5月23日、フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)による報告書『福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民の予測外部被曝線量評価 -住民避難対策が与える影響-』には改めて深刻な福島の汚染の現実と、避難政策の不十分さを視覚的に突き付けられます。(リンクはフランス語版・英語版・真下俊樹さん訳による日本語版。日本語版の一部は省略されているので必要な場合はフランス語版か英語版に行くこと。)。米エネルギー省と文科省による小型航空機とヘリを使った福島第一から半径80kmまでのモニタリング結果は文科省サイトにあり、米エネルギー省のサイト(US Department of Energy Blog)でも結果を発表しています。これについてのメディアの報道等をもとに、先日このサイトで、福島には、チェルノブイリだったら25年後の今でも居住禁止になっている区域と同じ汚染レベルの区域でもまだ避難になっていない場所があることや、チェルノブイリで一時的強制移住になっった汚染度と同じ程度の汚染の地域が広範囲に渡って避難になっていないことなどを驚きと共に記録しました。また、土壌汚染レベルでは稲作制限をしなければいけない地域も、広範囲で米も野菜も作付制限がされていない事実にも触れました。詳しくは、こちらの投稿をご覧ください。
そして一昨日、IRSNが同じ調査の分析報告書を出していることを知りました。
まず、この報告を読むにあたり重要な注意点があります。AFP通信社はこの報告が「さらに7万人避難する必要がある」と言っていると報道しましたが、ISRN報告でいう「退避区域」は、当初の「避難指示区域」である福島原発から20km圏内のみを指し、4月22日に日本政府が発表した「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」(地図はここ)は含まれていないとのことです。したがって、この報告を読むに当たりこの地域の避難状況を把握している必要があります。5月31日午後3時のNHKニュースによると、飯館村などの「計画的避難区域」には約1万人いたが、今残っているのは約1800人であるとのことです。ということはこの地域からすでに8200人避難しているということになります。また、この地域は段階的に最終的には全員避難させる地域であるということから、まもなく、ほぼ1万人全員が避難すると理解します。問題は「緊急時避難準備地域」です。4月22日の共同通信の報道によると、この地域の対象人口は約6万7千人とのことです。福島県の災害対策本部に電話して聞いたところによると、この地域での自主避難の数はあまり把握していませんでした。南相馬市からの自主避難は5月29日時点で約5700人ということでしたが、それは、南相馬市で計画的避難区域にも「緊急時・・・」区域にも含まれていない北部からの避難を含むということです。一番わかっているのは川内町で、役場が郡山に移転し、学校も30キロ圏外に移転しているということで、町民の大半、2429人が避難しているということです。他の田村市、楢葉町、広野町一部についての数字は把握していないとのことです。ということで対象人口6万7千人のうち、仮に南相馬市の5700人が「緊急・・」区域内だったと仮定したとしても、南相馬と川内で8千人強、他の地域については不明です(情報歓迎)。今のところ大ざっぱに考えて、この2地域の合計7万7千人のうち、間もなく避難が完了する「計画・・」区域の1万人と「緊急・・」区域の約8千人、不明な地域で仮に同数の8千人程度の人が避難しているとしたら、5万人前後は残っているのではないかと想定してもいいのではないかと考えています。
文部科学省及び米国DOEによる航空機モニタリングの結果 (福島第一から80キロ圏内のセシウム134,137の地表面 への蓄積量の合計)文科省サイトより。ISRN報告にも転載 されている。 |
しかし、この報告書が「平方メートルあたりセシウム55万ベクレル(チェルノブイリでは強制避難になった)の高汚染地域に住んでいるのが7万人前後」と言うこの7万人が、上記2地域に住んでいた7万7千人とほぼ一致するかというと必ずしもそうではありません。ここで紹介する汚染地図でもわかるように、3つの避難区域(20キロ圏と、「計画・・」区域と「緊急・・」区域)以外にも55万Bq/m2 レベルの場所があり、逆にこの3つの中にも55万に満たない場所があるのです。なので、この報告書が「計画・・」と「緊急・・」区域を考慮せず20キロ圏だけを「退避区域」と扱ったとしても、この2地域にまだ7万7千人中5万人前後残っている可能性があること、また、どの避難区域にも属さないところに55万ベクレルレベルの高汚染地区があることを考慮すると、この報告書の避難人口についての見解にそう影響を及ぼすものではないと考えます。
