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Friday, April 15, 2011

福島の学童の被ばく限度について: ピースボートの川崎さんとの意見交換

国は一般人の年間被ばく限度を1ミリシーベルトとしているにも関わらず、福島の学校や幼稚園の屋外で子どもが活動する際の放射線の基準を20ミリシーベルトと、一気に20倍に増やすという方針が発表されました(4月10日読売報道)。これについて私は驚きと憤りを覚え、これは内部被ばくを考慮していないというのもあり、反対、阻止しなければいけないと仲間たちにメールを送りました。これについてピースボート共同代表の川崎哲さんから意見をもらい、4月11-12日にかけて、メールを何度かやり取りしました。議論を促すためにも、川崎さんの許可を得てこのやり取りを下に共有します。

政府方針ですが、その後13日に、原子力安全委員会が、学校を再開すべきかの目安として周辺の年間被ばく量を、子どもであるからという理由で、避難区域設定の基準である20ミリシーベルトの半分、10シーベルト以下という考えを示しました(4月13日朝日報道)。そして数時間前(4月15日)には、高木文科相が今度は「委員の発言は安全委全体の見解ではない。目標は20ミリシーベルトで、(基準厳格化により)学校を頻繁に移動させることはできない」と、原子力安全委員会の提案を拒否したとの報道がありました(4月15日朝日報道)。原子力安全委の提案は、子どもであることと、内部被ばくも考慮した上での発言であったにも関わらずです。原子力安全委員会と文科省間の見解の違いで混乱を呼ぶことは間違いないと思います。私としては、20ミリシーベルトだろうと10ミリシーベルトだろうと国の基準を大きく上回ることには変わらず、子どもたちをそのような環境で被ばくさせたままにしておくのは受け入れられないと思いました。

*****以下、川崎さんより*****

乗松さん

日々お疲れ様です。いろいろと発信をありがとうございます。

>>福島の子どもたちを、年間20ミリシーベルトまで被ばくしていいとした政府の
>>暴挙、怒りの声はたくさん聞きますが運動になっているのを見たことがありませ
>> ん。日本国内外の市民の声を結集させて取り消させる必要があります。それを取
>>り消すということは30キロ圏外のたくさんの学校や幼稚園ごともっと遠くに避
>>難させるということで、膨大なコストと事務的混乱が生じます。政府はそれを避
>>けようとしているのです。しかし子どもたちの健康と絶対に引き換えにしてはい
>> けない。(乗松)

私は個人的には、この問題は非常にセンシティブで難しい問題だと感じています。
報道されているように、地元自治体は今回の政府の「避難区域拡大」に反発をし
ています。反発をする理由はいろいろあるでしょう。説明不足とか、いきなり避
難しろといわれても困るとか。それはそれで、住民感情を表しているとも思いま
す。

今回日本政府が、ICRPの100~20ミリシーベルトの基準範囲のうち、最
小値である年20ミリを基準として範囲を設定したことは、公的機関のできるこ
ととしては最も厳しい措置であったということもできるかと思います。20ミリ
なら安全などというつもりはもちろんありません。安全な放射線などないわけで
す。

これまで「健康には害がない」とくり返し言われてきた住民にとって見れば、い
きなり「年20ミリになるかもしれないから出ていけ」といわれても納得いかな
いわけだと思います。その気持ちは私は想像できます。さらに、高齢者世帯が多
いことなどが予想され、彼らが住居を変えるということはどれだけ大変なことか。
(近所の知り合いでも南相馬市出身の人がいて、ご家族が避難してきていますが、
ご高齢でもあり、大変なようです。)もちろん就学中の子どもがいればまた然り
だと思います。

私には、問題は、放射線の被害というものがどういう性格のものであって、どう
いう危険性を伴うのかということが正確に知らされていないということだと思わ
れます。いま原発から20キロとか30キロの範囲の人たちは、急性放射線障害
が発生するような危険にさらされているわけではありません。だから、移住する
にあたって数時間とか半日とか、帰宅して荷物をまとめることは問題はないはず
です。放射線の危険は長期間にわたって蓄積することが問題なのですから、その
意味では、お気の毒だけれども時間をかけて退避して移住した方がよいというこ
とになります。年20ミリシーベルトで、だいたい、1000人に1人のがんの
リスクということなのでしょう。こう聞くと、リスクは低いようにも見えるし、
高いようにも見えます。でも、10万人くらいの規模の都市ならば、そのうち1
00人ががんにかかるリスクだとも言えます。そして子どもは、その3~4倍の
リスクにさらされているということになります。こうとらえれば、その深刻さが
分かるような気もします。

