつは2002年ごろ、沖縄県平和祈念資料館前庭に、旧日本海軍の魚雷が展示された。資料館監修委員会に諮らずに当時の県(当時の県知事は稲嶺恵一氏)が独断で展示した。魚雷展示のあと、修学旅行生がその前で記念撮影をするなど、平和祈念公園のシンボルとされてしまった。人々の批判が集まり、魚雷は地下埋没型の展示となる。
  • 2005年には西原町が町立図書館の入り口に旧日本軍の大砲を展示。目的は「平和教育」とされる。町民からの批判で撤収を求める署名運動が展開、「大砲は姿を消した」。
8月23日友人たちと訪問したときの写真をここに紹介する。

左の建物が、糸数アブチラガマ見学の案内所ともなっている南城観光総合案内センター。道をはさんで、展示されている大砲の砲身は角度によってはこの、平和学習の拠点になっている建物をターゲットにしているようにも見える。

道をはさんで、赤いズボンの人の右側、足元にあるのが二つの兵器の説明版。糸数アブチラガマを見学する人は右方の案内センターでヘルメットをかぶったりして準備した後、これらの説明版の前を取って左方面の壕入口まで行く。

これが二つの説明版。左側が魚雷の説明、右側が大砲の説明。



これが大砲の説明だが、南城市が3月にここに移設したときに付け加えた文言「現在砲としては、靖国神社遊就館にも展示されている。 平成28年3月移設 南城市」とある。

論壇で指摘した、文言が削除されているようなスペースというのは上の写真を見ればわかる。説明版の石には2本の切れ目が入っていて、上の方は、本文と「平成15年12月 大里村教育委員会」を分けている。「・・・をうけたといわれている。」の直後から切られており、文の途中で切られたように見える。黒い説明版の板の下に、もともと説明版がはられたいたときの枠組みであったかのように見える線があるのがわかるだろうか。数行の説明が削られたのではないかと疑う理由である。もう一本の線は、今回新たに付け加えた「靖国」のくだりなので、この線は説明がつく。

この「論壇」が出た直後、読んでくれた人からフェースブック経由で「これが大里にあったときの説明板だと思いますが、すでに切れ目はあるみたいです」と、このサイト「沖縄本島中南部お散歩マップ」の一ページを紹介された。

前の設置場所は「沖縄県南城市大里仲間928に位置する、南城市立図書館大里分館(大里農村環境改善センター)敷地内」ということだ。沖縄タイムスのニュースにこの場所は記されていたが、驚いたのは、ここは南城市立図書館の分館だったということだ。このサイトの筆者は、ここでも砲身が図書館入口に向かっていることを指摘し、「図書館入口に砲身が向かっているが、南城市では図書館に展示することに反対運動はなかったのだろうか。同時期に、榴弾砲を図書館に展示した西原町では、反対運動で、目立たない場所への移転を余儀なくされた」と言っている。この西原町の反対運動とは、宇根悦子氏が上で述べているもののことであろう。

要するに、この大里の図書館前に設置された大砲は、同時期に西原町の図書館前に展示された「榴弾砲」が反対運動で別の場所に移されたのに比べ、反対運動もおこらず、今年の3月になって糸数壕前に「靖国の遊就館と一緒」という説明とともに移設されたということだ。

ちなみにこの西原町の「榴弾砲」は、「お散歩マップ」の人によると、反対運動によって「西原町立図書館前」から、「西原町与那城124 の西原町中央公民館の建物の左から裏に回ったところ」に移されたようだ。説明版には

『この榴弾砲は、去る太平洋戦争の沖縄戦において、日本軍が使用した大砲で、平成16年12月、西原町幸地集落南西部の陣地壕跡から発見された。西原町は、この榴弾砲が原型を留めないほどにすさまじい日米両軍の戦闘がくりひろげられた激戦地で、当時の住民の約47%の尊い命が犠牲になった。破壊された榴弾砲をこの地に展示することにより、戦争の悲惨さ、愚かさを認識するとともに戦争のもたらす恐ろしさ、悲しさを語り継いでいくてがかりとしてほしい。二度とあの忌まわしい戦争を起こしてはならないという誓いと、平和の尊さを実感し、さらには平和教育の資料として役立つことを願い、終戦60年の節目にあたりこの榴弾砲を展示する。平成17年8月15日 西原町』

