「全く手に入らない」PCRや抗原検査のキットが品薄に 無料検査の薬局「今の在庫が無くなったら終了」 (22/01/26 18:25)

急激な感染増加で、感染の確認に使われる検査キットが各地で品薄状態になり、医療機関からも悲鳴が上がっています。

「他の国の状況をみるに、大体3~4週間くらいですごく患者さんが増えて、そして減っていくという国が多い。そうするとお正月くらいから増えだした日本の増加は、おそらく今週くらいがピークではないか」(公立陶生病院 感染症内科 武藤義和医師)

 感染が広がる新型コロナウイルス。そんな中、各地であるものが不足しているといいます。

「圧倒的に検査キットが足りないと思います」(大島薬局 薬剤師 坪井孝仁さん)

 駐車場を何度も行き来する白衣の男性は薬剤師。時には駆け足で駐車場の車の中で待機している検査希望者のもとに急ぎます。

 名古屋市中川区の「大島薬局」では、無料で新型コロナの抗原検査を受けることができるのですが、感染拡大とともに希望者が急増しています。

 なんとか対応するため、2週間前には店内で行っていた検査を、先週ドライブスルー方式に変更。さらに徒歩や自転車で来る近所の人のためにも急遽、車庫を検査場にしました。

希望者急増で検査キット確保できず「2月以降の検査見通し立たず」 

「2週間前も大変だったけど今は比べ物にならないほど忙しいです」(大島薬局 坪井孝仁さん)

 学級閉鎖などによるクラス単位、あるいは家族単位での検査希望者が増えてきたことが背景にあります。この日検査を受けに来た人は…

「子どもが保育園で濃厚接触者と認定を受けたので、自分も検査を受けておかないと周りに迷惑をかけてはいけないと思い受けに来た」(検査を受けて陰性だった人)
「友達が感染しちゃったので怖くなって受けようかなと」(検査を受けて陰性だった人)

 こちらの薬局では今週からPCR検査にも対応する予定でしたが、十分な量のキットが確保できず延期に。抗原検査のキットに関しては…

「1月内の予約分に関しては確実に確保しているが、それ以降が入荷が遅れてきているので、2月以降は今までと同じように検査できるのかは、見通しが立っていない状態です」(大島薬局 薬剤師 坪井孝仁さん)

岐阜県でも半月で検査10倍に「抗原検査キットは全く手に入らない」

 検査キットが不足しているのは、名古屋市だけではありません。

 岐阜県多治見市の「Vドラッグ前畑薬局」では、去年12月から無料のPCR検査と抗原検査を行っています。

「年も取っているし家族も会社の社員もいるので、自分の身の安全を確認しようと思って検査を受けました」(検査を受けて陰性だった人)

 こちらの薬局では、1月に入ってから検査を希望する人が急増しているといいます。

「1日平均40~50人ほどの検査希望者がいます。年明けから急に増えていて毎週毎週増えています。抗原検査キットは全く入らない状況で、今ある在庫で無くなったら終了です。PCR検査キットは発注できますが(到着に)2~3日かかります。抗原検査キットが無くなったらPCR検査だけで続けます」(Vドラッグ前畑薬局 薬剤師 彦坂佳孝さん)

 開始から約30分で抗原検査のキットが無くなりました。

 岐阜県によりますと、無料検査の実施件数は、年末年始から約半月で、10倍以上増加しているということです。

国は「行政検査での使用を優先」とするが…

 国は、重症化リスクの高い患者を優先的に医療に結び付けるため、基礎疾患がないなど重症化リスクの低い患者に対しては、受診前に検査キットで症状を把握するよう呼びかけています。

 一方で、検査キットの不足を受けて、当面は感染者や濃厚接触者など、行政検査での使用を優先すべきとする考えを示しました。

「検査キットが一部地域で一定期間、少し手に入りにくいことが起きるかもしれない。有症状者に対する行政検査は、優先される形だと思っている」(後藤茂之 厚労大臣 24日)

 しかし名古屋市では、この行政検査ですら利用を縮小する事態に…

「PCR検査の試薬・抗原検査キットが不足して『検査に行ってもできない』『検査待ちが長引く』というような状況が発生している。このような状況を踏まえて、企業等の事業所や学校など、集団に対する濃厚接触者への検査については、当面実施しない」(名古屋市 健康福祉局 山田隆行 新型コロナ対策監 24日)

(1月26日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

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