『けっこう仮面』20点(100点満点中)
点数は低いが、割り切って楽しむには最適
永井豪原作のおバカでエッチでお下劣なコミックの実写映画化。Vシネマに毛が生えたようなチープな出来で、公開後たったの1ヶ月でビデオ、DVDが発売開始されるという話である。
20代以下の若い人にはわからないだろうが、大昔『月光仮面』というヒーローものテレビドラマが一世を風靡したことがあった。この『けっこう仮面』は、もともとそれをパロった漫画である。だから、テーマ曲も月光仮面と同じメロディの替え歌だし、長いマフラーにフィットした仮面という、主人公のけっこう仮面のデザインコンセプトも共通している。
ただ、唯一違うのは、けっこう仮面は仮面以外何も着用していないという点である。必殺技はおっぴろげジャンプという、両足を大股開きして股間でアタックするというもの。くりかえすが彼女(けっこう仮面)は、パンツもはいてません。全裸です。
長いマフラー(?)が、ふわりふわりと彼女の大事な部分を隠すものの、ときにはチラッと見えてしまう。そんな実写ならではのHな描写こそ、お客さんのお楽しみだろう。
なぜ彼女が裸で戦うかというと、「何も隠さないことで女は強くなるのだ」という理論らしい。実に論理的で完璧な理屈である。
彼女の、少々ゆるんだ身体が実にリアルだ。彼女は巨乳でも美乳でもないし、くびれたウェストもあるわけではないが、ややハスキーなマジメ声で(原作読者には)おなじみの決めセリフを発するたび、何だかとても魅力的に感じてしまう。うーん、言語道断!
劇場公開映画なのに、オープニングが安手のAVのようなのも苦笑を禁じえない。ストーリーは、語るのもばかばかしいほどのダメさ加減。
まあ、冗談のわかる女の子でも連れて、夜見に行くのが無難なところか。今年は永井豪原作漫画がたくさん映画化される年だが、個人的には『キューティーハニー』ではなくこちら『けっこう仮面』にこそ、サトエリを主演させたかった。開脚200度を誇る彼女のおっぴろげジャンプは、さぞ美しかったことだろう。