歌壇・俳壇
投稿フォーム
-
遺歌集「思い出の歌 なつかしの歌」自費出版 /奈良
2024/9/26 06:09 715文字毎日新聞奈良面の「やまと歌壇」に2004年から亡くなる23年まで投稿を続けた大和高田市の元中学校教諭、山口正志さん(享年89)の新聞掲載歌など431首を集めた遺歌集「思い出の歌 なつかしの歌」が自費出版された。自らも歌を詠む妻恵子さん(83)は「普段の生活を歌にするのが好きでした。形容詞を使わずに
-
宇治の魅力、短歌で表現 鳳凰RC、35周年記念し募集 来月から /京都
2024/9/25 05:02 700文字宇治のまちの魅力を三十一(みそひと)文字で表現した短歌を、宇治鳳凰(ほうおう)ロータリークラブ(RC)=宇治市、林猛雄会長=が10月1日から募集する。同RC創立35周年を記念し「紫式部に想(おも)いをはせ 宇治をうたう」と題して開催する短歌コンクールで、11月30日までの募集期間内には、選者を担当
-
ニュートロで祝う俳聖 芭蕉祭、来月12日 生演奏、合唱 6年ぶり復活 伊賀 /三重
2024/9/24 05:10 542文字伊賀出身の松尾芭蕉(1644~94年)をしのぶ芭蕉祭が10月12日、伊賀市上野丸之内の上野公園・俳聖殿=写真=である。芭蕉祭のポスターはすでに発表されている。生演奏、合唱が6年ぶりに復活する。2024年は生誕380年になり、かつての祝祭感あふれた芭蕉祭の雰囲気をニュートロ(新しいレトロ)で再現しよ
-
毎日歌壇・俳壇 9月23日の特選より
2024/9/23 04:00 343文字<俳句>西村和子選 ◇黎明を郡上踊りの下駄の音川越市 益子さとし<短歌>加藤治郎選 ◇はつ秋の古い社宅が始めなり四十五年妻の辺に生きる東京 青木公正 益子さんはユネスコ無形文化遺産に登録されている岐阜・郡上おどりのハイライト「徹夜おどり」の情景を句にしました。青木さんの作品には長年連れ添った妻への感
-
毎日俳壇
井上康明・選
2024/9/23 02:01 347文字地ビールの王冠固く秋立ちぬ 東京 吉田徹夫<評>秋立つころは、地ビールがおいしくなる時節。銘柄が描かれた王冠は固く抜けないが、やがて白い泡があふれ落ちるだろう。法師蟬(ほうしぜみ)急(せ)かるるままに鳴き尽くす 北九州市 土居康二<評>ホウシゼミが焦るように鳴きはじめ、力を尽くして鳴き終わった。人の
-
-
毎日歌壇
加藤治郎・選
2024/9/23 02:01 455文字はつ秋の古い社宅が始めなり四十五年妻の辺に生きる 東京 青木公正<評>新婚の私は勤め人。古い社宅で生活を始めた。45年間、妻とともに生きてきた。感謝の思いがにじむ。人生の賛歌だ。 介護士や耐耐耐の女装にて古老笑わせる夏祭り日 須崎市 野中泰佑<評>介護の現場である。精神的な苦痛に耐えて女装する。現代
-
毎日俳壇
小川軽舟・選
2024/9/23 02:01 340文字秋たつや米粒締まる塩むすび 豊橋市 岡野寛十郎<評>「米粒締まる」に塩むすびのかみ応えが感じられる。立秋の空気のもとで、これはうまそうな塩むすびだ。拭きなほす眼鏡原爆忌のコラム 東京 福島照子<評>何気なく読み始めたら、胸に迫るものがあった。動作でそう思わせる工夫がよい。一族に母の面影盆の里 新居浜
-
毎日俳壇
西村和子・選
2024/9/23 02:01 353文字黎明(れいめい)を郡上踊りの下駄(げた)の音 川越市 益子さとし<評>「を」の助詞が効果的。徹夜踊りの夜明けの時間を、郡上八幡の町の通りを、踊りのげたの音が貫いてゆく。点滴の粘りて落つる秋暑し 東大阪市 福井範子<評>残暑厳しい折は点滴のしずくさえ粘っているようにみえる。強調表現に実感が伴っている。
-
毎日俳壇
片山由美子・選
2024/9/23 02:01 346文字留守電に亡き父のこゑ盆の月 御殿場市 廣岡綾子<評>電話をかけてきた父のメッセージが残っているのを消せずにいるのだろう。お盆を迎え、また再生して声を聞いてみる。冷蔵庫開けては妻に咎(とが)められ 福岡 松延彰友<評>「扉を開けたまま物色しないで!」と妻の声が飛んでくるのだが、何かないかとつい……。見
-
毎日歌壇
米川千嘉子・選
2024/9/23 02:01 479文字「その荷物、のせなよ」君は荷を奪い補助輪の音を響かせ走る 横浜市 友常甘酢<評>いつも何かをしてもらうばかりだった子が手伝う側になれたうれしさ。意気揚々と走る補助輪の音が何とも楽しい。寝台になりそうな棚が白々と光る 米が積まれてた場所に 広島市 堀眞希<評>スーパーの店頭からお米が消えた。その空間の
-
