特集
LGBT
性別にとらわれず自分らしく生きるために、声を上げる人たちが増えています。当事者の思いや社会の課題を追います。
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タイ国王、同性婚法案を承認 25年1月に施行へ 東南アジアで初
2024/9/25 18:34 422文字タイ官報は24日、ワチラロンコン国王が同性婚を認める法案を承認したと発表した。来年1月に施行される。同性婚の法制化は東南アジアでは初めてで、アジアでは、台湾、ネパールに次いで3例目。 新しい法律下では、性別に関係なく結婚が認められる。そのため、これまで婚姻に関する法律が用いてきた「男性」「女性」を
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性同一性障害は「性別不合」に WHO新疾病分類の政府和訳
2024/9/20 17:19 438文字心と体の性が一致しないトランスジェンダーが障害ではないとの考えの広がりを巡り、政府が2027年の施行を目指す世界保健機関(WHO)の「国際疾病分類」最新版の和訳で、性同一性障害ではなく「性別不合」を採用したことが19日分かった。ゲーム障害として知られる症状は「ゲーム行動症」と訳した。同日の厚生労働
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自民総裁選7候補がLGBT関連アンケに答えず 実施団体「残念」
2024/9/20 10:20 1253文字性的指向・性自認に関するアンケートに、自民党総裁選候補9人のうち7人が無回答――。 性的少数者らの全国組織「LGBT法連合会」と、同性婚の実現を求める公益社団法人「マリッジフォーオールジャパン」(MFAJ)は19日、自民党総裁選と立憲民主党代表選の立候補者計13人に同性婚の法制化などへの考えを尋ね
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世田谷区、同性カップル住民票「夫(未届)」表記に 11月にも都内初
2024/9/18 17:12 454文字東京都世田谷区の保坂展人区長は18日、同性カップルの住民票の続き柄欄を男女の事実婚と同様に「夫(未届)」などと表記する取り組みを11月から始めると明らかにした。都内の自治体では初めてとなる。同日の区議会定例会で上川あや区議(レインボー世田谷)の質問に答えた。 保坂区長は「先行自治体の取り組みも踏ま
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「隠れるように生きた」 同性カップルがぶつかった壁、その先の光
2024/9/14 09:01 1896文字「認めてもらえたことが何よりありがたくて、希望を持っている」。LGBTQなど性的少数者のカップルを公的に認証する「県パートナーシップ宣誓制度」で1組目のカップルとなった大津市内の田村孝さん(54歳、仮名)と山田桜さん(51歳、仮名)。宣誓書受領証カードを受け取った後、声を詰まらせながらそう口にした
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カミングアウトで家族崩壊 揺れ続けた「女性」としての生き方
2024/9/14 09:00 1794文字「これはうれしかったですね。ありがたいです。舞い上がってしまう」 2人分の名前と生年月日が書かれた1枚のカードを見つめながら山田桜さん(51歳、仮名)はほほえむ。山田さんはLGBTQなど性的少数者のカップルを公的に認証する「滋賀県パートナーシップ宣誓制度」で、出生時の身体の性別と性自認が一致してい
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広がる「夫(未届)」「妻(未届)」 同性カップルの続き柄表記変更
2024/9/11 11:15 936文字同性カップルに発行する住民票の続き柄を男女の事実婚と同様の表記にできる運用が、神奈川県・三浦半島の自治体で広がっている。7月に横須賀市が県内で初運用したのを皮切りに、逗子市と葉山町でも9月から運用を開始。三浦市でも前向きに検討を始めているという。 横須賀、逗子、葉山の3市町ではこれまで、同居する同
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私たちの「虎」語り
シスターフッドの描かれ方に引かれる 劣位に置かれた私自身
2024/9/6 08:01 3597文字ゲイ当事者として多様なジェンダーに関する記事を執筆してきた一般社団法人fair代表理事、松岡宗嗣さん(29)は前編で、寅子が抱く結婚による改姓の悩みと、轟たち同性カップルが法的に結婚できないという問題は実はつながっていると指摘しました。後編はズバリ、そんな松岡さんにとっての“神回”は? 逆に、モヤ
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私たちの「虎」語り
当事者が演じた価値は本当に大きい 松岡宗嗣さん再び「虎語り」
2024/9/6 08:00 4327文字朝ドラ、歴史的な日――。ゲイ当事者として多様なジェンダー、セクシュアリティーに関する記事を執筆してきた一般社団法人fair代表理事、松岡宗嗣さん(29)は、「虎に翼」に複数の同性カップルや性別を移行した女性が登場した日、こんなふうにX(ツイッター)に投稿しました。何がどのように「歴史的」なのか。前
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五輪女子ボクシング 中傷の背景にトランス女性差別と「政治的意図」
2024/9/4 05:30 6727文字8月11日に閉幕したパリ・オリンピックでは、ボクシング女子の2選手を巡り世界的な論争が巻き起こった。アルジェリア代表のイマネ・ヘリフ選手と台湾代表の林郁婷(りん・いくてい)選手。前年の世界選手権で国際ボクシング協会(IBA)による性別検査で失格とされていたことから、2人をトランスジェンダーと決めつ
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同性婚訴訟、福岡高裁での判決は12月13日 3例目の2審判決
2024/9/2 18:37 475文字同性同士の結婚を認めていない現行制度は憲法に反するとして、福岡市と熊本市の同性カップル3組6人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は2日、福岡高裁(岡田健裁判長)で原告側が「結婚の自由を認める判決を期待します」などと意見陳述し、結審した。判決は12月13日。 全国5地裁に起こさ
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福祉現場での深刻なLGBTQ関連ハラスメント 政府の見解は
2024/8/19 14:00 2061文字障害者施設で職員から「ホモ、気持ち悪い」と暴言を吐かれた。障害者施設や高齢者施設で性自認をいくら伝えても、望まない男物や女物の服装や髪形を強いられる――。福祉現場での職員から利用者への性的指向や性自認に関するこれらの言動や行為について、政府は法律上の「虐待」になり得るとの考えを6月に示した。そもそ
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同性カップルの住民票表記 総務省が言う「実務の支障」って本当?
