現地当局「身元を特定した」指示役「ルフィ」フィリピン収容所に 日本人4人に逮捕状(2023年1月27日)

強盗を始めとする凶悪事件のネットワーク。フィリピンに捜査が及び、犯行解明への動きが加速しています。

一連の事件の指示役とされる「ルフィ」を名乗る人物が、フィリピンの収容所にいる日本人の1人であることを現地当局が認めました。

フィリピン、レムリヤ法相:「『ルフィ』?移民局に身元を確認し、特定しました。最終的な特定は、日本政府を本人に会わせてするしかない。(Q.何人を収容?)現在2人収容しています。(Q.容疑者は2人?)いえ、収容されている人物が2人いて、そのうちの1人が“皆さんが知りたがっている人物”。(Q.調べは始まっている?)もちろん。数日前に。(Q.2人のうち1人が『ルフィ』?)そうです」

マニラ近郊のビクタン収容所には、不法滞在者や母国への送還を待つ外国人が収容されています。

収容所の中では職員への賄賂が横行していて、金さえあれば自由な暮らしが手に入るといいます。

この施設に収容されている日本人4人について、別の特殊詐欺事件で逮捕状が出ていたことが、捜査関係者への取材が分かりました。

逮捕状が出ているのは、渡邉優樹容疑者(38)、今村磨人容疑者ら4人です。

フィリピン当局によりますと、渡邉容疑者がリーダーで、今村容疑者はただのメンバーだということです。

この中に、一連の強盗事件の指示役「ルフィ」が含まれている可能性があります。

捜査関係者:「『ルフィ』が誰かは事件の本質じゃない。『ルフィ』のアカウントをみんなでシェアしてる可能性もある」

施設に入っていたことがあるルポライター、金潤永(キム・ユニョン)さんは、収容者たちが携帯電話で特殊詐欺を働く様子を目撃していました。

金潤永さん:「中から写真も映像も送れるし、指示することもできます。通信が自由なので、どんな犯罪だって可能です」

あえて収容所にとどまることを選ぶ人もいます。

金潤永さん:「現地でフィリピン人に頼んで、告訴してもらいます。お金を渡して頼むのです。日本への強制送還を拒むためです。中には7年間も入ったままの日本人もいました」

事件を受けて、現地当局は、収容所内での携帯電話の使用を禁止しました。

今は日本側の要請を待っている情況だといいます。

フィリピン、レムリヤ法相:「(Q.日本の政府・警察から要請は?)日本側からの要請を待つのが手順だ。犯罪の容疑がある多くの外国人を、移民局は収容している。収容者は国内外で犯罪の容疑がある。各国政府から要請を受けて行動する」

警察庁は27日、事件に関係する14都府県警の幹部を集めて、異例の捜査会議を開きました。

警察庁、渡辺国佳刑事局長:「一連の強盗等事件は、国民の体感治安に直接的に大きく影響を及ぼす。警察捜査の真価が問われていると言っても過言ではない」

「ルフィ」とその一味は、14の都府県での強盗や窃盗に関連していると、警察はみています。

そのうちの1つは、今月10日に栃木県足利市で起きました。

被害者の男性は襲撃された時、指示役と電話で会話をしたといいます。

強盗事件の被害者:「指示役が『金どこにあるんだ?』と。『もうない』って言うと『探して出てきたらどうすんだ?』『分かってんのか?』みたいな。(Q.返事がちょっと遅いと指示して殴られて?)そんな感じでしたね。(Q.指示役が偉くて、現場にいるのは手足?)そんな感じに思いましたけどね」

自宅にあった現金300万円が強奪されました。

しかし、なぜ犯行グループは、この家に多額の現金があると知っていたのでしょうか。

裏社会で出回り、資産家などの個人情報が書かれたターゲットリストを見てみると…。

名簿業界の内情に詳しい人物:「(被害者は)この方ですよね。(Q.お金を持っていると思われる人のリスト?)そうです。そうです」

名簿業界の内情に詳しい人物が見せてくれたリストには、足利市で被害に遭った人の情報がありました。

ただ、この被害者の場合、書いてあるのは名前と住所、電話番号だけ。資産や回収可能額の所には、何も書かれていません。

名簿業界の内情に詳しい人物:「現場に行って、家の周りを見る。家に置いてある車を見るなどして(犯行グループはリストを)想定した形で作っていくのが多い」

ベースになる名簿をもとに、そこから下見などを行い、リストの精度を上げていくといいます。

名簿に名前がある、足利市の住宅を回ると、ここ数カ月、不審な電話が相次いでいることが分かりました。

名簿に名前があった人:「(Q.ここ数カ月間で不審な電話、知らない人は?)電話でしたら、セールスとかが多いです。電話のセールスとか、電気の料金とか。(Q.資産を探られているような電話は?)金の買い取りとかですかね。(Q.時計とかは?)そうですね。高額なものとか。(Q.聞き方は?)普通に『買い取りするものはありますか?』と」

自宅周りで見かけない人や車、そして、何かを探るような電話には注意が必要です。

名簿業界の内情に詳しい人物:「気軽に、ご自分の中の資産状況とか、投資できる金額とか、そういうものに興味がありますとか、私の所にお金がありますよと、何らかの形で意思表示してしまうケースは、リストに載ってしまいます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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