大学三年になったある日、4月生まれの俺の誕生会を開くって口実で、全員二十歳超えたから飲み会しようぜってことになった
仲いい友達が誕生日プレゼント用意してくれることになり、当日友達は皆でお金を出しあってワインを、彼女は名前が刻印された時計をくれた
その時計が結構な値段がするもので、「これから就活も始まるから、仕事始まっても使えるものを選んでおいた」と、どこにつけていっても恥ずかしくないものだった
けど誰かがボソッと「偽物じゃねーの」と零し、周りが同調しだしたんだ
「偽物だと思うなら徹底的に調べろよ!」と俺がキレ、友達も謝罪しろと迫ったが、意地になった野郎がマジで調べて結局本物だと判明した
なのに周りは彼女に謝罪せず、盗んだ金じゃないのか、とか言い掛かりまで付け出したので、それからそいつらとは関わりを断った
彼女は相変わらずどうでもいい、みたいな顔してたけど、俺に高価な贈り物をしたので一部媚びだす人も現れたらしい
ある時媚びだした二人が彼女に「今月誕生日だし、時計ほしいなぁ~」とおねだり、彼女は「解った」と返し、翌日にはきっちり用意していた
1000円の時計を
「高い時計だと価値が解らないようだからね、価値のわかりやすいものにしといた」とご丁寧に値札までそのまま、こっそりそばで見ていた俺と友人は腹抱えて笑った
それから一年後、彼女は銀行員という志望していた職をストレートで手に入れて、即就活終了、それを機会に自分にたっぷり金をかけた
もともと整った顔立ちだとは思っていたけど、くせっ毛にストパーをかけて綺麗にカット、化粧品も買い揃え、メガネをコンタクトに変え、仲間由紀恵みたいに大変身して、ブスだのダサいだの言ってた人らが羨むほどのスペックになっていた
彼女とは裏腹に、周りは皆苦戦しながら就活
俺も苦労して大手量販店で内定を一箇所決めたんだけど、皆で内定噛み締めていると「その会社はやめときな」と彼女が唐突に進言してきた
多少ブラック気質はあるものの、名前を知らない人はいない会社だし、就職先決まらないよりはと思ってたんだ
俺自身迷いもあったし、一晩考えて結局彼女の判断を信じ、辞退することにした
大手だけあって同じ科からそこに内定でてる人も多く、彼女をバカにしてた人たちも結構内定をもらっていた
だから内定辞退した俺と、それを進言した彼女を拍車をかけてバカにしたし、就活続けて苦しむ俺をあざ笑った
その後、俺はなんとか中小の別の会社に内定を貰った
それから5年たつが、俺の仕事は順調、会社も順調、彼女と結婚も果たした
一方、俺が内定辞退した会社に行った人たちは次々退職、むしろ俺の学校からその会社に行った人たちは知ってる限り全員辞めていった
「なんであの時、お前と一緒に俺たちにも辞めとけと強くすすめなかったんだ!」とキレられたが、彼女に「さぞ誇らしげに会社名言ってたじゃないか、数年夢見られて幸せだっただろう?」と鼻で笑われていた
素敵!!
彼女さんもカッコイイけど182さんもいい人だね
長く使う物にはお金かけるってすごくわかるよ
特にバッグなんて良い物を買えば一生どころか子供や孫にまでプレゼントできるし
金銭感覚が変わってるっていうか、正しい金銭感覚を持ってる人って感じだね
スーッとした。こういう話好き。
素敵な彼女ですね。
カッコいい!以外の言葉が見つからんwwwww
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