第82期名人戦

将棋・A級順位戦が開幕　藤井聡太名人への挑戦権懸け

　藤井聡太名人（21）への挑戦権を懸けた第83期名人戦A級順位戦（毎日新聞社、朝日新聞社主催）が14日、東京都渋谷区の将棋会館で指された永瀬拓矢九段（31）―佐藤天彦九段（36）戦で開幕した。来年2月27日の最終局までA級所属の10人が総当たり戦を行う。初のA級入りを果たした千田翔太八段（30）と増

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第3局の13

　◇似ている藤井と豊島　観戦記・加藤まどか　図で次の一手がすごい。藤井は［先］7三歩と桂跳ねを催促。攻め駒を呼び込むだけに勝算がないと指せない。本譜のように［先］8三金などと飛車の頭から押さえる狙いだ。　感想戦でも容赦ない。図で［先］7三歩ではなくすぐに［先］8三金がよかったかと投げ掛けた。どちらも

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第3局の12

　◇アヤをなくしてB面攻撃　観戦記・加藤まどか　図からの［先］2六竜～［先］9六歩を「すごくいい手」と阿部七段は絶賛する。図で単に［先］3八角と引き後手飛車を攻めるのは［後］7三桂から桂交換になった時に［後］5四桂の両取りの筋が油断できない。そこで一度［先］2六竜と戻るのが冷静だった。［後］2三歩に

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第3局の11

　◇紋別への裏ルート　観戦記・加藤まどか　図で昼休に。藤井が「冷やし中華とミニチャーハン」、豊島が「鰻（うなぎ）ひつまぶし」。麺類好きの藤井は夏先取りのチョイス。冷やし中華にはカラシが添えられていることが多いが、東海圏だとマヨネーズを掛ける文化がある。藤井は普段はあまり冷やし中華を食さないため、どの

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第3局の10

　◇第2局を繰り返さない　観戦記・加藤まどか　図。駒の損得がないのに玉形に差があり、加えて先手の飛車は竜。先手よしを否定する要素が見当たらない。しかもこの2六竜は有利な先手が更によくしようとした一着だ。普通なら［先］2八竜と引き大駒の接近は避けたいところだが、それをものともせずに［先］4六歩からのポ

名人戦振り返る記念展　藤井名人の色紙や「封じ手」展示　大分

　第82期名人戦七番勝負第4局（毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力）の開催を振り返る記念展が7日、大分県別府市役所で始まった。藤井聡太名人や挑戦者の豊島将之九段が揮毫（きごう）した色紙などが、8月30日までの平日午前8時半～午後5時に見ることができる。　色紙に

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第3局の9

　◇より厳しくさせる封じ手　観戦記・加藤まどか　角打ちは阿部七段が挙げていた手だ。単に［先］2三歩は［後］同歩［先］同銀成［後］2二歩［先］3二成銀［後］同玉（参考図）でこれも有力だが、［先］1六角は［先］2三歩をより効果的にさせる。同じように［先］2三歩から攻めた時に、［後］2二歩に［先］同成銀と

将棋　名人戦の熱気、再び　直筆色紙や「封じ手」展示　別府　／大分

　第82期名人戦七番勝負第4局（毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力）の開催を振り返る記念展が7日、別府市役所で始まった。藤井聡太名人や挑戦者の豊島将之九段が揮毫（きごう）した色紙などが、8月30日までの平日午前8時半～午後5時に見ることができる。　色紙には、藤

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第3局の8

　◇飛行機光る2日目の朝　観戦記・加藤まどか　5月9日、2日目朝。飛行機がこちらに向かって下りてくる様子を眺めながら対局者を待つ。雲の中から機体が姿を見せると、奥に次の機体のライトが光る、の繰り返し。山手線のように分刻みでやって来ることに驚いた。　対局者が来る前に、吉田響太三段の和服を、貸し出した白

将棋

第82期名人戦七番勝負　藤井聡太名人－豊島将之九段　第3局の7

　◇反省していた2度目の長考　観戦記・加藤まどか　豊島は1度目の考慮時間を超えた2時間13分で［後］7六歩と取り込んだ。「苦慮している様子。この手自体は普通の手でどこかで誤算があったのでは」と阿部七段。推測通り、豊島は局後この長考の意味を問われると「収まらない形になってしまったので。その前のところで