【独自】「SNS特定屋」に注意…“タピオカ”から個人情報追跡 “写真なし”でも入手 【もっと知りたい!】(2022年8月4日)

 夏休みで出掛けることも多い、この季節。SNSへの投稿などを手掛かりに、名前や住所などの個人情報を突き止める「SNS特定屋」に注意が必要です。

■知らない男性に“個人情報”が…

 20代女性:「ニュースとか、ツイッターの話題とかから知ったりとかするから。そういうので、今についていくっていうのがあるかなと」「一緒にご飯食べに行った時の写真とか。ツイッターは、その日のうちに投稿します」

 今や20代の利用率が、9割近くに達しているSNS。自分の趣味や身の回りで起きたことなどを自由に発信できる一方で、こんな被害もあります。

 特定されたことがある女性(26):「職場から帰ってきた時に駅で、『俺さ、いつもツイッター見ててさ。職場どこだよね。住んでる駅も、特定できてさ』って感じ。駅出て、急に声掛けられてって感じでした」

 3年前、仕事帰りの20代女性を最寄り駅で待っていたのは、見知らぬ中年男性。初対面にもかかわらず、名前や住んでいる場所まで言い当てられたといいます。

 特定されたことがある女性:「『ずっと前から気になってて、ゆくゆくは、そうやって付き合ったりとかできれば良いなと思うけど、まずは、お友達とかから』みたいな感じで。恐怖感がまず最初にきて、あとはちょっと落ち着いてきてから、どうやってバレたんだろうっていう気持ちでしたね」

■「特定されたことない」ほとんども…

 SNS上に、個人情報は何も書いていなかったという女性。こうしたSNSから個人情報を特定されるのは、よくあることなのでしょうか?街ゆく20代の女性に、聞いてみました。

 20代女性「(Q.特定されたとこはある?)特に、ないですね」「ないです」「さすがに、ないです」「顔をばれちゃいけないような人が、フォロワーにいないから大丈夫です」

 ほとんどの女性が「特定されたことはない」と回答。しかし、一方で、こんな意見もありました。

 特定したことのある男性:「(Q.SNSから女性の特定をしたとこは?)全然ありますよ」

 この男性は、街中で声を掛けた女性とラインを交換。相手のアカウントの名前から、個人情報を調べたといいます。

 特定したことのある男性:「相手の10年前の高校時代の情報とか写真とか、調べたことあります。こっちは情報知ってるんだよっていう、自分の中での優越感とか、そういうところ」

 また、たった1枚の写真から、他人の居場所を特定できたという男性もいました。

 特定したことがある男性:「コスプレーヤーオタクなんですけど、コスプレーヤーの推しがいて。居酒屋で飲んでる写真を上げてたので。そこから飲んでる店、地域を特定しました。ズームしていくとメニューとかが載っているので、調べると出てきます」

 何気なく調べてしまうと話す男性たち。中には、特定だけでは終わらず、行動に移すケースもありました。

 特定された男性のインスタグラム:「ずっと、連絡先渡したいなと思っていたのですが、メッセージ返して頂けると、うれしいです」

 特定されたことがある男性:「私は、全然接点がなかった方からなんですが。私が取引をしている担当者から、私の名刺を取得したらしくて、私の名前をフルネームでネットで検索して、インスタグラムにメッセージがきたということがありましたね。恐ろしさも感じましたね。すぐに、自分の名前は公開しないように、プロフィールを編集しました」

■「特定屋」も存在…“悪用”つながる恐れも

 さらに、ツイッターで「特定屋」と調べてみると、数えきれないほどのアカウントがあります。

 このアカウントは、1人5000円で特定します。iTunesカードでお願いしますと、うたっています。それだけ、個人情報の特定は、需要があるということなのでしょうか?

 多くは、一般の個人アカウントとみられ、連絡手段はツイッターのみ。誰もが簡単に依頼でき、ストーカーなどの悪用につながる恐れもあります。

■専門家が解析…個人情報“バレる投稿”は?

 では、SNS上のどのような投稿が、個人情報の特定につながる可能性があるのでしょうか?

