智元ロボット製造工場は、上海自由貿易区臨港新片区に位置する。同工場は生産開始からわずか数カ月で、2024年に1000台の人型ロボットを製造した。25年には数千台の年間生産量を実現する。
業界内では、25年は人型ロボット量産化元年とされている。同産業は驚異的なペースで臨界点を突破しようとしている。上海にはハイエンド製造業の基礎、長江デルタの整ったサプライチェーン及び関連産業、それから豊富な大学資源と人材備蓄がある。これは産業加速の基礎をなす。
智元ロボット製造部の張紹政総経理は、「川上のサプライチェーンの成熟により、これほど短期間内に1台の人型ロボットを作り出すことができた。人型ロボットの多くの基幹部品の川上精密加工部分が新エネ車と重なる。これらの精密な部品は人型ロボットの製造に応用しやすい」と述べた。
体を作り出すのは一歩目に過ぎない。智元ロボット張江データ収集センターで構築されたレストラン、ミルクティー店、住宅などの日常生活シーンでは、100台の人型ロボットがデータ収集担当者と共に作業する。お茶を淹れ、ドリンクを作り、テーブルクロスを敷き、服にアイロンをかけ、シーツを畳む。これらの人型ロボットは人の日常的な動きを真似ることで、1日平均で1000件以上の操作データを収集する。
智元ロボットのエンボディメント事業部の職員によると、水を注ぐというシンプルな動きは通常、100件弱の高品質データを集めモデル訓練を行う必要がある。
智元ロボット研究院執行院長、エンボディメント事業部総裁の姚卯青氏によると、これらのロボットが実際のシーンに基づき集めた動作データはクラウド側にアップされ、各種任務モデルの訓練が行われる。最終的に一般化学習で形成される汎用モデル能力は将来、すべてのロボットに搭載可能だ。新世代の技術者はロボットの調整やソリューションなどの持ち場に移り、退屈な繰り返し作業から解放される。
中国電子学会は、中国の人型ロボットの市場規模は30年に約8700億元に達すると予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年2月20日
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