ペットを巡る環境は世相や流行などの影響を受けますが、新型コロナウイルスの影響はペットにも及んでいます。飼い主には、これまでにも増してペットに関わる感染症の予防対策など命を預かる責任が求められています。

 <ペットショップ店員>「お待たせしました。どうぞ。家族だよ」
 <客>「お迎えできてうれしいです。ようこそだね」
 静岡市駿河区のペットショップです。この日、一組の親子が新たな家族を迎えました。
 <客>「自粛中で家にいることが多くなり、ペットがいる生活もいいなと思って、お迎えすることに決めました」
 この店では、新型コロナの影響で家で多くの時間を過ごすことを理由に、犬や猫を買い求める人が増えたそうです。緊急事態宣言に合わせ店舗は一時休業していたにもかかわらず、4月と5月の2カ月で前の年より10匹ほど多い40匹以上の犬や猫の飼い主が決まりました。
 <PetShopプチマリア ズースクエア静岡店 後藤鮎美店長」「みんな幸せになってほしいので、新しい家族が決まっていくことはうれしい」
 犬を飼うにあたって忘れてはいけないのが、狂犬病の予防接種です。
 <杉山獣医科 杉山和寿院長>「(狂犬病は)発症すると動物も人もほぼ100%亡くなる。非常に致命率の高い恐ろしい病気」
 飼い主は毎年狂犬病の予防接種を犬に受させなければいけません。しかし、2019年度の県内の接種率は78.5%にとどまっています。
 <飼い主>「よその人を噛んで、もし狂犬病になっていたら怖いことなので打っておかないと」
 獣医師は、2020年、接種率が下がることを懸念しています。
 <杉山院長>「コロナ禍の中で密を避ける考えから人の出足が鈍いように思う」
 県内の市や町は毎年公民館などを回って地域の犬に予防接種をする「集合注射」を実施してきましたが、2020年は3密を避けるために中止を決める自治体が相次いでいます。動物病院での予防接種を増やしたいところですが、思うように伸びていません。
 <杉山院長>「予防注射というのは飼っている犬や家族を含めて、社会全体を狂犬病から守る意味がある。 自分の犬だけではなく みんなを守る意識で受けてほしい」
 新型コロナを経験し、感染症の脅威を知る今の社会だからこそ、家族であるペットとの向き合い方が問われています。

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