・・・というような、しっかりとした放射線のリスクに対する広報と教育を行う
ことが必須だと思うのです。それなしに、避難を指示しても命令しても、逆に反
発を受けるだけです。べつに津波警報と違って、ただちに走って逃げなくてもい
いのです。でもなるべく早く、荷物をまとめて、移住した方がよいということに
なります。

現状は、今のところ放射性物質が大量に出たのは地震直後のベントの時と、水素
爆発による使用済み燃料の破損での大気への放出、ということでしょう。今後の
原子炉の状態によっては、もっと大規模な放出がありえますし、海洋や海岸、土
壌からの影響もこれから懸念されます。そうすると、今回政府が発表した避難計
画がさらに拡大していく可能性もあります。そのような際にも、放射線リスクの
正しい認識が広まっていないと、「健康に害がないのに何で出て行かなきゃなら
ないんだよ!」という反応あるいは「直ちに走って逃げないと死んでしま
う」みたいなパニックという極端な現象につながってしまう気がします。

私は、いま政府(およびマスコミ)に求めるべきは、その被害リスクの明確な説
明ではないか、と感じます。年20ミリシーベルトを基準に避難地域を拡大した
判断については、最善ではないにせよ一定理解ができるというふうに私はいま感
じています。

あとは、費用や受け入れ先の問題です。「避難しろ」と言われたって、どこへ?
費用は?ということです。避難に伴う費用の考え方がどのようになっているのか
私は知りませんが(調べなければいけないと思っていますが)、それも早期に政
府は態度を示さなければいけないでしょう。周辺の自治体での優先的な受け入れ
施策も必要でしょう。そういうことをせずにいきなり「避難しろ」と言われても
困るわけで、そのあたりのことをちゃんとさせるということが、まさに運動とし
て取り組まれなければいけないと思います。

具体的に何ができるかは、まさに今考えないといけないのですが。。。

川崎哲

*****私の返事*****

川崎さん


丁寧なお返事をいただけて大変有難く思います。

政府は、なるべく自分たちが責任を取らなくていいように避難区域を拡げようと
していると予想しています。

選挙とのからみも言われていますが、避難区域を今回拡げて(計画避難区域とか、
緊急緊急時避難準備地域とか非常にわかりにくい官僚用語をちりばめています)
直後にレベル7を発表する。強制ではないけど、レベルは一気に5から7へ上げ
て、自主避難を促すような形になっています。パニックとか風評被害とかいう概
念を駆使して、危機感の高い人から低い人(そして最後には寝たきりの人といっ
た弱者)へ、順序よく、自主的に、殺到せず、避難するような仕組みを作ってい
ます。

>>今回日本政府が、ICRPの100~20ミリシーベルトの基準範囲のうち、最
>> 小値である年20ミリを基準として範囲を設定したこと

これは後付けの理論です。政府は、ずっと同心円避難区域、即ち20キロ、30
キロの根拠を問われても説明できませんでした。しかしその議論は横に置きましょ
う。私が問うているのは政府が一般人の医療以外の被ばく限度は1ミリシーベル
ト(年間)としてきたからです。政府はこれにはなかったことのように全く触れ
ません。

また、川崎さんに申し上げるようなことではないですが、この20ミリシーベル
トは内部被ばくを加味していませんね。間違っていたら教えてください。校庭の
地上1メートルで計ったというので、大気の放射線のみと理解しています。
そうなると吸入、水、牛乳、食品等から入る放射線は全く考慮していないという
ことになります。

また、子どもたちであるということも考慮していません。1ミリシーベルトのラ
インは、子どもに対してもそうなのか、私は知りませんし。本当は子どもにはもっ
と小さい値であるべきです。

私は、もし福島の該当地域に住んでいて、自分と夫だけだったら、今日明日パニッ
クして出ていかなくても、と思いますが、今回問題にしているのは学校や幼稚園
です。より放射線に敏感な子どもたちの問題です。妊婦や授乳育児中の母親もで
す。自分が子どもを持った状態で該当地域にいたら、即刻逃げるでしょう。政府
もそれを推奨しているようなところがあります。NHKが昨日を境に急にトーンが
変わりました。今まで政府や東電を批判することなどほとんどなかったのに「す
べての対応が後手後手になった」と言ったり、東京から大量に西や南へ逃げる
人たちで羽田空港が満杯だったときも全く無視して報道しなかったのが、今日
になって急に「原発から逃げて鹿児島に新生活を求めた」家族の特集をしたり、
何かおかしいです。