とある。写真はここ。これが、西原町図書館前にあったときのものをそのまま移したのか、移設したときに新たに作ったのかははっきりしないが、文言としては、戦争の愚かさ、悲惨さを強調し、「二度とあの忌まわしい戦争を起こしてはならない」という誓いとともに展示されたということで、「靖国と一緒」だと誇示している現在の糸数壕前の大砲の文言とは趣を異にしている。(注:「あの忌まわしい戦争」は沖縄が起こした戦争ではないので、「二度と起こしてはならない」という文言が適切だとは言わない。せめて「起こさせてはならない」というべきだろう。しかし戦争の否定をかたらない碑文や戦争を肯定する碑文よりはベターだという意味で比較した。)※この注は10月5日追記

また、「論壇」の読者が指摘していたのは、現在の糸数壕前の大砲の文言が一部削られているように見える件について、これは大里の図書館前にあったときからすでにそうだったということである。ことし3月の南城市への移設のときに削られたのではなさそうだ(写真はここ)。それでは、文言の一部が切られているのではないかという疑いが本当だったらいつ切られたのか、また、切られた部分は何という言葉だったのか、というのがますます気になる。これは私の勘ぐりであるが、西原町の「榴弾砲」の説明文が、戦争の愚かと悲惨さを強調する文言を含んでいることから、同様の文言があったのではないかという推測ができる。しかしこれはもちろん調べてみないとわからない。

誰か、関心と問題意識を共有する人、調べてみませんか。

また、今回の糸数壕前の、「靖国」の言及を伴う兵器展示は、南城市大里の図書館前に展示されたときに問題視されず、西原町のような反対運動も起こらなかったことの一つの帰結ともいえるのではないか。

「論壇」にも書いたが、平和学習の場での兵器展示に対する問題意識がもっともっと広まることを望む。沖縄戦の記憶の場所が、少しずつ、じわじわと、「靖国化」されることを許してはいけないと思う。

@PeacePhilosophy 乗松聡子




Tuesday, September 13, 2016

目を覆うばかりの極右内閣: 第3次安倍晋三再改造内閣の超タカ派(極右)の大臣たち(俵義文)

俵義文著『日本会議の全貌』
花伝社、2016年6月。
2016年8月3日にスタートした第3次安倍内閣の2度目の改造内閣の面々の分析をいつものように「子どもと教科書全国ネット」の俵義文(たわら・よしふみ)氏が分析した結果を提供いただいた。NHKが9月12日に発表した最新の世論調査(9月9日から3日間にわたって実施)では内閣支持率はなんと4%上がって57%であるという。昨年「戦争法制」強行成立で支持と不支持が逆転したときから1年、日本人は人の命にかかわる法制に対する抵抗も安倍のマリオ変装で完全にのど元過ぎてしまうほどの愚民なのか。過半数が支持する内閣の面々がいかに時代錯誤、憲法軽視、女性や外国人蔑視、近隣諸国に牙をむける好戦的な人間たちなのか、この表をみて再認識したい。特に所属団体が表の中で3行以上に及ぶ安倍晋三、高市早苗、稲田朋美、衛藤晟一、萩生田光一、義家弘介、下村博文、古屋圭司、目を覆うばかりの極右ぶりだ。@PeacePhilosophy

【資料】 第3次安倍晋三再改造内閣の超タカ派(極右)の大臣たち

201698日改訂 俵 義文(子どもと教科書全国ネット21)作成
大 臣
 氏 名
         所属の議員連盟など
総 理
安倍 晋三
歴史、日本(特別顧問)、教科書(顧問)、神道(会長)、靖国、改憲、同盟(顧問)、創生(会長)、拉致(顧問)、「慰安婦」、親学(会長)、人格(最高顧問)
副総理・財務・金融