-
うたは奏でる
大阪アンソロジー=染野太朗
2024/9/23 02:01 613文字茨城で生まれて埼玉に育ち東京に住んだこともある私だが、いろいろな巡り合わせで今は大阪に住んでいる。もう6年目だが今も自分をよそ者として感じる。でもそれは大阪の風土のせいではない。 8日に開催された文学フリマ大阪で「わりかしワンダーランド02」という同人誌を買った。表紙に「大阪の人間による大阪アンソ
-
毎日歌壇
水原紫苑・選
2024/9/23 02:01 472文字殺された樹(き)と樹を釘(くぎ)で刺してゆくホモ・サピエンスのすてきな檻(おり)だ 四日市市 早川和博<評>樹を殺し、なおかつ釘で刺してつなぐ。これほどの残酷さを必要とするのは、いかなるホモ・サピエンスか。最深部に椅子があるのを仮定すると海の座りは理解しやすい 枚方市 久保哲也<評>海に椅子があるな
-
毎日歌壇
伊藤一彦・選
2024/9/23 02:01 455文字古典にはかきたれ雨とあるを読みぬ昔は雨も趣がある 大津市 佐々木敦史<評>かきたれ雨は雨雲が垂れ下がり暗くなって降る雨。急な雨で肘を笠(かさ)代わりにしたことに由来する肘笠雨も趣深い。叫んでも誰も助けてくれないと知っていたならきっと叫んだ 東京 遠野鈴<評>本当は助けてほしいはず。それでも誰かいたら
-
点字毎日 点毎俳壇 桑田和子・選
2024/9/22 10:18 1044文字ゆのような みずが でて くる もうしょなり 大阪府 九四家(くしけ)朋代 【評】最高気温が25度以上の日を「夏日」というが、更に35度以上になると「猛暑日」という。地球温暖化の影響でこのところ30度を下がる日がない。蛇口からは湯のような水が出てくる。しばらく「猛暑日」が続く。いちめんの よぞら い
-
牧水に思い寄せ 没後96年 命日にファンら参列 日向 /宮崎
2024/9/22 05:11 448文字宮崎県日向市東郷町坪谷生まれの国民的歌人、若山牧水(1885~1928年)をしのぶ「第74回牧水祭」が命日の17日、市内の生家横にある歌碑前であった。県内外から牧水にゆかりのある人やファンら約120人が参列し、旅と自然を愛した没後96年の牧水に思いを寄せた。 牧水祭は、近代短歌史に大きな足跡を残し
-
-
情景浮かべ 五・七・五 伊賀上野城“89歳” 小中生対象、30日まで俳句募集 /三重
2024/9/20 05:13 451文字伊賀市上野丸之内の伊賀上野城を運営する伊賀文化産業協会は小中学生を対象に「伊賀上野城に関係する俳句」を募集している。締め切りは30日。 伊賀上野城(伊賀文化産業城)は1935年完成。募集は“90歳”記念を前にした“89歳”企画。協会は「桜、青葉、モミジと城。高石垣と堀、石段。天守閣からのながめ……
-
芭蕉と句、もっと身近に 天理中生、大学教授から特別授業 /奈良
2024/9/19 05:06 457文字私立天理中(天理市杣之内町)が天理大人文学部の西野由紀教授(日本近世文学)を講師に招き、江戸時代の俳人・松尾芭蕉について学ぶ特別授業が11、12の両日、近くの天理大付属天理図書館であった。中学の授業では学べない専門的な講義内容に、生徒たちは真剣な表情で聴き入っていた。 この時期に3年生が古文の授業
-
毎日歌壇・俳壇 9月16日の特選より
2024/9/16 04:00 361文字<俳句>小川軽舟選 ◇炎天や天主堂みな坂の上北本市 萩原行博<短歌>米川千嘉子選 ◇撃ち取りて崖より降ろす猪の巨体支ふる滑車が軋む島根 重親峡人 荻原さんの句は、猛暑のなか高台に建つ教会の天主堂までの坂道を苦労して上っていく様子が目に浮かびます。重親さんは、イノシシやニホンジカなどの有害鳥獣による
-
毎日俳壇
小川軽舟・選
2024/9/16 02:05 340文字炎天や天主堂みな坂の上 北本市 萩原行博<評>坂の上に建つのは、それがその土地でいちばん天国に近いからだろうか。汗を拭きながら炎天の坂を黙々と登る。ショッピングモールに子らの水遊び 大阪 福田愛<評>巨大なショッピングモールは、家族連れが安心して一日過ごせる場になった。秋の日や遠き記憶の澄んだ色 我
-
毎日俳壇
西村和子・選
2024/9/16 02:05 351文字秋の蟬(せみ)父母なきあとの掛時計 千葉市 笹沼郁夫<評>句の背後から両親が元気だった頃の住居が見えてくるのは、季語に衰えや寂しさ、懐かしさが託されているから。初秋とやうやく気付く夜の風 神奈川 中島やさか<評>いつまでも猛暑が続く今年ならではの実感。季語と体感とのズレを正直に吐露した句。吹かれつつ
-