他にもいろいろ訴えたいことはありますが、やはり、政府が定めている1ミリシー
ベルトの20倍を子どもに課すということについて納得のできる説明がなければ、
これに反対する姿勢を変えることはできません。この一カ月、大げさといわれた
ことが全て本当になってきています。子どもを守るためなら、親たちは、大人た
ちは、仮に本当に大げさな心配だったとしても、大げさを言えるほどの注意をし
ておいたほうがいいと思います。そして、過去の核兵器使用、核実験、原発事故
のすべてはすべてが後手に回りたくさんの犠牲者が出たが、福島の事故のときだ
けは、これだけ注意しすぎるぐらい注意して子どもたちを守った、という歴史を
この社会に残したい。

この核の惨事を作ったのは私たち大人の、次世代に対するとてつもない犯罪であ
ると思っているからです。

もし私が見落としていること、また、私の質問に答えていただけるような情報が
あればいただければ有難いです。

感謝します。

乗松聡子

*****私の返事への川崎さんの返事*****

乗松さん

ありがとうございます。

仰る一つ一つのことはその通りだと思います。

1ミリシーベルトを基準に考えるべきだし、そこに、今後大きな問題になる野菜
や魚などの問題(食品からの内部被曝の問題)が加わります。

20ミリシーベルトは、その観点からいえば、非常に大きな後退です。

しかしながら、現実をみたときに、20ミリシーベルト想定範囲の人々が安全に
退避することを確保するためには、すでに数多くの困難を抱えており、それをき
ちんとやらせるということでさえ、まずもって深刻な課題になっていると思いま
す。

1~20ミリなら安心だというような嘘はついてはいけないと思います。

いかなる避難範囲も「絶対」ではないです。だから、1~20ミリの範囲の人た
ちについても、そのリスクについてきちんとした情報提供がなされて、自主的に
退避したい人には退避可能となるような保証(それこそ医療保障とか)がなされ
るべきではないかと思います。

ただ、フランスあたりでは、避難は50ミリから、というような考えのようなの
で、20はそれよりはましだとも思います。

以下のようなものを書きました▼
http://kawasakiakira.at.webry.info/201104/article_5.html 

一律の境界で避難を指示するような方法や、そのような考え方そのものがまちがっ
ているのかもしれません。

川崎哲

*****上への私の返事*****

川崎さん、

読売にわかりやすい記事があります。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=39217

フランスは狭い国土に原発だらけです。とても原発からは逃げられない。日本だっ
て同じですが。フランス国民が80%の原発依存を認めているから、全員が被ばく
のリスクを受け入れるという選択をしているわけです。被ばくのリスクを知って
いるか知っていないかは別として。

50ミリなんて原発労働者のレベルです。子どもにそんなレベルをとても強いる
ことはできない。自分の子どもに強いれないものは他人の子どもにもとても強い
ることはできない。

これが津波だったら、移住させるのが大変だから津波がそこに来ているのに家に
いろとは言わないでしょう。災害には、対応するしかない。

困難なことは時間かけて、明日は無理でも2週間後とか、1カ月後とか、可能に
できるでしょう。一カ月経って、何十万人の避難民が苦労はあっても生きて
いるわけです。

政府が方針を変えないのなら、川崎さんのおっしゃるように、みなさんに放射線
のリスクをしっかり知ってもらう必要があります。しきい値論では語れないこと。
低量でもガンになる人はなるということ。おっしゃるように、ここからは絶対大
丈夫というラインは、ない。だから、本当の答えは、「少しでも遠くに行くのが
賢明」なのです。

嘘をつかずにこの政策を通すには、「この放射線量ですとみなさんのお子さんの
うち1000人に何人の確率で何年以内にガンになる可能性がありますよ」と言
う必要があるんです。リスクをちゃんと把握するということは、そういうことで
す。そんなこと言われて心安らかでいられる親はいません。だから政府は隠すの
です。

私は自分の子どもをその学校に通わせられるか、という尺度で考えます。政策決
定者ではなく、被害者側から考える、ということしかできません。逆側にはたく
さんの人と権力とお金が集中しているので、私はあえて被害者側のサイドに居続
けます。