麻生 太郎
日本(特別顧問)、神道、靖国、教基法(顧問)、改憲、同盟、創生(副会長)、拉致(顧問)
総 務
高市 早苗
日本(副会長)、教科書(幹事長代理)、神道、靖国、若手靖国、教基法、改憲、創生(副会長)、反日教組、拉致、「慰安婦」、人格(顧問)
法 務
金田 勝年
日本、神道、靖国、改憲、(参)
外 務
岸田 文雄
歴史、日本、教科書、神道
文部科学・教育再生
松野 博一
日本、神道、創生(委員)、「慰安婦」
厚生労働
塩崎 恭久
日本、教科書、神道、靖国、改憲、創生(副会長)、(参)
農林水産
山本 有二
日本、神道、靖国、創生(委員)、「慰安婦」
経済産業
世耕 弘成
日本、神道、靖国、改憲、同盟、創生(副会長)、反日教組、「慰安婦」 (参)
国土交通・水循環
石井 啓一
 (公明党)
環境・原子力防災
山本 公一
日本、神道、靖国
防 衛
稲田 朋美
日本(政策審議副会長)、教科書、神道、靖国、同盟、創生(事務局長代理)、正しい(事務局長)、南京、反中国(事務局長)、W・P、「慰安婦」、拉致(幹事)
復興・福島原発再生
今村 雅弘
日本、教科書、神道、靖国、改憲、創生(委員)、正しい
国家公安・防災
松本 純
神道、靖国、改憲、同盟、創生(委員)、反日教組
沖縄・北方
鶴保 庸介
神道、靖国、改憲、同盟、反日教組、(参)
経済再生
石原 伸晃
神道、改憲、同盟(副会長)、創生(委員)
1億総活躍・働き方改革・拉致
加藤 勝信
日本(副幹事長)、神道、靖国、若手靖国、同盟、創生(元事務局長)、文化
地方創生・行政改革
山本 幸三
日本、靖国
オリンピック
丸川 珠代
日本、神道、靖国、創生(事務局次長) (参)
官房長官・沖縄基地
菅 義偉
日本(副会長)、教科書、神道、靖国、改憲、拉致、創生(副会長)
 首相補佐官


教育再生・少子化
その他の国政の重要課題
衛藤 晟一
歴史、日本(幹事長)、教科書(会長代行)、神道、靖国、教基法(副委員長)、改憲、同盟、創生(幹事長)、反日教組、拉致(副会長)、「慰安婦」、正しい (参)
ふるさとづくり推進・文化外交
河井 克行
神道、靖国
国家安全保障・選挙制度
柴山 昌彦
日本、神道、靖国、創生(委員)、反日教組
 内閣官房


官房副長官
萩生田 光一
日本(元事務局長)、教科書(沖縄問題小委員長)、神道、靖国、若手靖国、同盟、創生(前事務局長)、反中国(幹事長)、正しい(幹事長)、人格(副幹事長)、文化
官房副長官
野上 浩太郎
日本、神道、改憲、同盟(事務局次長)、創生(委員) (参)
 副大臣
 氏 名
         所属の議員連盟など
復 興
橘 慶一郎
神道
復 興
長沢 広明
(公明党) (参)
内 閣 府
石原 宏高
日本、神道、靖国、拉致
内 閣 府
越智 隆雄
日本、同盟、創生(委員)
内 閣 府
松本 洋平
日本、神道、靖国、同盟、創生(委員)、W・P
総 務
原田 憲治
神道、靖国
総務・内閣府
赤間 二郎
神道、靖国
法務・内閣府
盛山 正仁