上記を断り書きした上で、大事と思う点を紹介します。
図7.ISRN報告図7文科省によるセシウム137と134の蓄積量 の0.3-30MBq/m2のデータを用い、ISRNが6MBq/m2 のレベルを追加して作成した地図(注意:文科省地図の赤の部分 がもう2区分に分けられているので、ISRNの赤とオレンジを足した 範囲が文科省地図の赤の部分に該当する。 |
次に、避難についてです。以下が、IRSN報告の図8:図7のセシウム137+134の蓄積量の地図と図4の最初の1年間の被ばく線量(図4は日本語では省略されている部分に入っている。図4は元のフランス語版11ページにあります。)を5,10,20mSVの3段階で示した外部被曝レベルの地図とを重ね合わせたもの。
上記で触れている元のフランス語版の外部被曝地図はこれです。
脱線しますが、これを見ると、5月30日「飯館村の積算被曝量が20ミリシーベルトに達した」というのが納得できます。この地図の赤線の部分は飯館村の、原発から20-30キロ圏にも存在し、その地域が最初の1年100ミリシーベルト以上の被曝が予想されるということは、事故後3カ月足らずで20ミリシーベルトに達したことの説明がつくからです。
IRSNは、これらの異なる汚染・被曝度合いの地域とそれぞれの地域の人口を照合して、このような分析結果を出しています。ここでは既に避難になっている地域についての分析は割愛し、 避難になっていない地域についての言及で重要と思われる部分を引用します。
福島原発から20km圏内の避難区域以外で、最も汚染された地域(セシウム137+134が55万Bq/m2を超える874km2)に住んでいる住民の数は7万人前後と多い可能性があり、うち9,500人が0~14歳の年少者である。これは重要な指摘です。冒頭でも述べたようにこの7万人の中にはすでに避難している人たちも含まれる可能性があります。と同時に指摘したいのが、日本政府の避難区域の定義で避難した人たちの中には福島市や郡山市に避難した人たちがかなりいるということです。汚染の軽い地域もある川内村は役場を郡山に移動しました。30キロ圏内の汚染の比較的軽い地域からの場合、緊急時を想定して圏外に移動することは必要でしょうが、移動先によっては、地表沈着した放射性物質により逆に被曝のリスクのより高い地域に行ってしまった人たちがいることが考えられます。ISRNの上の指摘では、地図の青い部分の中で約7万が55万ベクレル/m2レベル以上の高汚染地域に住んでいるとのこと。これはチェルノブイリの強制避難レベルであり、外部被曝の程度だと年5ミリシーベルトであることが上の地図からもわかります。IRSNはこの人たちを「避難すべき」とは言っていません。IRSNも日本政府と同じように、あくまでもICRPの基準を使って議論しており、現在を「緊急時」と理解し、現在日本政府が避難基準としている年20mSVを、ICRPの緊急時の基準20-100mSVの中で「一番防護的な基準」としています。緊急時の前提で年単位の被曝の計算をするということはおかしいと思いますが、ISRNはそう理解しているのです。そして、
仮に日本政府がこれよりも防護的な基準レベル(たとえば最初の1年間の最大被曝線量10mSv)の採用を決定した場合、対象住民(約7万人)が回避できる外部被曝線量は、避難実施の遅れが短いほど大きくなる。たとえば事故から1年後に避難した場合、これらの住民が回避できると予測される外部被曝線量は59%なのに対して、事故から3ヵ月後の避難で82%を回避することができる。
これが指摘しているのは、年10ミリシーベルトを避難基準に設定した場合、約7万人は、3カ月後の今避難すれば、ずっと避難しない場合に比べ、82%の外部被曝を回避することができるということであり、これは自主避難を考えている人にとっては重要な情報です。