乗松

*****以上*****

川崎さんはご自身のブログで有用な情報を提供し意見も述べられています。ご覧ください。
川崎哲のブログ

***福島の皆さんにしてみたら、子どもを守れと言われても、仕事や家のある場所を簡単に離れるわけにはいかない、そんなに簡単に言うなという気持ちがあると思います。震災や原発被害のストレスの上に続く余震の中で、離れた場所にいる人間には到底想像のつかない状況なのだと思います。ここでは、敢えて自分の考え、意見交換してくれた川崎さんの考えを共有することによって、これを読む皆さんの考えも聞きたく思った次第です。コメント欄に残していただければ幸いです。info@peacephilosophy.com にメールいただいてもいいです。その場合は公開してもいいか、いい場合お名前を出していいかイニシャルか、指示ください。できるだけ公開可能なコメントをください。

Peace Philosophy Centre

6 comments:

  1. 昨夜もTVニュース見ていたのですが レベル7にひきあげて政府もやっと放射能汚染の危機を アナウンスはじめたかと思いきや 10キロ圏内の捜索始めたり 一時帰宅認めたり 確かに一時的に放射能量下がってる様にも思いますが 中には要望があるからと 南相馬で店舗再開しましたって張り切っている人が現れたり とにかく放射線被爆に対する知識警戒がない人が多すぎると思います 成人だけならそんなにあわてなくとも良いと私も思いますが 子供への対応は別です  政府はまず避難所回って被爆についての危険を説明すべきでしょう 説明した上で 医師も含めた専門家が国民に見える形で論議し基準決めてほしいです 菅さんもそうですが 文部大臣も放射線被爆に対する明確な知識がないのに発言すべきではないとおもいます。 諸外国(ロシア)とかの経験踏まえ対処してほしいと思います 子供は国の宝です彼らだけでなくまた次の世代にも悪影響が出ないよな対処 節に望みます。どういう考えであえてこの次期にレベル7にしたのかほんとに分からない。再臨界の可能性あるのかと思えばそれは絶対ないという国の対応 fbous1

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  2. 京大助教の小出裕章さんは4月14日のラジオインタビューでこのように述べています。

    小出さん発言をまとめているサイトより。
    http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/04/15/tanemaki-apr14/

    ・(福島の小学校の校庭でセシウムが検出されたことについて)放射線管理区域に指定されるような量の放射性物質が出ているところにこどもがいるというのは許されない。子どもに対し年間10ミリシーベルトという基準を設定することはとんでもない。1ミリシーベルトという基準を決めていたことには意味がある。今回は非常事態だからといって限度を引き上げたが、それを国民が受け入れるのであればいいが、せめてこどもだけは守らなければいけない。

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  3. 落合栄一郎2:52 pm

    許容被爆量には、厳密な科学的根拠はないと思われ
    るが,これまでの人類の経験(チェルノイブル、ス
    リーマイルアイランドなどを含めて)から割り出され
    たものでしょう。大方仮定されているように、これは
    内部被曝を考慮に入れていない値だと思われる。内部
    被曝を推定することは殆ど不可能だし、個人生活様式
    などにも依存するので、そんなことはできない。しか
    し、長期的な人体への影響は、内部被曝の問題なので
    す。ここに非常に難しい問題がある。原理的に、だれ
    にも予想ができないのです。そして、さしあたり健康
    には影響がないという政府側の言い方は、間違いでは
    ないが、内部被曝という長期の問題の深刻さを、市民
    から隠そうとする意図が見え見えです。それはパニッ
    クを起こさないためではない。おそらく、市民にわか
    るような形で、本当のことをつげる必要がある。そし
    てそれではどういう対策が必要かを十分に説明する必
    要がある。まずは、(1)外部被曝と内部被曝の差。
    放射性物質がただ単に外部から放射線を人体に与える
    影響と、放射性物質を人体に取り込んでしまった場合
    には、放射線は人体内の組織を破壊する。これにはお
    そらく厳密には敷居値というものはない。(2)放射
    能が観測された水、牛乳、野菜、魚などの対処。水、
    牛乳には放射性物質がとけ込んでいるので、それを飲
    めば、内部被曝があり得る.どのくらいまでは人体が
    許容出来るのか、どのような核種で、人体にどのぐら
    い長くとどまるだろうか、などなど。野菜について
    は、ただ単に外側に付着している(それならば、水で
    丁寧に洗えば、とり除ける)か,土の中の放射性物資
    を根から吸収して作物の中に入り込んでしまっている
    か。後者の場合は廃棄するより仕方がない。魚に関し
    ても、同じ;体の外側に付着しているだけか、体内に
    あるのか。しかし,このような判断は、素人には困難
    であろう。(3)これらの点をよく人にわからせた上
    で、避難の必要性、その早急性、時々は帰宅しても良
    いかーその時の注意事項などを徹底するなどなどが、
    必要でしょう。いずれにしても、非常に微妙な問題を
    含み、そして、これらに注意していても、内部被曝を
    被らないなどは保障の限りではない。残念ながら、そ
    うした不運に見舞われる人は、かならずある。どうし
    てそんな貧乏くじを引き当てなければならないのか。
    こんな危険や不安を抱えて、「必要悪」で電力供給の
    為に原発を抱えて行く方がよいのか、それともそんな
    モノは廃棄して一時は少しの不便はあったとしても、
    もう少し安心して生活が出来るほうがよいのか、国民
    のチョイスが問われている。

