アメリカ 大企業で賃上げ相次ぐも“格差”鮮明に

いまアメリカでは、大手企業が賃金を上げて労働者を確保したら、中小企業に人がいなくなり困ったという悩ましい問題が起きています。とあるドーナツ店をのぞいてみると、甘くない現実が・・・

 アメリカ中西部・ミシガン州にあるお店。売られているのは、チョコレートなどの定番商品からカラフルなものまで40種類のドーナツです。


 「週に2~3回買いに来ています」
 「ドーナツが大好きだ。仕事中に食べるんだ」

 オーナーのハートウェルさん。自らドーナツ作りや接客を行う毎日です。

ドーナツ店オーナー ハートウェルさん
 「労働市場は厳しく競争が激しい。自分たちもあらゆる業務をしています」

 アメリカでは新型コロナの影響で人手不足が続いています。ハートウェルさんは18人の従業員を採用しようと、時給を10ドルから12ドル=およそ1300円に引き上げて募集しましたが、採用できたのは9人だけ。人手が足りず、3週間の休業に追い込まれました。

ドーナツ店オーナー ハートウェルさん
 「いまは人手不足なので、採用面談では時給の交渉になります。我々はマクドナルドや大手レストランチェーンには太刀打ちできません」

 問題となっているのは、大手との待遇差です。

記者
 「大企業は人手を確保しようと、相次いで賃金を引き上げています。そのため、個人経営や中小企業との“格差”が鮮明になっています」

 近隣のマクドナルドは時給15ドル=およそ1700円で従業員を募集していました。

アメリカ バイデン大統領
 「交通機関や倉庫で働く人の賃金は今年、約10%上がった。ホテルやレストランで働く人の賃金も13%上がった」

 スターバックスやアマゾンもそれぞれ時給を引き上げる予定です。これに加え、物価の上昇も追い打ちをかけています。この店では、材料費だけでなくドーナツを包む紙や箱なども値上がり。休業日を増やすことを検討しています。

ドーナツ店オーナー ハートウェルさん
 「中小企業の経営者は嵐の中にいます。我々には株主もいなければ資本もない」

 中央銀行にあたるFRBは物価の上昇を抑えるため、日本時間の16日、量的緩和策の縮小規模を拡大し、終了時期の前倒しを決める見通しです。業界団体は「人手不足と物価上昇が続けば、来年は多くの中小企業が休業に追い込まれる」と指摘していて、格差がさらに広がる可能性もあります。(15日17:48)

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