全般的に見て、このISRNの報告は、上に述べたように文科省や米エネルギー省の調査結果を使いながらこの二つの機関が曖昧にしてきた危険地域を明るみにしたという意味で大変重要なものと言えます。と同時に、何カ月、何年という被曝予測にICRPの緊急時の許容範囲20-100mSVを応用し、年間20ミリシーベルトの避難基準を「最も防護的」と呼ぶなど、非常に甘い基準を使っています。しかしそうかと思えばチェルノブイリの基準を使って7万人のさらなる避難を示唆するようなことも言っております。このように価値観的には矛盾しているように見えますが、異なる基準やシナリオを仮定して、避け得る被曝量を分析したという側面においては、評価できるでしょう。今強制避難となっていない地域で自主避難を迷っている人たちにとっては、日本政府はこういう情報こそ提供すべきであり、自分たちの避難政策の矛盾を隠すために境界線のわかりにくい濃い青と薄い青を使ってごまかすということをしているとしたら言語道断としか言えません。また、米エネルギー省の報告を見ても、同じく曖昧な地図を使い、在日米軍の安全しか気にしていないような報告をしています。このフランスの防護協会の報告は福島の人たち、県、自治体に見てもらいたいものであり、政府はもとよりメディアも重要視するべきものです。また、ここで触れたのは一部に過ぎないのでぜひ日本語版全部を、また、図表だけでも、フランス語版を見てください。
最後に一番大事なことを指摘します。この報告は外部被曝しか扱っておらず、内部被曝については、結論で、
これらの被曝線量には、放射能の雲がこの地域を通過した際の被曝線量も、食品の摂取にともなってすでに受け、また今後受ける被曝線量も含まれていない。総実効被曝線量(外部被曝+内部被曝)は、蓄積物の状態(乾燥か湿潤か)や食習慣、食品の産地によって大幅に増える可能性がある。と述べているに過ぎません。調査を行ったのは日米なのでこれをもってIRSNを批判しているわけではないのですが、この報告を見て、米エネルギー環境研究所のアージュン・マキジャーニ所長がコメントを寄せてくれています。こちらをご覧ください。
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Peace Philosophy Centre
6月1日福島民友に飯館村避難の最新情報があったのでここに転載しておきます。
ReplyDeletehttp://www.minyu-net.com/news/news/0601/news9.html
飯館は76.9%が避難終了、決定 山木屋は72%超
東京電力福島第1原発事故で南相馬市の一部など5市町村が計画的避難区域に指定されたが、村内全域が指定された飯舘村では、国が避難期限とした31日時点で、約76.9%の住民の避難が終了または決定した。村は1日から、福島市飯野町に設置した村飯野出張所で業務を開始。避難所の巡回などを行う。22日には役場機能を本庁舎から出張所へ移し、6月中の避難完了を目指す。村によると、避難した人の内訳は、自主的に避難1246人、村のあっせん869人、県の借り上げ住宅扱いで避難した住民が2545人。実際は約2500~3000人が村内に残っているとみている。
また、川俣町山木屋地区では29日現在、対象の1252人中、903人(72.1%)が避難した。古川道郎町長が31日の町臨時議会で明らかにした。同日までに約8割が避難しているとみられる。南相馬市では5月20日に6世帯10人の避難が完了。浪江町津島地区では31日現在、16世帯22人が残り、町によると、勤務先が遠くなるなどの理由で避難が進まないという。また、葛尾村には31日現在、2世帯4人が残っている。
(2011年6月1日 福島民友ニュース)
ご紹介していただいた記事を読ませて頂きました。IRSNの地図は人口分布が示されているので、福島市から郡山市までの帯が不運にも人口の多い地域に重なってしまったことがよく分かりました。IRSNの元の資料もざっと見ました。Satokoさんもご指摘のように、この資料の独自の価値は人口と汚染度を組み合わせて結論を導き出している点にありますね。私としては、30万人以上がチェルノブイリの強制移住+補償つき任意移住エリア(私のブログでは第一区分・第二区分と呼んでいます)にいるという点が一番勉強になりました。私はこれまで政府が徹底して無視する低線量被ばく地域つまり第三区分レベルを意識的に強調してきました。
ReplyDelete貴重な情報をありがとうございました。私たちのブログでもいずれ使いたいと思います。
以下、細かいことですが気づいた点を書かせていただきました。私たちの過去のこの記事(
http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-47.html
)にある航空モニタリングについても修正した箇所があります。とりあえず考えの参考にでもしていただけたらという趣旨ですので、以下は時間がある時にでもご覧ください。私たちのブログについてもお気づきの点があればいつでもご指摘いただければ幸いです。
