愛知県の北部中央に位置し、面積918.32㎢、人口は名古屋市に次ぐ県下2番目の424,963人(2016.7.1)を擁する中核市。江戸時代、挙母城2万石の城下町として栄え、明治時代以降は「養蚕のまち」、昭和に入ってからは「自動車産業のまち」へと転換し、製造品出荷額は、全国ナンバー1の13兆847億3,198万円(平成26年工業統計)を誇る。明治22年(1889年)の町村制で西加茂郡挙母村が成立し、1920年には町制を施行、1951年3月、人口3万2千人の挙母市が誕生したが、1959年1月、市名が豊田市に変更された。1998年4月には県下初の中核市に移行し、2005年4月、西加茂郡藤岡町、小原村、東加茂郡足助町、下山村、旭町、稲武町と合併し、現在の市域となり人口が40万人を突破した。
静岡県からのアクセスは、東海道新幹線で豊橋まで行き、豊橋から名鉄名古屋本線に乗り換え知立まで特急列車で約30分、さらに知立から名鉄三河線に乗り換え豊田市駅まで各駅停車で約25分。
中心市街地は、名鉄豊田市駅、愛知環状鉄道新豊田駅周辺から国道153号線付近までのエリア。
トヨタ自動車の創業者で、静岡県湖西市出身の豊田喜一郎は昭和の始め、現在の刈谷市、東海市、名古屋市緑区、名古屋港付近、豊田市など愛知県内のいくつかの候補地から工場用地をさがしていた。それと同時に、豊田市の前身である当時の挙母町の基幹産業であった蚕糸業は、1929年の世界恐慌により大きな打撃を受けていた。挙母町長の中村寿一は、豊田自動織機自動車部からの用地斡旋の申し入れという千載一遇の機会をものにした結果、見事1938年11月、トヨタ自動車工業挙母工場が竣工し、本格的な自動車生産が開始された。現在では世界トップシェアを誇る自動車メーカーに成長したトヨタ自動車は、創業当時から変わらず豊田市から本社を移さず、中心市街地を歩くとトヨタ関連の施設もあり、トヨタの謙虚さと、トヨタと豊田市がお互いウィンウィンの関係にあるのではないかと実感できる街だった。
【名古屋鉄道豊田市駅】
名鉄三河線と、名鉄豊田線から名古屋市営地下鉄鶴舞線への直通列車が乗り入れ、1日当たりの乗降人員は30,860人(2014年度)。駅は高架駅で、3階がホーム、2階が改札口とペデストリアンデッキにつながる自由通路、1階には名鉄観光やファストフード店などが入る駅ナカ商業施設の「TOYOTA Plaza」が入る。全国的に見てもペデストリアンデッキは橋上駅との相性が良いが、高架駅である当駅は、自由通路と東口ペデストリアンデッキが上手く接続されている。西口は、一直線にペデストリアンデッキが愛知環状鉄道新豊田駅までつながっている。
【愛知環状鉄道新豊田駅】
愛知環状鉄道線が乗り入れ、1日当たりの乗降人員は12,417人(2014年度)。駅は高架駅で、3階がホーム、2階が改札口とペデストリアンデッキにつながる出入り口で、駅の東側と西側のそれぞれにタクシー乗り場と一般乗降用のロータリーがある。路線は岡崎駅から高蔵寺駅間45.3kmを結ぶ。愛知環状鉄道は、旧国鉄岡多線が1988年に第三セクターへと転換して誕生した会社。
【Tフェイス】
延床面積43,466㎡のA館と、23,020㎡のB館の2棟からなる複合商業施設。A館は地上1階から9階まで、B館は地上1階から11階までが営業フロア。
【松坂屋豊田店】
店舗面積18,220㎡、TフェイスA館の地上1階から6階までに入る百貨店。2016年2月期の売上高は83億4,600万円。
【ヴィッツ豊田タウン】
店舗面積4,928㎡、地下1階から地上4階までを営業フロアとする商業施設。店舗はファッション関係を中心に、オフィスや豊田市民ギャラリーなども入っている。
【ギャザ】
地下1階、地上12階建て、延床面積63,300㎡、店舗、ホテル、オフィス、マンションが入る複合ビルで、1995年に再開発事業としてオープンした。地上1階から3階までの店舗部分に入るトヨタ自動車の生活協同組合の「メグリアセントレ」と「ギャザ専門店街」の合わせた店舗面積は5,120㎡で、地上6階から12階には「名鉄トヨタホテル」が入っている。
【とよた参合館】
地下2階、地上13階建て、延床面積45,460㎡、地上1階と2階に金融機関の店舗やオフィス、3階から7階が図書館、8階と9階には能楽堂、10階から13階には客席数1,000席を擁するコンサートホールが入る複合施設。
【コモ・スクエア】
地下2階、地上12階建てのウエストと、地下1階、地上19階建てのイーストの2棟からなる複合ビルで、延床面積は60,200㎡。ウエストは、カフェ、レストラン、スポーツクラブ、事務所のほか「ホテルトヨタキャッスル」が入り、イーストには、飲食店、クリニックのほか高層階は分譲マンションとなっている。
【豊田市駅前通り北地区第一種市街地再開発事業】
施行地区面積約1.6ha、商業・業務棟、高齢者施設棟、住宅棟の3棟からなる計画で、2017年度の完成を目指して現在建設工事が進められている。
【近代と産業のくらし発見館】
豊田市の近代産業をテーマとした展示施設で、養蚕、自動車産業、町の変遷などの展示のほか企画展も開催され、歴史好きの人にはお勧めの施設。発見館の建物は、大正10年(1921年)に建てられた「旧愛知県蚕業取締所第九支所」で、国の登録有形文化財に指定されている。
【桜城址公園】
桜城の築城は、江戸時代の1749年、挙母藩の初代藩主「内藤政苗(まさみつ)」によって着手されたが、度重なる矢作川の洪水により断念され、南西に1kmほど離れた場所に「七州城」が築城された。現在は、桜城趾公園の一角に、桜城の隅櫓の石垣の一部が残っている。
【豊田スタジアム】
客席数45,000席を擁するサッカーJ1の名古屋グランパスのホームスタジアムで、2001年にオープンした。
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