今、旬を迎えているサンマ。去年と同じく不漁が予想されていましたが、好調の兆しが見えてきたかもしれません。豊洲市場への入荷量は倍増しています。
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秋を代表する味覚の1つ「サンマ」。近年は不漁が続き価格が高騰し、すっかりごぶさたという人も少なくないはずです。
水産庁などは、今シーズンの漁が始まる前(今年7月時点)で、過去最低の水揚げ量となった去年と同じ低い水準にとどまると予測していました。ところが当初の不漁の予測から一転、この秋は新サンマがとれているといいます。
目黒のさんま 菜の花 小野寺雅店長
「鮮度もなかなかいいですよ。ピカピカでおいしそうな感じです。今年はけっこう期待できる感じです」
東京・目黒の和食店でも、宮城県気仙沼産の鮮度がよいものが安定的に入荷しているというのです。
その目黒の秋の風物詩が、8日・日曜日に開催予定の「目黒のさんま祭」です。区民を対象に抽選で無料配布する気仙沼産のサンマを1500匹用意しましたが、その倍率は10倍近くに上がっていました。列に並んでもサンマは手に入らないはずでしたが…
目黒区役所 文化・交流課長 千田美都夫さん
「気仙沼の方とお話をした中では、昨年と比べて2倍くらいとれている。当日サンマをお配りできる量を2000匹に増やせるかもしれない」
気仙沼では、去年と比べ水揚げが2倍ペースに上がっており、当日無料配布できるサンマを増やす可能性があるというのです。
東京豊洲市場の仲卸によると、猛暑の影響で若干サイズが小さい傾向ではあるものの、北海道の花咲など主要な漁港で去年よりサンマがとれていて、豊洲市場への入荷量が倍増しているというのです。
東卸組合副理事長 豊洲市場の仲卸「亀谷」・亀谷直秀社長
「ここ2~3週間けっこう入荷が増えて、豊洲市場の入荷は去年の2倍ほどになっている。豊漁というのを本当に期待していますね」
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その恩恵は早速、食卓にも及んでいます。都内のスーパーでは…
客
「立派、立派です。すごく立派です」
――何匹いれました?
客
「3匹、3匹」
――秋といえば?
客
「さんまね、秋ね。今年4、5回食べてる」
刺し身でも食べられるほど鮮度抜群。都内にあるスーパーでは、北海道産の新サンマが去年よりは少し手が届きやすいお値段になっていました。
いさみ屋 小竹向原店・鮮魚部主任 小泉充儀さん
「去年は(税抜き)300円超えていたくらいだったんですけど、今年は280円(税抜き)で売っているんですけど」
それにしてもなぜ、急にサンマがとれるようになったのでしょうか。
漁業情報サービスセンターによると、考えられる理由はサンマの漁場が去年より日本に近づいていることです。その理由はわかっていませんが、漁業関係者によると、今年は台風が少なかったため、漁に出られる回数も増えているといいます。
一方で専門家は、かつての豊漁の時期と比べると、不漁であることにかわりはないと指摘しています。
水産研究・教育機構 冨士泰期さん
「去年が歴史的に最低水準で、(今年は)それに比べればマシという状況です」
とはいえ、サンマ漁は12月ごろまで続きます。
水産研究・教育機構 冨士泰期さん
「(サンマ漁は)これからがピークなのでまだここで終わることはないと思います。これから漁獲量は伸びていく。やっぱりとれてほしいなって気持ちはあると思う」
今後もサンマがとれ続ける可能性は十分にあり、食卓にのぼる回数が増える期待も持てるということです。
(2023年10月3日放送「news every.」より)
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