「恐ろしい。2012年の夏は、あり得ないぐらい完璧な夏だ」
「なんでだよ」
「2012年にもなって、ゴーゴーミサイルゴーゴーカーを映画館で見るとは思わなかったのみならず、大鉄人までスクリーンで見てしまい、顎が外れそうだ」
「そうか、宇宙戦艦ヤマトのみならず、他の要素も完璧ということだね」
「しかし、イベントは目白押しなのだ」
「えっ?」
「すっかり予約していたことを忘れていたSecret of Mana GenesisがAmazonから届いた」
「それは何?」
「聖剣伝説2の アレンジアルバムだ」
「聖剣伝説2って何? 新作?」
「スーファミ時代の19年前の新作」
「なんだって!? 今頃アレンジアルバムが発売なの?」
「いや当時既にSecret of Manaというアレンジアルバムがあった」
「意味ワカラン」
「20年経った同窓会的なCDなんだよ」
「どうして聖剣伝説2だけ」
「それだけ、あれは特別だったのだろう」
「君に取っても?」
「そうだ。理由を列挙しよう」
- 自分が始めてクリアしたアクションRPGである
- 音楽が特に秀逸
- 全武器のレベルを上げていたら、鞭装備のプリムに開眼し、ばしばし鞭で敵を叩きながら戦っていた (おほほほ)
- ボス戦にバグに泣かされて、せっかくボスを倒したのに泣く泣くリセットしてやり直したほろ苦い思い出もある
「鞭装備のプリム?」
「あれにはまった人は多いようだ」
「人気ではリース人気が高いのでは無いの?」
「あれは聖剣伝説3だな。2は違う」
「音楽が特に秀逸って?」
「ゲームの音楽も特に良いのだが、Secret of Manaの凄みはそれ以上だった」
「どこが凄いの?」
「何しろ1曲しか入っていない。それが延々と続く。タイプライターの音まで入って手持ちCDの中でも未だに最高のCDの中の1枚だね」
「1曲が延々と……」
「だから今頃また聖剣伝説2のCDが出るので予約したわけだ」
「これは特別ってことだね」
「そうだ。無印聖剣伝説だったり、もっと後の時代の聖剣伝説なら予約してない」
「むむ。そうか」
Genesis §
「というわけで、今回のCDだが、ライナーを見て既に20年前だと知って愕然とした。まだついこのあいだのような気がしていたが、錯覚に過ぎないようだ」
「えー」
「音楽的には、実は凄くゲームに忠実だけど、そうすることに手間が掛かったみたいだ。そこから感じられる凄みが音に出ている。これは凄い」
「凄いのか」
「最初はありきたりの音に聞こえるのだが、どんどんスケールアップしていってこっちが飽和してしまうぐらいだ」
「えー」
「公式サイトはいきなり音が出るので愉しんでくれ」
リズム論 §
「このリズムはいいものだ。リズム人間の言うことだから信じてくれて良いぞ。もっとも普通の人間がいいもだと感じるかどうか分からないけどな。ははは」
「そんなに?」
「そりゃもう、昔の聖剣伝説2からSecret of Manaを経由して聖剣伝説3にいたる音楽は当時のお気に入りだったからな」
「そうか」
「というわけで、思わず浸ってしまった」