札幌・すすきのにあるホテルで頭部のない男性の遺体が見つかった事件。警察が24日、29歳の女と父親で59歳の精神科医の男を死体損壊や死体遺棄などの疑いで逮捕した。こうしたなか、近所に住む人は容疑者親子の異変を目撃していた。
■修容疑者は精神科医で温厚 地元で有名
札幌中央警察署で車の後部座席に乗せられた田村瑠奈容疑者は、フードのようなものを頭からかぶり、顔を隠していた。
北海道札幌市の歓楽街・すすきので頭部が切断された遺体が見つかった事件で、瑠奈容疑者とその父親・修容疑者が24日、逮捕された。2人は死体損壊や死体遺棄などの疑いが持たれている。
警察による家宅捜索で、自宅からは段ボールだけではなく、スーツケースのような物を運び出す様子も見られた。
札幌市厚別区で、父・母・娘の3人で暮らしていたという容疑者親子。父親の修容疑者は札幌市内の勤医協中央病院で精神科の科長を務めていた。
修容疑者の専門は体の病気で入院した患者の不安を和らげるための精神的な治療で、患者だけでなく、病院内のスタッフの心のケアも行っていたという。
また札幌市内の精神科医の中では有名で、人当たりもよく温厚な性格だったという。
修容疑者の勤務する病院は「私どもも全く事情がわからない状況で、本日の報道されている内容以外に情報がなく、ただ驚いているところです」とコメントした。
■近所の人「瑠奈容疑者は不登校に」
修容疑者の印象について、近所の人は「ご主人(修容疑者)も温厚な感じで、いつもごあいさつ、会釈していたので」と話した。
また、別の近隣住民は「優しそうでちゃんとしてる人っぽくて、目と目がもしも合ってね。無視するとかなくて、声が聞こえなくてもちゃんとあいさつしてくれるし」「(Q.会釈をする)いい感じの普通の人。職業も聞いたことないけど、奥さん働いてないし穏やかだから『裕福そうだな』って、勝手に。海外旅行も行ったって言ってるし」と答えた。
瑠奈容疑者については、小学校の時からほとんど見かけたことはなかったという。
近隣住民:「娘さんは2年くらい見てない。だから一緒に住んでないんじゃないかなと、小学校きて学校変わったから大丈夫かなと思ったけど、やっぱり不登校で、中学校も行けなくて、高校もたぶん制服くらいは買ったかもしれないけど、なんか漫画が好きだって聞いたから専門学校行ったのかって私は思っていたけど」
小学校の同級生は当時の瑠奈容疑者について、「(小学)5年生の時に引っ越してきたと思います。一度(瑠奈容疑者の)家で遊びに行かせてもらったこともあり、その時はテレビゲームで遊びました。音ゲーが上手で、一緒に楽しんでいました」と話した。
しかし、しばらくすると、瑠奈容疑者は不登校になってしまったという。同級生は「しばらくして、不登校になったのを覚えています。潔癖症っぽいところがあり、変わった子でした。それが理由かは分かりませんが、同級生ともなじめなかったのかもしれません」と話した。
■近隣住民 修容疑者の不可解な行動を目撃
容疑者親子に一体何があったのか。近隣住民は家族の異変を感じていた。
近隣住民:「(Q.最近、家族の様子はおかしかったか)家の中は見えないから分からないが、様子はおかしかった」「(Q.どのように?)旦那さん(修容疑者)が帰ってきても、すぐにどこか出掛ける。10分くらいしか(家にいない)車と一緒に帰ってきて出掛けて、家の中に入らない」「(Q.修容疑者が家に戻らず出ていく?)そう。そして帰ってくるから、『あ!きょうも帰ってきた』と人の家の旦那さんなのに、『あぁよかった。帰ってきて』とそんな毎日。どうして帰ってくるのかなと、お風呂に入るのか、トイレに行くためか。夜中もいない。どこで働いているのか」「(Q.クーラーボックスが増えてきた?)そう、増えてきた。お湯を沸かすキャンプ道具みたいなものが外にある。家の中では(修容疑者が)入れてもらえなくて、外でコーヒーを飲むのにお湯を沸かしたりだとか」
近所の住民は、21日にも修容疑者の不可解な行動を目撃した。