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  4. Anonymous11:16 pm

    川崎さんの住民感情と強制避難の行政的難しさを勘案しても基本的には避難対策を可能な限り最大限に実施する姿勢を明確にすることが大切ではないかと思います。
    被害者側、特に子供や子供を持つ親の立場からの最大限リスク回避は、正しいリスク認識の上になされるのがベター。
    その辺政府は数字を操るだけでちゃんと健康へのリスク説明をしていないと感じます。医療におけるインフォームド・コンセントに似たような対処が政府によって当該住民になされる必要があるのではないでしょうか。
    それによって住民は選択すると言う主体性を行使でき政府の方針に左右されるだけと言う受動的でない立場を取ることができます。すべての住民がそのような扱いを望んでいるかどうか分かりませんが・・・。
    学童の被曝限度を引き上げる、に関してはちょっと常識的に考えても理解できない。子供の健康を第一に考えていない、行政的辻褄合わせのように感じられて憤りを覚える。

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  5. 私も事故から2週間が経過したころ、福島の人たちに避難してほしくて、頭がおかしくなりそうなくらいだったので、まず受け入れ先がたくさんあることを調べてから、ブログなどで連絡先のわかる福島の人、特に原発に近い人に電話したり、避難先に電話したりしました。事故から2週間くらいのときでした。

    まず、いわき市に住みながら30キロ圏内ぎりぎりのところに通ってボランティアしている50代女性の人と話しました。何百人といるけどここ2週間で逃げたい人はもう逃げてしまっている、ここにいる人はおとしよりで体が動かないとか、牛の世話とかこの土地にいたいとかなんだかかんだで残りたくて残っている、自分も50代だし今から子ども生むわけでもないからどうなってもいい、それよりここに自分がいないと体の動けない人はどうしようもなくなってしまう、とのことでした。若い人はほとんどいなくなっているけれど残っている人も残りたくて残っている、むしろ(もっと原発に近い)自宅に戻りたがっているのだとなんどもいわれました。

    しかたなく、放射線はコワい、若い人は本当に影響を受けやすいのでという話をして、受け入れ先なくて困っている人がいたら気軽に連絡してくださいと連絡先を教えました。その後、連絡ありません。

    同じ調子で、飯舘村とか、双葉町の人たちが避難してる先とか、自分の気がすむまで電話してまわりました。ニュースで避難所からみんな出て行かないと報道されてた石巻市役所にも電話してみました。大体似たり寄ったりでした。逃げたいという人はもういなくなっている、残りたい、むしろ家に帰りたい、一時的に避難するにしても自分の家に近いところがいいという人が多いのだと聞かされました。

    困っているのは風評、そのために支援物資が届かないからそれに困っている、今後も風評が一番の問題になるだろうというかんじで。やはり受け入れ先や自分の連絡先教えて回ったけれど、なしのつぶてです。


    私も現地に直接言って声を聞いたわけではない。けれど、そんな風な応答が続いて、いったい自分のやってることになんか意味があるのかと思えてきてしまいました。

    だんだん、からだが動けない方や新しい土地でやっていく気のない人ががいっぱいいるところでそこは危ないといわれてもありがた迷惑なのかもしれない、とも思うようになりました。今ここ東京にいながら放射能が本当に危なくって、逃げるのはふつうなんだと訴えていくほうが役に立つのかも、とか。そういう情報が新聞やテレビなどの大きなメディアに載ったら福島の人も動くかもしれない、とか。

    (でも紹介してくださったブログに記されている危機感はレベルに差はあれど東京のものでもあると思います)

