総理「岸田派の解散を検討」“派閥解消”どうなる?自民党内への影響は…政治記者解説【報道ステーション】(2024年1月18日)

岸田総理大臣が、今回の政治改革に、背水の陣で臨む覚悟を示しました。18日夜、記者団に対し、おひざ元の岸田派・宏池会の解散を検討していると明言しました。自民党は派閥解消へと舵を切ることになるのでしょうか。

岸田文雄総理大臣
「(岸田派の)解散についても検討しております。政治の信頼回復に資するものであるならば、そうしたことも考えなければならない。このように思っています。(Q.政策集団として『宏池会』は残す考えか)いや、宏池会を解散することを検討しております。宏池会というのは元々、政策集団です。(Q.他の派閥にも解散を求める考えか)とりあえず我々として、信頼回復のためにどうあるべきなのか。これを考えています。そして、それについて、解散についても検討している状況。(Q.派閥解散を検討している理由を)政治の信頼回復のために、どうあるべきか。そういったことで今、検討をしております」

突如打ち出された、岸田派“解散案”。18日は、その派閥関係者が立件される可能性が視野に入ったタイミングでした。

岸田文雄総理大臣
「収支報告の記載漏れ等について、総務省に対して修正の申し出を行うと。事務処理上の疎漏であると承知しておりますが、私自身、在任中から今日まで、それ以上のことは承知をしておりません」

関係者によると、岸田派の収入のうち、報告書に不記載だった疑いがあるのは、3年間で約3000万円。東京地検特捜部は、当時の会計責任者を立件する方針とみられます。

岸田文雄総理大臣
「中身については、事務的なミスの積み重ねであると、報告を受けております」

総理は、この額の不記載を「事務的なミスの積み重ね」だと主張。自らの関与は否定しました。

岸田派 閣僚経験者
「元会計責任者が立件されるのか?事実なら、かなり重大だ。総裁派閥だし、また一段と大変なことになる」

自民党若手議員
「安倍派はよくないけど、岸田派はいいってことにはならないよね」

特捜部はすでに、安倍派から、多額の不記載の疑いがある、池田佳隆衆議院議員を逮捕。不記載額の大きい、谷川弥一衆院議員、大野泰正参院議員の立件も検討しているとみられます。

さらに、二階派・二階俊博会長の事務所が、3000万円以上を派閥に納めず、記載していない疑いがあるとして、元会計責任者と秘書の立件も検討している模様です。

◆岸田総理の狙い 他派閥の反応は

政治部の澤井尚子記者に聞きます。

(Q.岸田総理が言う“派閥の解散”は具体的に何を意味していますか)

澤井尚子記者
「岸田総理としては、まさに“解散”。岸田派をなくすということだと思います。18日午後に、上川外務大臣など、岸田派の幹部を総理官邸へ呼んで、個別に根回しをしていました。総理周辺は『派閥を解散して、宏池会の看板を下ろすという重い決断をしたんだ』と話しています。政治団体としても解消して、事務所もたたみ、金集めをできなくするということです」

(Q.グループそのものがなくなるということですか)

澤井尚子記者
「純粋な政策を作るグループとしては残る可能性があります」

(Q.このタイミングでの表明の意味はなんですか)

澤井尚子記者
「岸田総理は『他人がやってからやっても意味がない』と話しているそうです。19日に安倍派が議員総会を控えるなか、二番煎じではなく、総裁派閥として最初に打ち出したかったということです。67年の歴史を持つ宏池会ですが、岸田総理は宏池会ができた年に生まれていて、ひときわ思いが強いということです。その岸田総理が宏池会の看板を下ろすということは、まさに背水の陣を敷いた形です。まずは、来週から始まる通常国会を乗り越えて、9月の総裁選に勝つという、2期目続投への並々ならぬ意欲があります。今回、岸田派の収支報告書の修正と、元会計責任者が立件される可能性は、去年末から想定されていたので、総理周辺には『18日の表明は計画的だったと思う』と話す人もいます」

(Q.安倍派の動きも含め、党内に与える影響をどうみますか)

澤井尚子記者
「岸田総理としては、他の派閥を説得するためにやってみせたということです。安倍派も元々、解散論が出ているので、19日の議論に影響が出る可能性もあります。一方で、ある麻生派のベテランからは『総裁としてのけじめなんだろうけど、派閥としての集まりすら否定するのは違うのではないか。麻生さんは間違いなく良くは思わないだろう』という声が出るなど、紆余曲折が予想されます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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