トーノZEROのアニメ感想です。
今日のカードファイト!!ヴァンガードの感想。
サブタイトル §
ようこそ!カードキャピタルへ
あらすじ §
エミは兄のアイチの行動がおかしいことに気づきます。放課後、こっそり後を付けると、カードショップに入りました。そこで、不良だと思った男とTCGで対戦する兄を見て、りりしい姿に見とれます。更に、もう1回対戦を見せるよう、要請します。
感想 §
あっけに取られました。
カードショップに入り浸る兄を発見してしまうお嬢様学校に通う妹。
ゲーマーの兄に見とれるお嬢様の妹。
全て話は妹視点で進行します。
そのことは、ある意味で意外ではありません。
辻初樹監督が以前に監督した「ライブオン CARDLIVER 翔」でも、やはり可愛い妹が素人としてカードに興味を持つ展開があるからです。
しかし、演出も格段に上手くなっています。凄みが増しているという感じでしょうか。格下として面倒を見る必要があった情けない弱い兄が、カードファイトでは、不良に思えた対戦相手の男よりも凛々しく強く大きく見えることに、ただ見とれてしまいます。理屈は少なく、心理描写も優れています。
更に感想 §
カードアニメはこれまでも多くありますが、だいたいあり得ない設定が付いてきます。モンスターが巨大に投影されたり、名もないファラオの因縁があったり、しゃべるマスコット動物がいたり、ゲートオープン解放したり、カードバトルの学校があったり、バイクで走りながら戦ったり、野生のモンスターを生け捕りにしたり、人類の命運が掛かったり、ムスタング一家が揃ったり、プレイヤーがモンスターに変身したり、カードを作るクリエイトモンスターがいたり、そりゃもう大変。
そういう路線を限界まで開き直って限界まで推し進めたのがブレイヴ。その必然的な結果として、たかがTCGで領地までやりとりする世界は、敵にすらTCGに対する敬意が設定されます。そして、やたら奥深い世界が描かれざるを得ません。
ならば、そういう路線を完全否定して、凄く誠実に作っているのがこのヴァンガードなのでしょう。何しろ、世界の運命も実体としてのモンスターもなく、あくまで全てのモンスターはイメージの中の存在でしかありません。カードショップの対戦スペースから外に出ることはなくバトルは行われ、たとえ自分の分身としてのカードがあっても人間が変身するわけではありません。イメージするだけです。しかし、ならば見応えがないのかといえば、それは逆です。むしろ、本当にあり得る話であるからこそ、家では見たことが無い兄の凛々しい姿に見とれる妹というただそれだけの話が成立します。心を支配するだけの大きな衝撃という意味では、十分に大事件なのです。
今回の一言 §
エミが通うお嬢様学校の校門には警備員がいます。しかし、兄が通う平凡な中学にはいません。その違いを発見してしまうエミ。このあたりが、「世界が生きている」感じですね。記号で作られたお約束の世界ではありません。