「この小説には世界を支配する9人の巨大な赤ん坊が登場し、それぞれが一試から九試の名前を持っている。主役となるその1人は七試という名前なのだ」
「分かった、ちょっと前に公開された有名アニメーション監督の映画に出てくる七試艦戦が元ネタなんだろう。最近ブルーレイ出たばかりだしね」
「はずれた。タイミングが合ったのは単なる偶然だ」
「うそー」
「七試艦戦というのは昭和7年試作の艦上戦闘機のことだ。時代を限定しない未来時制の話とそれは関係するはずがない」
「未来の話なの?」
「設定的にはそうだな。現代の話ではあるが」
「どっちなんだよ。未来なのか現代なのかはっきりしろよ」
「設定は未来だが現在の問題を扱う寓話として未来を設定してあるだけだ」
「いずれにしても昭和7年は関係ないってことだね」
「そうそう。七試の意味は他にある。それは読めば分かる」
「読めってことだね」
「読者様にそんな命令ができるわけがなかろう。お願いするんだよ」
「読んで下さい。お願いします」
アダルト扱い §
「審査の都合でアダルト扱いになっているけれど、別にアダルト小説を意図して書いたものではないから、抜けないと言って苦情を言わないでね」
「なんでアダルト扱いなの?」
「他社の基準までは知らん」