外 務
岸 信夫
日本、神道、靖国、改憲、創生(委員)、「慰安婦」
外 務
薗浦 健太郎
日本(幹事)、神道、靖国、同盟、創生(委員)、W・P、文化
財 務
大塚 拓
日本、神道、同盟、南京、W・P
財 務
木原 稔
日本(幹事)、教科書、神道、靖国、創生(事務局長)、拉致、W・P、文化(代表)
文部科学
義家 弘介
日本、教科書(事務局長)、神道、創生(事務局次長)、親学、反日教組(幹事長)、「慰安婦」、人格(幹事)
文部科学・内閣府
水落 敏栄
日本、神道、靖国(事務局長)、反日教組 (参)
厚生労働
橋本 岳
日本、神道、靖国
厚生労働
古屋 範子
(公明党)
農林水産
齋藤 健
日本、神道、創生(委員)
農林水産
礒崎 陽輔
日本(政策副会長)、神道、靖国、改憲、同盟、創生(委員) (参)
経済産業
松村 祥史
神道、靖国、創生(委員) (参)
経済産業・内閣府
高木 陽介
(公明党)
国土交通
田中 良生
靖国
国交・内閣・復興
末松 信介
日本、神道、同盟、創生(委員) (参)
環 境
関 芳弘
神道、靖国
環境・内閣府
伊藤 忠彦
神道、同盟
防衛・内閣府
若宮 健嗣
靖国
大臣政務官
 氏 名
         所属の議員連盟など
内閣府
武村 展英
日本、神道、靖国
内閣府
豊田 俊郎
日本、神道、創生(委員)
内閣府・復興
務台 俊介
靖国 (参)
総 務
金子 めぐみ
日本、神道、靖国
総 務
冨樫 博之
日本、神道、靖国
総務・内閣府
島田 三郎
(参)
法務・内閣府
井野 俊郎

外 務
小田原 潔
日本、人格
外 務
武井俊輔
日本、神道、靖国
外 務
滝沢 求
日本、神道、靖国、創生(委員) (参)
財 務
杉 久武
 (公明) (参)
財 務
三木 亨
神道、靖国 (参)
文部科学
樋口 尚也
 (公明)
文科・内閣・復興
田野瀬 太道
教科書、神道、靖国
厚生労働
堀内 詔子
日本、神道、靖国
厚生労働
馬場 成志
日本、神道、靖国、創生(委員) (参)
農林水産
細田 健一
日本、神道、靖国
農林水産
矢倉 克夫
(公明党) (参)
経済産業
中川 俊直
神道
経産・内閣・復興
井原 巧
日本、神道、靖国、創生(委員) (参)
国土交通
藤井 比早之
日本、神道
国土交通
大野 泰正
神道、靖国 (参)
国土交通・内閣府
根本 幸典
日本、神道、靖国
環 境
比嘉 奈津美

環境・内閣府
井林 辰憲
日本、神道、靖国
防 衛
小林 鷹之
日本、神道
防衛・内閣府
宮澤 博行
日本、神道、靖国、創生(委員)、文化
自民党役員
 氏 名
         所属の議員連盟など
副総裁
高村 正彦
神道、靖国、同盟(副会長)、拉致(顧問)
幹事長
二階 俊博
靖国、改憲、同盟(副会長)
幹事長代行

下村 博文
日本(副会長)、教科書(幹事長)、神道、靖国、若手靖国、教基法(委員長代理)、改憲、同盟、創生(副会長)、反日教組、正しい、「慰安婦」、親学(事務局長)、人格(会長)
幹事長代理
林 幹雄
日本、教科書、神道、靖国、改憲
幹事長代理
望月 義夫
日本、神道、靖国
幹事長代理
岡田 直樹
神道、靖国、創生(事務局次長)、同盟(事務局次長) (参)
筆頭副幹事長
*総裁特別補佐
西村 康稔
日本、神道、靖国、教基法(事務局次長)、創生(副幹事長)、拉致(副幹事長)
総務会長
細田 博之
歴史、神道、靖国
政調会長
茂木 敏光
日本、神道、靖国、改憲
選対委員長
古屋 圭司
日本(副会長)、教科書(会長)、神道、靖国、教基法(委員長)、改憲、創生(会長代理)、反日教組、反中国(副会長)、正しい、米抗議、拉致(幹事長)、「慰安婦」
広報本部長
平沢 勝栄
日本、教科書、神道、靖国、改憲、同盟(事務局次長)、創生(委員)反日教組
国対委員長
竹下 亘
日本、神道、靖国、改憲
参・議員会長
橋本 聖子
日本(幹事)、教科書(幹事)、靖国、教基法(副委員長)
参・議員副会長
中川 雅治
日本、神道、靖国、創生(委員)、同盟、反日教組
参・幹事長
吉田 博美
神道、靖国、改憲
参・幹事長代行
関口 昌一
神道、靖国、創生(委員)
参・政策審議会長
愛知 治郎
日本、神道、改憲、拉致
参・国対委員長
松山 政司
日本、神道、靖国、改憲、教基法(理事)、同盟


