See HERE for Dennis Riches' full English translation of the interview with Pierre de Gaulle.
レイチェル・クラークさんの訳による記事を紹介します。クラークさんのフェースブックに掲載された記事を、彼女と、著者のクズマロフさんに許可をもらって転載します。(注:訳はアップ後微修正することがあります)
著者:ジェレミー・クズマロフ 訳者:レイチェル・クラーク
媒体:コバート・アクション・マガジン
タイトル:
「CIAの宿敵シャルル・ド・ゴールの孫が、欧米のウクライナ政策を非難する」
原題:
Grandson of Charles de Gaulle, an Old CIA Nemesis, Condemns West’s Policy in Ukraine
訳者イントロ:
NATO諸国の足並みが、必ずしも揃っていないこと、特にフランスには独自の外交路線が存在することを物語る記事が出ました。筆者の許可を頂いて、以下に拙訳を投稿します:
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Pierre de Gaulle [Source: rt.com] |
ジェレミー・クズマロフ著 - 2023年1月11日
〜 米国とNATOが紛争を引き起こし、欧州の人々を苦しめていると言う 〜
フランスのシャルル・ド・ゴール元大統領の孫であるピエール・ド・ゴールは、米国がウクライナ紛争を煽り、ロシアに対して事前に計画された経済戦争を仕掛けて、ヨーロッパ人を苦しめていると述べている。
企業コンサルタントで銀行経営者のピエール氏は12月26日、「仏露対話協会」に対し、こう語った。「私はウクライナ危機におけるこの知的不誠実に反旗を翻し、抗議する。なぜなら、戦争の引き金は米国とNATOにあるのだから。米国は軍事的にエスカレートし続け、ウクライナの人々だけでなく、ヨーロッパの人々も苦しめている」 と。
ピエールはこう続けた。「制裁の規模と数からして、これらはすべてかなり前から計画されていたことだ。これは経済戦争であり、米国はその恩恵に浴している。米国は国内価格の4倍から7倍の値段でガスをヨーロッパに売っているのだ。」
ピエールによれば、「フランスの世論は、今日の米国人の悪巧みが何であるかを理解し始めている。米国はウクライナ危機を利用して、嘘をつき、......ヨーロッパを不安定にさせることに成功した。米国は、いわばヨーロッパをロシアから切り離し、ヨーロッパ人をロシア人に対抗させたのだ。なぜそんなことを? なぜなら、ロシアと同盟関係にあるヨーロッパは、政治的にも経済的にも、文化的にも社会的にも強いブロックになり得るからだ。ベトナム戦争とそれに続く経済危機以来、米国人は常に力、狡猾さ、その他の不正な手段によって、経済的・政治的影響力の喪失を埋め合わせようとしてきた。それは不可避ではあるが。特に、米国人は、ドルが唯一の...世界交換通貨としての地位を失うのを遅らせようとしている。そしてこの政策は続いている。」
シャルル・ド・ゴールは、第二次世界大戦中のナチス占領に対するフランスのレジスタンスの英雄で、その後1959年から1969年までフランス大統領を務めた。
ベトナム戦争に反対し、米軍兵士をフランス軍基地から追い出すなど、ジョンソン政権を怒らせたドゴールの殺害計画に、CIAが1965年に関与していたことが、機密指定を解除された文書によって明らかになった。
ドゴールは、1966年にNATOから軍を撤退させ、ソ連との交渉を開始、モスクワを何度も訪問し、貿易協定を結ぶなど、対ソ政策も先進的であった。
1961年に暗殺に失敗した後、アルジェリア支配を放棄したドゴールを憎む右派の軍人たちがCIAに接近し、ドゴールが登場するレセプションに出席する老兵たちの中に毒入り指輪をつけた工作員を潜り込ませるという暗殺計画を練り上げた。ドゴールが握手を求めると、彼が倒れ、暗殺者は群衆の中を悠然と歩き去るというものであった。(訳者註:結局ドゴールは暗殺ではなく、心臓発作で1970年に自宅で亡くなりました。享年79歳)
ピエール・ドゴールは、6月のロシア連邦の建国記念日にパリのロシア大使館でスピーチ を行った。彼の祖父は、ロシアがヨーロッパの安定に貢献する友好国として不可欠な存在であると見ていた、とピエールは言及した。「祖父はこういった。『ナポレオンがアレクサンドル1世を攻撃したことは、彼の最大の過ちであった。彼の自由意志でやったことで、我々の利益、我々の伝統、我々の才能に反していた。我々の退廃はナポレオンとロシアとの戦争から始まったのだ』」。
ロシアとフランスの国民が「長年の友情とナチスに対して流された血によって」結ばれていることを強調し、ピエールは、「ロシアとの良好な関係を維持することがフランスの利益であることをもう一度はっきりと確認し、我々の大陸の連合と安全、そして全世界のバランス、進歩、平和に役立つために協力しなければならないと言うためにここに来た」と述べた。
ピエールの考えでは、「ロシア国民全体に向けられた押収と差別の組織的かつ盲目的な政策」[制裁のこと]は 『スキャンダラス 』であった。フランスのエリートたちは、米国とNATOに味方し、ドンバスのロシア語を話す人々に対するウクライナ政府の 『無謀で』、『非難すべき政策(差別、略奪、禁輸、爆撃を伴う)』によって、彼の祖父の遺産を裏切った」のである。
ピエールによれば、「西側諸国は、ゼレンスキーとそのオリガルヒ、ネオナチ軍団が戦争のスパイラルに陥ることを許し、その盲目さがウクライナ国民に深刻な結果をもたらしているのである。しかし、間違えてはいけない。米国は何がしたいのか。それは、新たな東西対立を引き起こすことではなく、自分たちの指図、経済、システムを押し付けるために、ヨーロッパを弱め、分裂させることである。」
さらにピエールは、米国も西欧も、1991年の困難な移行とそれに続く再建の後、ロシアが彼らの一極集中の世界に適合しないこと、またロシアが西欧のモデルに従って、独自の方法で自らを変革すべきことを決して受け入れなかったと指摘した。そのため、プーチン大統領は当初から独裁者と見なされていたが、彼はロシアにとって偉大なリーダーなのだ、と述べた。
彼はこう続けた。「米国は、世界の国際貿易の決済において支配的な通貨であるドルの役割が失われることも、決して受け入れなかった。」
ピエールの言葉は、米国の耳にも、フランスのエリートの耳にも異端である。しかし、進歩的な運動が受け入れるべき、素晴らしく現実的なビジョンを提示している。
ピエールは最後に、祖父がロシアを愛していたことに触れて演説を終えた。「歴史の中で最も困難な時であっても、ロシアと強固な共有関係を築き、それを維持することが不可欠であることを常に支持し、擁護してきた。ドゴール将軍の言葉をもう一度引用する。『フランスでは、ロシアを敵だと思ったことは一度もない。私は、仏露友好の発展に賛成である。そして、ソビエト・ロシアと戦うような人々に武器を送ったことはないし、これからも送ることはないだろう』」。
ジェレミー・クズマロフ: コバートアクション誌の編集長。
米国の外交政策に関する4冊の著書がある:
「オバマの終わらない戦争」(Clarity Press、2019年)、
ジョン・マーシアーノとの共著「ロシア人がまたやってくる」(The Russians Are Coming, Again)(Monthly Review Press、2018年)など。
(翻訳以上)
参考資料