8月も残りわずかです。秋になると稲の収穫が始まりますが、愛知県内では、お米の出来映えに影響を及ぼす恐れのある「カメムシ」が今、大量発生しているんです。
愛知県豊川市にある田んぼ。稲は1か月後の収穫を控え、太陽の光を浴びて青々と育っています。
しかし…、稲穂にカメムシがついています。
正確には「斑点米カメムシ類」と呼ばれ、米粒の中の栄養を吸い取り、米を黒く変色させてしまいます。米の等級が落ちる原因になるなど、米農家にとっては、ちょっと厄介な存在です。
(米農家 牛田政善さん)
「(見つけると)ちょっとドキっとしますね」
ところが、このカメムシが、ことし愛知県内で大量発生しているんです。実際、この田んぼでも、あっという間に数十匹のカメムシが見つかりました。
(米農家 牛田政善さん)
「(カメムシは)ことしはいると思います。本当に10年に1度くらい」
愛知県は、おととしから3年連続で「カメムシ注意報」を発表しています。県の農業総合試験場によれば、特にことしは田んぼにいるカメムシの数が過去10年で最も多い状況に。しかし、これは周期的なものとも言えず、大量発生の理由は解明できていないといいます。
(米農家 牛田政善さん)
「お米は年に1度しか刈り取りができない。失敗すると1年が無駄ということになりかねない」
カメムシによる被害を何とか食い止めようと、この日に実証実験として飛ばされたのはドローン。カメムシを駆除する薬剤を上空から散布し、わずか5分で作業を終えました。
(米農家 牛田政善さん)
「ちょっと安心です。こうしてドローンで助けていただいて、本当に助かります」
垂れ下がる稲穂は、収穫が近づいている証。それを狙うカメムシとの戦いは、まさに今、正念場なのです。
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