外国人観光客の“爆買い”が復活しています。大勢の外国人が集まっていたのは「質流れセール」。わずか5時間で2200万円を使う人も現れました。
■海外からも…台湾バイヤー「予算6000万円」
今月上旬、東京・大田区のイベント会場。台風の悪天候にもかかわらず、朝から500人以上が列を作っていました。
彼らのお目当ては、ずらりと並んだブランド品の数々です。
16万円以上するのルイ・ヴィトンのバッグが、半額以下のおよそ7万円。エルメスのバッグも、88万円がおよそ44万円に。
来場者:「すごく安い」「デパートの3分の1(の価格)だと思う」
これらのブランド品は、いわゆる「質流れ品」。つまり中古です。
質店の組合が主催するこのイベントは今回で85回目を迎え、バックや時計、アクセサリーなど合わせて10万点以上をまとめて販売します。
最近では、日本人より海外から来る客の方が多いといいます。
香港から:「香港です。ブランドバッグを買いに来ました」
アメリカから:「母が来たいと言っていたので、一緒に来ました」
シンガポールから:「シンガポールから旅行で来ました」
そして、海外から来る客の中でもダントツに多いのが、台湾からの来場者です。
この男性も台湾から来たといいますが、驚くべきはその買い物の点数です。次から次に手に取っては、連れの男性に渡していきます。
E.V國際精品 陳麒安さん:「(Q.どういう目的で買っている?)私たちは、台湾でブランド品のバイヤーをしているんです」
陳さんは仲間と共に、台湾からやって来たバイヤー。今回準備した予算はというと、なんと6000万円です。
陳さん:「6000万円準備しました」
その資金力を武器に、とにかく買いあさります。
陳さん:「あれだ!あれを持ってきて!早く行って!」
慌ただしく指示を出していたのは、ルイ・ヴィトンのコーナー。陳さんによると、台湾ではルイ・ヴィトンが大人気で、仕入れれば必ず完売するといいます。
そのため、少しでも良いものを他の客より先に手に入れようと必死なのです。
陳さん:「10万円以下の物だったら、全部買っていいぞ!」
まさに、爆買いです。
陳さんたちは、商品をいったん会場の隅に集め、ここで、さらに状態の良し悪しを見極める作戦をとっていました。
■開場20分でほぼ完売「何も残っていない!」
一方、会場の外にはオープンしてからも長い行列ができていました。
台湾から旅行でやって来た黄さんと呂さんのカップルは、10時のオープンを目指して来ましたが…。
黄さん:「朝7時には着いています。5時すぎには(ホテルを)出ました。でも、来た時には、私たちの前に400人以上並んでいました」
黄さんのお目当ては、ルイ・ヴィトンのバック。その予算は…。
黄さん:「友達の分も含めたら、120万円くらいです。買ったバッグは、このスーツケースに入れます。入りきらなかったら、手で持って帰るつもりです」
オープンしてからおよそ20分後。2人はようやく入場できたのですが、ここでまさかの出来事が起こります。なんと、黄さんお目当てのルイ・ヴィトンはほぼ完売していました。
黄さん:「もう、何も残っていない!」
会場全体を探し続けますが、気に入ったものが見つからず、黄さんの顔が曇っていきます。
呂さん:「これは?デザインとかいいし…。もう1つ、赤色のバッグがあるよ。デザインは同じで、赤色のやつ」
呂さんが他のバッグをすすめますが、黄さんは首を縦に振りません。ついには…。
呂さん:「もう帰るの?」
黄さん:「うん」
呂さん:「これはどう?この色は似合うと思うよ?」
2人は1時間ほど探し回りましたが、結局、何も買えずに買い物終了となりました。
黄さん:「少なくとも1、2個は買って帰れると思っていました。友達の分は買えなかったとしても、自分の物は買って帰りたかったです」
■品質に加え…円安で“お得感”も
それにしても、なぜ台湾から日本にブランド品を買いに来るのでしょうか?
台湾から:「日本の中古品市場は、レベルが高いと思います。台湾とは違います」「金額が、台湾の半額か3分の1くらいです。日本は本物か偽物かのチェックが厳しいので、安心して買える」「東京にあるような中古品バッグ販売店はありますが、こういう大規模な展示会はないのです」
品質に加え、最近は円安でお得に買えるといいます。
■3日間で…「5億4000万円」売り上げ
正午近くなると、会場は多くの客でごった返します。レジには、長い行列ができています。なんと、売り場を一周していました。
6000万円の予算で台湾から買い付けに来たバイヤーの陳さんたちも、ますます熱が入ります。アクセサリー売り場では…。
バイヤー仲間:「まだ、500万円あるよ」
陳さん:「とりあえず、持っていって。500万円で足りるのであれば、支払いをしておいて」
バイヤー仲間:「分かった」
ティファニーやカルティエなど、およそ500万円分の貴金属をキャッシュで購入。さらに時計のコーナーでも、次々と選んでいきます。
バイヤー仲間:「すごく安いです。いっぱい買ったから、もっと高いかと思った」
171万円分をクレジットカードで購入。陳さんたちは、およそ5時間買い物を続け、その成果は次のようになりました。
陳さん:「バッグが17箱分と、あとは時計に指輪やネックレスを買いました」
果たして、その金額は合わせて…。
陳さん:「だいたい2200万円くらいです。きょうは人が多くて、欲しい物をあまり買えなかったです。また、次の機会に頑張ります」
3日間行われたブランド品の質流れセール。売り上げの合計は5億4000万円に上り、その多くが外国人によるものでした。
城南質屋協同組合 福島豊秋理事長:「商売ですから、売り上げがたくさんあったほうが良いわけで。外国の方にもたくさん来てもらい、お買い上げいただければと思います。年2回から3回は、このまま続けていきたい」
(「グッド!モーニング」2023年6月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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