    田舎の人は自分の土地を自分の分身のように思っている人もたくさんいると思います。ムラ社会から離れて抜け駆けと後ろ指差されるのがコワいというのもあるのかもしれない。たとえば確かに私の実家(鳥取県の山奥です)で同じことが起きたとして、誰もが移動したいわけではないだろう、むしろかなり多くの人が残りたがるのではないかと思います。寿命短くなるとわかっていてもコーヒーがやめられないように(いいたとえではないか)・・・まあとにかく、自分の土地を離れるくらいだったら死ぬ、という人もたくさんいるのだろうなと思います。雪深く理不尽なほど不便な土地に住み続けている人がいるのと同じように。足尾銅山だって、有害物質でまくってると知っていても、みんな自分の土地に残って反対を唱え続けたわけですから。

    あと、多かれ少なかれ原発の恩恵を受けていた人も少なくなさそうです。そういう人はむしろ贖罪的な気持ちなのかもしれないなあ、とか。最初に電話で話をした女性は東京電力のイベントをやっている方でした。

    でも若い人には、出たいという人がたくさんいると思うし、どうか逃げてほしいと思っています。子供であれば、転校したくないという子も少なくないでしょうし、望みどおりの場所があるわけではないかもしれないし、大人の力に頼るよりないだろうけれど、そこを何とかしなければと思います。


    危険宣言の出た飯舘村、ニュースで見る限り、残りたいという人がたくさんいるようですね。国がただ避難しろというだけではたりないのでしょう。今まで安全だとずっと教えられてきた人たちの洗脳を解き、土地にしがみつくムラ社会体質を何とかすることを考え、(原発を支持してたとか地域社会を置いて自分だけ助かろうとすることとかの)罪悪感にとらわれないよう思考回路を変えていかないと、無理やり避難させても怒りを買うだけかもという気がしています。あるMLでは現地にいって直接危険だと訴えて回りたいという人がいたのですが、、、どうすべきなのか私もよくわかりません。

    友達に教えてもらって知った、運動になっているものに、美浜の会の署名があります。最終集約が15日になったようです。
    http://www.jca.apc.org/mihama/index.html
    避難地域の拡大、住民の健康調査、安全基準の緩和反対など、いちいちいい内容ですが、そんなわけで少し署名に躊躇しているところです。でも同じように考えている人がいることはすごくうれしい。話し合っていけたらいいですね。

    今気になってるのは福島の新鮮野菜買って支援というの。すごく声高に言われているみたいですが、善意だというのわかるけど食べ物でチェルノブイリだってすごく被害拡大したらしいしやめさせたらいいのに! でもこれやめろとすごくいいづらい。安全だとみんな思っちゃうしすごくまずいなーと今は強く思っています。

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  6. Anonymous4:25 pm

    http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/svh-652a.html
     
    【福島原発震災(48)】0.6μSV/h以上の学校の授業中止と学童疎開を
     福島県内の小中学校の放射能汚染に対して警告を発している原発震災復興・福島会議が、福島県内市町村長、教育長宛てに進言書を提出しました。

     ・対象児童は、小中高校生等の児童(原則18歳以下)。
      ・受入期間は、1学期以上(1年程度まで)。
      ・児童に必要な生活スペース、寝具、生活用品、食事などは、原則、受入家庭から提供します。
      ・希望者の条件と受入れ家庭の条件を勘案し、子育て支援課がマッチングを実施します。
      ・子育て支援課に、児童や保護者に対する総合相談窓口を設け、学校の転入学手続きなど様々な支援を行います。
       また、受入れ後も、定期的に受入家庭に連絡を入れ、必要に応じメンタルケアなどのサポートも行います。・・・
     
     妊婦さん、子どもたちをホームスティで受け入れようよ。
    また

    http://azarashi.exblog.jp/12409742

    大阪府
    東日本大震災による被災児童のホームステイ希望者の募集

    ●神奈川県
    神奈川県 お子様方のホームステイのご案内

    ●奈良県
    東北地方太平洋沖地震の被災児童・生徒のホームステイ受け入れボランティアを募集します!

    ●長野県茅野市
    被災児童生徒のホームステイ

    ●石川県七尾市
    東日本大震災での被災児童生徒を受け入れるホームステイ家庭を募集しています!

    ●高知県東洋町長のブログ
    当面、数十戸程度ですが、宿舎と食料と衣類とは、無料で提供するつもりです。特に子供を抱えたお母さんたちは、一刻も早く東洋町に避難してください。東洋町は核を拒否し、福祉の町を建設中です。連絡先 0887ー29-3111
     微力ながら、京都から東日本大震災被災者を支援する会 もホームスティ活動を行っています。

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