見ていて謎が多く気になるバレルの正体と行動について、じっくり検討するといろいろ分かってくることに気付きました。
TVシリーズにも出てくるので、それを見るともっと良く分かるのかもしれませんが、このDVDだけで分かる範囲に限定して推理してみました。
バレルとカーネルの行動一覧 §
ロックマン救援にカーネル登場 §
この時点でカーネルはロックマンの目的を正しく知っていました。ロックマンに与えられた使命は、突発的に発生したもので、関係者以外は知らないはずのものです。カーネルは時系列の因果関係の外にある存在であることが示唆されます。
バレルの部屋 (レコード・プレイヤーのある部屋) §
ここでバレルは、「未来を変えることはやはりできなかったか」「カーネル、次は私が行く番だ」と言います。
これにより、バレルは「未来の改変」を意図していることが分かります。「未来の改変」を意図してカーネルを送り込んだということは、以下の4点が示唆されます。
- バレルは過去の人間である
- バレルは未来を知っている (熱斗達よりも先の未来)
- バレルはカーネルを未来に送り込める
- バレルは自分も未来に行く方法を知っている
もう1つ。
このシーンは常に虹色のエフェクトが掛かってます。これは、後で時空の歪みであることが示唆されます。時空の歪みは時間旅行を可能とします。
バレル未来へ移動 §
ワイリーの実験施設に発生した時空の歪みを経由して、バレルは20年後に移動します。
このとき、バレルは「バレル大佐」と呼びかけられており、バレルがアメロッパ軍人であることが示唆されます。
バレル、ドアの向こうに残る §
熱斗と父を逃がし、バレルはドアの向こうに残ります。この段階で、バレルは常識的には逃げられなくなり、生死は不明となります。
このとき、ロックマンのピンチにはカーネルは再び現れると言いますが、自分が現れるとは言いません。
エンディング、バレルの部屋 §
バレルは生きて過去に戻ったことが示唆されます。
ロックマンエグゼ・キャラクター図鑑の「カーネル」の説明文 §
実は、このDVDにはもう1つのヒントがあります。それは映像特典のロックマンエグゼ・キャラクター図鑑の「カーネル」の説明文です。
アメロッパ軍によって開発された軍事用ナビ。(中略)。20年後の世界に迫る危機を察知したオペレーターのバレルによって、時空を超えてロックマンたちのもとへ送られた。
これにより、バレルが20年前の人間であることが明らかにされます。
バレルの正体 §
20年前のアメロッパ軍の軍人、バレル大佐です。
未来の破局を知り、未来の歴史を改変すべく未来に介入を行います。
バレルの視点から見た時系列 §
- ネビュラグレイによる20年後の破局を知る。始まりから最後まで、ロックマンに与えられた使命や、ワイリー実験施設に時空の歪みが発生することも含めて把握する
- 歴史改変のためにカーネルを20年後に送り込み、ロックマンを支援するも改変に失敗。ヒカリタダシプログラムは奪われてしまう
- 次は自分が未来に行くと決意
- 熱斗が遭遇する敵の弱点などを過去の時点で調べる
- ワイリー実験の施設に移動
- ワイリーからヒカリタダシプログラムの残りの隠し場所を聞く
- 時空間の歪みに飛び込む。20年後に移動
- 熱斗とロックマンの戦いを支援
- 熱斗と祐一郎をドアの向こう側に逃がした上で、閉じるドアの手前に残る
- 過去に帰還する
バレルが持つと推定される能力 §
- 未来の任意の時点で起きている出来事を知る (カーネルに調べさせるのかもしれない)
- カーネルを任意の未来の特定の電脳空間と往復させる
バレルが持っていないと思われる能力 §
バレルの未来への移動は、時空の歪みを経由したものです。これは、2つのスペクトルが動作して発生したもので、常にあるわけではありません。それが存在しない状況ではバレルは未来に移動できないのでしょう。実際、バレルの最後の言葉は、カーネルが再び未来に現れる可能性を示唆しますが、バレル本人が再び未来に現れる可能性は示していません。
しかし、この推定が正しいとすると、1つだけ謎が残ります。バレルは自力で時間移動できないにも関わらず、過去に戻ったことになるからです。
バレルは自分の正体を隠す §
バレルがドアの向こうに残ったにも関わらず過去に戻ったことは、逆に言えば、過去に戻るところを熱斗達に見せないようにわざと残った可能性を示唆します。
バレルは自分が過去人であることを熱斗達に隠しているかもしれません。
感想 §
じっくり検討するといろいろ分かってきます。
これは丁寧に作られた良い映画である証拠ですね。
おそらく、あと1つ感想文を書くことになるでしょう。