近隣住民:「だいたい車の中に入ってて、家の中じゃなくて、車の中から降りない」「(Q.何時ごろだった?)午後6時50分くらいから、その時は長かったけど午後10時くらいまでテレビ見ている時もあるし、ここ(頭)にライトをつけてる時もある」「(Q.頭にライトをつけている?)本を見ているのか、何だか知らないけど。ソーラー電池みたいなのを車の上に4つくらい置いて」
■被害者の男性 ディスコイベントに1人で参加
被害男性の足取りをたどると、新たな事実が明らかになった。
殺害されたのは、北海道恵庭市に住む62歳の男性会社員で、ホテルの一室で発見されたのは頭部のない遺体で身を守る際にできる傷はなかった。刃物のようなもので首を切断されたとみられる。
事件発覚の前日、被害者の男性はディスコイベントに1人で参加していたという。
ディスコイベントの参加者:「40代から60代くらいまでのディスコイベント。70年代から90年代を中心としたディスコの曲、ユーロビートが好きな方、踊るのが好きな方が集まってくる。札幌だけに限らず、道外の方もいる」
イベントは、午後4時から午後10時まで行われた。終了後、近くのビルに設置された防犯カメラには男性が歩く姿が映っていた。
そして午後10時35分ごろ、白い服装に黒いスーツケースを引いていた人物が瑠奈容疑者だとみられている。一緒にホテルに入ったのは午後11時ごろだった。
午前2時ごろ、フロントに電話があり、女性とみられる声で「一人で先に出る」と伝え、ホテルを出ていったという。
■部屋に入った直後に1人で犯行か
瑠奈容疑者とみられる人物は、つばのある帽子に上下黒色の服を着ていた。リュックを背負っていたのか、着ぶくれしているように見えたそうだ。ホテルに入った時とは違う姿を防犯カメラは捉えていた。
その後、瑠奈容疑者とみられる人物は一度南に向かっていったが、すぐに引き返し、西の方へ歩いていったとみられている。
こつ然と足取りが途絶えた瑠奈容疑者。しかし、ある可能性が浮上しているといいます。
警察によると、父親の修容疑者は瑠奈容疑者を現場付近まで車で送り、事件後、迎えに行った可能性があるという。瑠奈容疑者とみられる人物がホテルを出て13時間後の午後3時、従業員が男性の遺体を発見した。
2人が入った部屋はベッドルームや洗面台を使った跡がなく、ベッドメイキングした状態とほぼ変わらなかったそうだ。
さらに、男性の身分証や携帯電話なども部屋にはなく、頭部と共に持ち去ったとみられている。男性と一緒だったのは瑠奈容疑者だけとみられ、部屋に入った直後に1人で犯行に及んだのだろうか。
■逮捕の親子 被害者との接点は
瑠奈容疑者と被害者は知人とみられているが、修容疑者と被害者が知人だったかどうかは分かっていない。
被害者を知る元同僚は「口数は少なかった。普通の人間。上の者に口答えしない」と話し、トラブルを抱えている様子はなかったという。
「被害者が常連だった」という稚内市にある宿の関係者は、次のように話した。
被害者を知る人:「1杯ビール飲みながら、普通におしゃべりして、すごく良い人だし、真面目に働く」
趣味のバイクで訪れては、他の宿泊者と会話を楽しんでいたという。
被害者を知る人:「知っている人はみんなショックですよ。びっくりです」
事件の直後、この宿には警察が訪問し、容疑者とみられる人物が宿泊したかどうか尋ねられたという。
被害者を知る人:「事件のあった次の日あたりだったかな、犯人だろうっていう人が広いつばの帽子かぶって、金髪で。『うちにはそういう人泊まってませんね』という話しただけ」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年7月25日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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