謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の修羅の刻の感想。
サブタイトル §
第19話 「漆黒の海戦」
あらすじ §
長州を征伐するために幕府は大艦隊を送り込んできます。
龍馬は、その旗艦、冨士山丸をやると言います。
夜明け前の視界の悪い中、長州軍が陸上から砲撃し、艦隊をおびき寄せます。
龍馬の船は、出海の視力によって障害の多い海を渡りきります。帆走で静かに冨士山丸に接近した龍馬の船は、これを撃破します。
龍馬は、時代は変わると相手の船に告げ、命は明日の日本のために使えと言います。
退却していく冨士山丸。
幕府艦隊が接近してきますが、長州艦隊も到着します。
感想 §
夢か幻か。
こんな凄いものが見られるとは。
歴史考証的に正しいかどうかは、この際、問いたいとも思いません。(問おうにも知識もありませんが)
ただ、幕末を舞台に、これだけの軍艦の戦いを描写したと言うだけで、もう脱帽ものです。
アニメで船を描いた作品がないというわけではありませんが、複雑な形状の帆走する船をこれほど描いた作品はほとんど無いでしょう。凄いですね。
しかも、敵の銃に狙われているのに隠れようともしない龍馬という、あまりに格好良すぎる描写まで。それに加えて、飛び出して銃で銃弾をはねのけて龍馬を守る出海という、これまた格好良すぎる描写。もう、無茶苦茶、何でもありありの世界ですが、ここまで本気で描き込んでいればこそ、それが嫌みになりません。
個別のシーンで言えば。
まず灯火を落としながら向きを変える軍艦が痺れましたね。
帆を張って帆走する船。
動いている蒸気エンジンの描写。
2重の舵輪。
船の向きが変わることを間接的に描写するコンパス。
舷側から次々と姿を見せる大砲。
艦上からの鉄砲の撃ち合い。
見どころは多数ですね。
こんなものが見られるとは、本当に奇跡としか言いようがないと思います。
特に、ガンダム的な「リアル」が「リアル」でしかない水準のアニメファンが多い状況下で、こんな飛び抜けて尖った作品を送り出してくる勇気と見識が凄いですね。
しかも、第1部、第2部では、まだしも美少女キャラを目立つところに配置してオタク相手の分かりやすさに配慮している雰囲気がありましたが。今回などは、美少女キャラのカケラもありませんね。ただ、海、闇、風、燃える石炭、男達の理想だけで、ドラマを成立させています。こんなドラマ作りをしていては、萌えとしか叫べないオタク連中からそっぽを向かれるリスクがあまりに高いと思いますが、そのリスクを踏まえてなお、このように志の高い作品を作っていくことは賞賛に値すると思います。
それに、何も無理をしてオタク相手にアニメを作る必要はないと思いますし。多くのオタクが誤解していますが、アニメはオタクのために存在するわけではないのですから。
今回の一言 §
前回は、ちょっと出海の存在意義が危ぶまれる雰囲気もあって、修羅の刻がこれで良いのかと思いましたが。今回はまさに出海の力で勝利をもぎ取ったようなものですね。
おっと忘れちゃいけない §
砲弾が降り注いでくる場面で、高杉らが頭を抱えながら会話をしている描写もなかなか。
もう1つ、以前の「大海の志士」をちらっと見直したのですが、沖田や土方のいる道場の屋根の描写が見事。瓦屋根ではないのですよ。別にミリタリーマニアというわけではなく、建物にも視線が行きます。実に見事。