※議員連盟の略字の説明
*歴史=自民党歴史・検討委員会
日本=日本会議国会議員懇談会(「日本会議議連」)、衆参281人(2015.9.15現在)
教科書=日本の前途と歴史教育を考える議員の会(「教科書議連」)
神道=神道政治連盟国会議員懇談会(「神道議連」)、衆参326人(2016.5.30現在)
靖国=みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会(「靖国議連」)、衆参362人(2016.5.30現在)
創生=創生「日本」、安倍が会長の「戦後レジーム」からの脱却、改憲をめざす超党派議員連盟(大部分は自民党)で事実上の「安倍議連」。201025日の発足時は75人、安倍政権誕生10か月後の131029日の総会時に190人に。151128日に2年ぶりに開催した研修会で190人の国会議員が加入と発表。
改憲=憲法調査推進議員連盟(超党派の「改憲議連」)
同盟=新憲法制定議員同盟(超党派の「改憲同盟」)
教基法=教育基本法改正促進委員会(自民・民主による超党派議連)
拉致=北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟(「拉致議連」)
正しい=正しい日本を創る会
反中国=中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国会議員の会
南京=映画「南京の真実」賛同者
W・P=米「ワシントンポスト」への「慰安婦」否定の意見広告に賛同した議員
米抗議=アメリカ下院の「慰安婦」決議への抗議文に署名した議員
「慰安婦」=米・ニュージャージー州「スターレッジャー」に「慰安婦」否定の意見広告に賛同した議員
反日教組=日教組問題を究明し、教育正常化実現に向け教育現場の実態を把握する議員の会
親学=親学推進議員連盟。高橋史郎が理事長の親学推進協会と連携して20124月に設立
人格=人格教養教育推進議員連盟。14610日設立の超党派議連。道徳の教科化などを推進。70人。
文化=文化芸術懇話会。自民党の若手タカ派議員によって15625日の初会合で正式発足。作家の百田尚樹を講師に招いた同日の会合で、マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」などの意見が出て、大きな問題になった。
※これらの議連など解説は俵義文ほか共著『軍事立国への野望』(かもがわ出版)又は『安倍晋三の本性』(金曜社)、『日本会議の全貌―知られざる巨大組織の実態』(花伝社)を参照

※参考(数字は人数、比率)

大 臣
首相補佐官
官房副長官
副大臣
政務官
   合 計
日本
16
80.0%
        2
        2
   13
   15
49
63.6%
教科書
 7
35.0%
        1
    1
    2
    1
 11
14.3%
神道
 18
90.0%
        3
        2
   18
  19
 60
77.9%
靖国
 16
80.0%
        3
        2
   13
   17
 51
66.2%
創生
 14
70.0%
        2
        2
   10
    5
 33
42.9%
改憲
 11
55.0%
        1
        1
    2
     
 15
19.5%
同盟
  7
35.0%
        1
        2
    6
     
 16
20.8%
「慰安婦」
  6
30.0%
        1
        2
    5
     
 14
18.2%

  *大臣20人、首相補佐官3人、官房副長官2人、副大臣25人、政務官27人 計77

  *「慰安婦」の集計にはW・Pと「慰安婦」の合計を集計した