 そこで、番組スタッフの一日をスマホで撮影。写真を情報セキュリティーに詳しい専門家に解析してもらうと、普段、何気なく撮る写真に、個人情報が映っていることが明らかになりました。

 SCSK・亀田勇歩さん:「この写真の中で、一番分かりやすい点としては、ここの電柱の地域が書かれている部分から読み取れる情報が、一番分かりやすい情報でした」

 まず、専門家が指摘したのは、スタッフがアジサイと一緒に写る写真。背景に小さく写っている住所も、解像度が良いスマホのカメラでは、解読できてしまったのです。さらに…。

 亀田さん:「ここにアンテナが立っています。このアンテナというのは、地方によってこの傾きが、どこを向くべきかが定められています。ここの道が南西から北東に向かって伸びているといったことが予想できます。さらに、この電線の影も、非常に重要なポイントでして、白い線の内側に影が入ってきてるということは、(太陽が)徐々に西側のほうに移動して、つまり東側のほうに影が入り込んできてるということが予想できますので」

 なんと、アンテナの位置と電線の影から太陽の位置を予測することで、大体の撮影時刻が分かるというのです。

 亀田さん:「正午から14時ごろの間だったのではないかというふうに、予想できます」

 番組スタッフ:「12時46分の写真です」

■“タピオカ”特定されやすい?表面反射…

 次に、専門家に見せたのは、この写真。若者に人気のタピオカを写しただけのものです…。

 亀田さん:「タピオカに映った建物ですけれども、大体3つの丸い形というのが、建物の形状ではないかと予想できるので。高層階のビルでこのような3つの形に分かれてることから、この六本木ヒルズ森タワーかなというふうに考えられます」

 番組スタッフ:「まさに、そこで撮影しました」

 専門家は、タピオカなどは表面が反射しやすいため、特定されやすいと指摘します。

 亀田さん:「タピオカは映った映像から場所を特定しやすい食べ物と言える。この写真から予想できるのは、川崎市付近に住んでいて、そこから都内に出て、六本木ヒルズの近くで活動している。もしくは、仕事をしている可能性というのが考えられます」

■SNSに“写真投稿”ほとんどナシでも…

 写真一つでも、多くの情報が特定されてしまうことが分かりましたが、ここで一つ疑問が残ります。

 番組が取材した、待ちぶせ被害に遭った女性は、SNSに写真の投稿をほとんどしていなかったのです。

 女性ツイート:「やっと晴れたー!きのうまでの天気がうそみたいな青空!!」

■写真なくても…“天気”投稿も手掛かりに

 では、なぜ男に個人情報を入手されてしまったのでしょうか?

 何気ないSNSへの写真の投稿などから、名前や住所などの個人情報が特定されてしまう問題。

 飲食店で働いていた女性は、SNSで写真の投稿をほとんどしていなかったにもかかわらず、見知らぬ男の待ち伏せ被害に遭いました。

 特定されたことがある女性:「職業柄、結構天気に左右される仕事だったので。何か、毎朝きょう晴れだラッキーとか、そういう感じで、つぶやいてたので。それが、どこからばれたんでしょうね」

 情報セキュリティーの専門家は、文字情報だけでも、身の回りの出来事を繰り返し投稿することで、居場所を特定される可能性があると指摘します。

 亀田さん:「例えばきょうは、雨が降っていた。きのうは地震で揺れたとか、1カ月前には停電が起きたとか。どんどん、たくさんの情報をつぶやいていくことによって、場所を狭めて特定することができます。局地的な出来事は、つぶやくべきではないと思います」

 ゲリラ雷雨や台風に遭遇するケースも多いこの時期。私たちは、どのようにSNSを使えば、個人情報を守れるのでしょうか?

 亀田さん:「やみくもに撮った写真をアップするのではなくて、例えば景色を映したいのであれば、人は映らない写真を選ぶとか。顔がばれたくないということであれば、顔にスタンプを付けたりして、顔が分からないようにするということも、一つの対策といえるでしょう。少し時間を空けて投稿するとか、時間をずらすことによって、いつどこにいたのかをカムフラージュすることができますので、一つひとつ判断頂いて、利用してほしいと思います」

(「グッド!モーニング」2022年8月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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