ことし3月、名古屋市瑞穂区で下校中の女子児童2人を車ではねて死傷させた罪に問われている男の判決が、22日言い渡されます。事故は「なぜ起きたのか」、これまでの裁判で、男の身勝手な行動が明らかになりました。
最愛の娘を亡くしてから8か月が経とうとしています。
「世間の時は流れても、私たちの心の時は止まったままです。いまだに娘がこの世にいない現実を受け止められずにいます」
22日の判決を前に心境を語ったのは、亡くなった女子児童の遺族です。
過失運転致死傷の罪で起訴された名古屋市千種区の無職、藤川幹人被告(52)。
ことし3月、瑞穂区で赤信号の交差点に車で進入し女子児童2人をはね、そのうち9歳の女の子を死亡させ10歳の女の子に大けがをさせた罪に問われています。
藤川被告が赤信号を無視した理由が「わき見運転」。裁判で検察側は、その理由について。
(藤川被告の説明内容)
「爪切りの中の爪をゴミ箱に捨てようとした」
スポーツクラブで子どもたちに水泳を教えていた藤川被告は、運転中に「爪切り」を手にした理由を問われると。
「仕事上、車の中で爪を切る習慣があった」
事故当日、交際相手との待ち合わせに遅れそうだった藤川被告は、車で先を急ぎながら爪を切っていました。
検察側は切った後の爪を捨てようとした、少なくとも「8.8秒間」わき見運転していたと指摘。
また藤川被告が過去に運転中の携帯電話の使用など、7回の交通違反を起こしていたことも明らかにしました。違反を繰り返したうえ最愛の娘の命を奪う事故を起こした藤川被告に遺族は厳しい言葉をぶつけました。
(被害者の父)
「娘の命を奪い、私たちの人生を滅茶苦茶にした。私はあなたを一生許しません」
検察側は藤川被告に禁錮4年6か月を求刑。一方の弁護側は執行猶予付きの判決を求めています。判決は、22日言い渡されます。
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