(1)これは些末なことですが、7万人が居住するのは、セシウム137が55万ベクレル/m2以上ではなく同30万ベクレル/m2以上のエリアではないでしょうか。元の資料の最後のページに汚染レベル別の人口がまとめられています。福島の方の汚染区分はあくまで文科省の航空モニタリングで公表された区分を使っていますので、チェルノブイリの区分とはずれています。あとチェルノブイリの区分はセシウム137のみの濃度に基づいていると私は理解していますが、航空モニタリングの方はセシウム134・137の合計なので、このIRSNの資料では比較のためその半分の値をセシウム137の値として出しています。セシウム134と137はほぼ同量出ていることが分かっているので適切な計算だと思います。もちろん7万人にはチェルノブイリ第三区分(55万Bq/m2以上のエリア)に住んでいる人たちが含まれています。
(2)私も今までチェルノブイリとの比較で危険性を指摘してきました。もちろん、そもそも非人道的であったチェルノブイリに対するソ連の政策を基準にすることがどうなのかという疑問はありますが、日本政府の対応がさらに輪をかけてひどいので言いたくもなりますね。それで、私としては第一区分つまり強制避難地域だけでなく、チェルノブイリで補償付き任意移住が認められたという第二区分(18.5万Bq/m2以上)も広義の避難エリアと見なしていますので、第一・第二をあわせて30万以上というのも重要だと思いました。水色(薄い青色)のエリアのセシウム137濃度の下限値は15万Bq/m2なので、その大部分は第二区分レベルだと考えられます。資料の最後のページによればそこに29万人、そして上記の30万Bq/m2以上のエリアに7万人なので、30万人以上はいると見なせると思います。
(3)濃い青の部分(IRSNの方だと色なしというか薄緑のエリア)のセシウム137濃度は15万Bq/m2未満ですが、15万という数値でもすごいと濃度だと思いますので、私としてはヨウ素の予測値ではあってもWSPEEDIなども参考にして、超高濃度汚染地域がより広域に分布している可能性が高いと考えています。またこれまでほとんど公表されてこなかったストロンチウムやウラン・プルトニウムなどについても、セシウムやヨウ素とは違った飛び方をしている可能性もあると思っています。
(4)農水省の米の作付け規制値が放射性セシウムの土壌濃度で33万ベクレル/m2という中日新聞の記事があるとのことですが、この数値は本当にあっているのでしょうか。発表されている作付け規制値は放射性セシウム全体の土壌濃度が5000Bq/kgだったと思います。私の計算ではこれを平方メートル換算すると約75万ベクレル/m2になります。もう少し詳しく言いますと、私が知る限り、農水省は土壌を15センチほど掘ってキログラムあたりの汚染度を出していますが、文科省は5センチ掘っています。このへんはちゃんと政府が公表していないので、ネット上を探し回らなければ分かりませんでしたが、山崎秀夫氏にも確認したのでそうだと確信しています。お分かりだと思いますが、深く掘れば掘るほどキログラムあたりの濃度は低くなりますので、地表平面濃度(平方メートル単位)に換算する場合には深く掘っているほど大きな数値をかけ算しなければいけないはずです。文科省方式では平方メートルに換算するには65倍というのは確定事項です。中日新聞はおそらくこの65倍を農水省の作付け基準である放射性セシウム5000Bq/kgに単純に適用して33万Bq/m2という数字を出したのではないかと推測しますが、もしもそうなら間違いだと思います。私は農水省方式なら150倍くらいで換算だと思います。セシウム137で換算すれば150x5000/2で375000Bq/m2(約10Ci/km2)になりますので、農水省はチェルノブイリ第二区分レベルの汚染地でも放射能除去すらせずに米を作って良いと言っているわけです。。この記事(
http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-50.html
)の追記でも書きましたが、こんな基準で作られた汚染地域の米を私は信頼できません。
ISRNレポートのご紹介ありがとうございました。
ReplyDelete福島市や郡山市では、10年間で19mSv以上の被ばくとなるだろうという予測を見て、気が重くなりました。
