うーん、一読して「面白い」。
ギャグのテンションも、キャラの魅力も、ビジュアルの魅力も全く衰えていません。
シュールなギャグが続発するにもかかわらず、作品の骨格の筋が1本通っているので、全体として1つの流れができています。
しかも長所は1つではありません。
どこから切ってもいい!
あえて第1印象で三つ書くなら。
メカ §
メカのデザインセンスの秀逸性が光ります。特に女の子の身体と一体になったデザインの秀逸性は、特筆すべきものでしょう。三姉妹のメカも良いですが、MISSION 05の扉絵の水中服(?)のスクリュー部分も印象的です。
反乱軍三姉妹の長女「りく」 §
ある意味で、本作品のメインヒロインでしょうね。
リーダーらしい風格と、どこか常識が欠落した天然っぽさが同居しています。
印象的で強い魅力があります。
……と思ったら後半、アイドル歌手になりたかったという驚きの真相が明らかになり、どんどん暴走していく面白いキャラに。
自分を追い出した妹を守る王子 §
この1巻のストーリーは、一言で言えば、妹に追い出されて国を乗っ取られた王子が、妹のピンチを救ってしまう……というものでしょう。
この構成が、何よりも雄弁に作品の本質を語りきっています。
強大な軍隊や反乱軍といった真面目な存在を媒介しつつ、戦いの本質は屈折した兄妹の愛情表現でしかないわけです。ストレートに好きと言えない、言うだけでは到底納得できない心理を描く作品であり、その屈折に到達する手段としてシュールなギャグが不可欠な作品なのでしょう。
見事な心理ドラマです。
……さて、仕事が終わったらもう1回じっくり読もう。