2024/7/29 16:00 1967文字「実務面で支障をきたす恐れ」――。男性カップルに対し、続き柄欄を「夫(未届)」とした住民票の写しを交付した長崎県大村市の対応を巡り、総務省は7月にこう見解を示した。だが市側は総務省へ再質問を送るなど収拾はついていない。果たしてこの表記は実務を担う機関にとってどれほど支障なのか。そして自治体はどう捉
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村上春樹をめぐるメモらんだむ
LGBTQの人々 いち早く登場していた村上春樹文学
2024/7/28 16:00 4101文字2024年6月29日夕、東京・すみだトリフォニーホールで、3回目となる村上春樹さんプロデュースのライブイベント「村上JAM」(TOKYO FM主催)が「熱く優しい、フュージョンナイト」と題して開かれた。当コラムで紹介してきたように、第1回の「村上JAM」は19年6月、ボサノバ特集の第2回は21年2
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自民・特命委、性別変更の外観要件を議論 高裁決定巡り意見交換
2024/7/23 17:37 446文字自民党の「性的マイノリティに関する特命委員会」は23日、党本部で会合を開いた。性別変更後の性別の性器に似た外観を備えると定めた「外観要件」を柔軟に解釈し、性別適合手術を受けていない当事者の性別変更を認めた10日の高裁決定について意見交換した。 性同一性障害特例法は、性別変更の要件として、生殖機能が
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カミングアウトに「気持ち悪い」 娘の葛藤、母の真意は…
2024/7/18 14:00 2835文字娘は勇気を出して、自分がレズビアンだとカミングアウトした。 それなのに、母の反応は「気持ち悪い」。 娘は「大切な人だからこそ、自分を理解してほしい」との思いを強くした――。 そんな実体験をきっかけに、娘は性の多様なあり方を伝える活動に関わるようになった。一方で、母にも後悔の念があった。 <主な内容
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「離婚を強制」トランスジェンダーの既婚者 家裁に性別変更申し立て
2024/7/16 19:26 640文字戸籍上は男性で、女性として暮らしているトランスジェンダーの当事者が16日、男性から女性への性別変更を求める家事審判を京都家裁に申し立てた。変更の要件として性同一性障害特例法が定める「婚姻をしていないこと」(非婚要件)が憲法に反すると訴えている。 京都市で暮らす50代の当事者は幼少期から自らの性に違
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私たちの「虎」語り
セクシュアリティーに葛藤する#俺たちの轟 「描かれ方」に説得力
2024/7/15 08:00 5453文字ほれてたんだろ、花岡に――。「虎に翼」の第51話(6月10日放送)では、寅子の大学時代の友人、轟が同郷で同性の親友、花岡に恋愛感情を抱いていたことが描かれました。ゲイ当事者として多様なジェンダー、セクシュアリティーに関する記事を執筆してきた一般社団法人fair代表理事、松岡宗嗣さん(29)は、轟の
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予期せぬカミングアウトに「待てない」 トランスジェンダー女性決意
2024/7/13 18:31 1126文字思いがけないカミングアウトは、日常の至るところに潜んでいる。 めがねを作り替えるため、女性が処方箋を見せると店員が言った。「これ、旦那さんのですよね」 なぜ、処方箋には性別が書かれているのだろうか。めがねを作り直すのに性別は関係ないはずと思う。「私、本人ですけど」 銀行の窓口でも、口座手続きで同じ
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スポーツ界の片隅で
スポーツだけが特別か 性別で奪われる参加機会
2024/7/13 06:00図解あり 1154文字LGBTQなど性的少数者、とりわけトランスジェンダーの若者は性自認ゆえ、男女で区分けするスポーツや学校教育に疎外感を抱くという。なぜ参加するための障壁が高いのか。「スポーツとLGBTQ+」(晃洋書房)の共著がある立命館大の岡田桂教授(スポーツ社会学)に聞いた。【聞き手・田原和宏】 性別で分けられる
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