原爆被爆者のデータを適用すると、1mSv当りの被ばくで一般人口10万人中15人が将来ガンで超過死亡します。20mSvでは300人が超過死亡します。こどもは大人より2~3倍影響が大きいので、20mSvの被ばくを受けた10万人のこどものうち600人から900人が将来放射線被ばくによるガンで死亡すると言うことになります。この数字は、0.6%~0.9%と置き換えるといかにも取るに足らないわずかな影響のように見えるかもしれませんが、同級生が100人の学年で50年後に同窓会をやると、1人は放射線被ばくによるガンで早死している事を知ることになります。それ以外に、若い時に甲状腺がんを発症したり、白血病になる同級生もいた、ということになる恐れもあるでしょう。
こどものときの20mSv被ばくで10万人あたり600~900人の犠牲者が出るリスクを、ほかのリスクと比較すると、10万人中6人以上の犠牲者を出すアスベスト汚染を発生させると懲役1年となるアスベスト対策の基準の100~150倍、10万人中100人の生涯死亡リスクがある現在の日本人の食品を通じたダイオキシン摂取がもたらしている健康リスクの3~6倍、10万人中1人も超過死亡を出してはならない食品中残留農薬基準の無限大倍と言うことになります。
20mSvの被ばくというものは、とても許容できない大きなリスクです。
ですから、福島市、郡山市でも今すぐこどもの疎開が必要と言わざるを得ないわけで、とても暗い気持になります。対象人口が60万人の疎開など想像がつきません。
19mSVを10年間となると、年平均1.9mSVとなり、国の基準の1mSVの倍であり、子どもでもあることからリスクはあるとはいえ、それほどのものではなくなりますか。1mSVあたり10万人注15人がガンで超過死亡というのは、これは1年間あたりということではないのでしょうか。期
ReplyDelete間は関係ないのでしょうか。
このIRSNは、福島や郡山は最初の一年5ミリシーベルトの範囲内に含めています。でもただしこれは、セシウム134と137の合計なので、ほかの放射性物質を含めるともっと上がってくるのでしょう。もちろん内部被曝も。
私が昨日の投稿で書いたように、IRSNは年20mSVを緊急時の一番防護的
なレベル(ICRP)と呼びながら、55万ベクレル/m2の高汚染地域がこの青
い部分に拡がっていると言っています。「避難基準はICRPの基準なら20m
SVでOKだが、チェルノブイリは5mSVだった。」と言っているのです。
ご教示願います。
放射線被ばくの影響は、借金と同じで、積み重なります。「年が変わると帳消
ReplyDeleteし」とはなりません。
1年あたり1ミリシーベルトの被ばくが10年続けば、10ミリシーベルトの被ばくとな
り、将来それに見合ったガンのリスクが生じます。
ただし、瞬間的に1000ミリシーベルト被ばくするのと、毎年100ミリシーベルトを10
年続けて被ばくする場合で、ガンのリスクが同じかどうかは分かっていません。少し
ずつならば、遺伝子の修復作業が被害を軽くするので、影響はだいぶ割引になるとい
う考えもあります。でも、まだ誰も本当のことは知りません。
ありがとうございました。よくわかりました。
ReplyDelete年間1mSVという基準があるため、またそれが現在政府が引きあげてしまって
いる20mSVより非常に低いため、自分の中で年間1mSVは安全だというよ
うな感覚があったと思います。普通に生きていても世界平均年間2.4mSV
(確か日本はもっと少なかったと思います)浴びると聞いてもいます。しかし、
この原発事故の後に勉強したことを通して、普通に生きている浴びる放射線も実
はリスクがあるのだということを知りました。飛行機に乗るのも、レントゲン撮
影を受けるのも、すべて被曝しているのですよね。日本人があるガンについては
先進国の中でも発生率が多いのも、ガンそのものの予防のために定期健診で大量
の人たちが被曝しているから、という説を聞いたことがあります。そしてガンに
なったら放射線治療。放射線でガンを予防し、ガンが作りだされ、ガンを治療す
る。クレイジーじゃないですか。結局医療機器メーカーや製薬会社が儲かるだけ?
と思ってしまいます。子どもの頃、近くの町医者さんはX線の機器を買ったので、
元を取らなければいけないせいか、やたら「写真」を撮りたがる人でした。今に
してみたら、中学のとき肺炎をやったとき、その町医者のところで何度かと、病
院に運ばれてまた何度かと、随分短期間に胸部X線を撮ってしまったのはまずかっ
たのではないかと思います。飛行機で被曝するなんて聞いたことありませんでし
た。大気中核実験で、チェルノブイリを超える放射性物質があれだけばらまかれ
ていたことも知りませんでした。そういうことを市民から隠しておいて、いざ原
発事故が起きたときに、敷地内で見つかったプルトニウムを「大気中にすでにあ
るプルトニウムと同程度」なんてことを平気な顔で言う役人。そもそも大気中に
あること自体がおかしいんですよね!