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今回はトラップのトラブル解消です。
トラップは快適で衛生的な生活に欠かせない、とても重要なものです。
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▼目次
00:00 トラップのトラブル
01:06 今回の趣旨説明
01:24 チャンネルの紹介
01:47 トラップの基礎知識
02:06 破封について
02:39 トラップの役割
03:13 トラップの種類と特徴
04:51 封水深
05:18 2重トラップ
06:09 トラップのトラブル
09:03 封水の原因5つ
10:32 おまけ「分解清掃」
12:07 まとめ
▼概要
トラップは英語で「罠」という意味のTRAPが由来です。そこで匂いなどを止める罠、そんなイメージです。和訳すると水を使って空気を封じ込めるので「封水」と略されます。
またこのトラップ内の水が何らかの原因で少なくなり封水が破壊されると、逆流しうる状態になり無効トラップになります。これを「破封」と呼ばれます。この破封はトラップの特有のトラブルで原因がいくつかありますので後ほど説明します。
トイレの水たまり、これもトラップのひとつです。
もしこの水がなかったとしたらどうなるのでしょうか?
トラップの役割は、悪臭や有毒ガス、虫などの侵入(や逆流)を防止するためのものです。またパイプ内の水の流れる音を遮断する働きもトラップにはあります。
もしこのトラップがなかったら、匂いが家中に充満し、虫が飛び交っているかも知れません。
また、隣で流した排水音がパイプ内を響き渡り気になって寝られないということも実際あるのです。そのような生活はとても耐えられるものではありません。
つまり、私達が、衛生的で快適な生活を過ごせるのはこのトラップのおかげとも言えます。
【トラップの種類と特長】
トラップは大きく分けて3種類、管トラップとベルトラップ、そしてドラムトラップに分かれます。
ここでは簡単な特長を紹介していきます。
管トラップ
パイプを変形させたようなで形状で、衛星器具ではS形やP形など、配管系統ではU形など特長はです。
特長は、小型で場所をとりません。また、排水することでトラップ内を洗浄する「自洗作用」があります。そのためメンテナンスも少なくて済みます。
構造が単純でパイプを加工したり、継手を使用して自作も可能です。
ただ、他のトラップと比較するとトラップが無効となる破封が起きやすい面もあります。
ベルトラップは、ワントラップとも言われます。排水目皿や小便器などに使われています。蓋を開けることでトラップの中が確認できるので手入れがしやすいトラップです。こまめにメンテが必要な面もあるので、掃除がしやすくなっていると考えましょう。
ドラムトラップは、大量の水を貯水できるので、破封しにくいトラップです。ただし、ゴミなど沈殿しやすいため、定期的に清掃などのメンテナンスが必要となります。
これらは一長一短あるので、用途に合わせて設置することになります。
また、余談ですが排水管に特定のもの流さないようにする機能をもつ阻集器もトラップの一種です。
例えば、美容院では毛髪を止めるヘアキャッチャー、料理店では油を止めるグリーストラップ、歯医者さんでは石膏を止めるプラスタートラップなどがあります。
トラップを設置するとき、封水深と2重トラップに注意しましょう。
封水深は浅いと排水管の圧力変動などによる破封の原因になり、深いとながれにくくなり詰まりの原因になります。建築基準法に基づき、トラップの封水深は最小50㎜最大100㎜と規定されています。ただ市販されている製品はその基準をクリアしているので改造しなければ気にせず使えます。
2重トラップも建築基準法に基づく排水基準で規制されています
理由は、水を溜める構造なので流れが阻害され詰まりやすくなるからです。トラップ間の空気が逃げ場がないので、流れにくくなります。
もし、排水したとき「ボコボコ」という音がする場合は、一度2重トラップになっていないか確認しましょう。
実際によくある例が、器具のトラップと排水桝のトラップの組み合わせです。これは本当に多いです。
すでに設置してある場合は改造も大変なので、排水ますの蓋にエア抜きをつけるか、一つのトラップを無効にする。もしくは、器具の排水を間接排水にすると解消できるかもしれません。
【よく起こるトラプル】
トラブルは大きく分けて4つです。
トラブルの一つ目は、詰まりです。トラップは、流れを犠牲にして設けるものです。ですので、ないよりもある方が詰まるリスクがあります。
特に用途上、洗面台や小便器などが詰まりやすいとされます。
洗面台は、毛髪、ゴミや石鹸、しまいにはヘアピンなど落ちたものが排水とともに流出します。完全に流れでない毛髪やなどが絡み合い、徐々に溜まっていきます。挙句の果てには詰まってしまうのです。
なるべく排水の中にそういったものをいれないようにヘアキャッチャーなどをつけて未然に防ぐことが大切です。
また大便器の方が詰まるイメージがあるので意外かもしれませんが、小便器は大便器よりも詰まりやすいといわれます。
おしっこの中に含まれる尿石成分が原因です。尿路結石などをイメージする石にように固くなる物質が含まれています。きれいに洗浄できていれば心配はないのですが、洗浄不足や流し忘れ、服用している薬の影響で、本来洗い流れるはずの尿石が徐々にたまっていきます。
大便器のトラップは管トラップの構造で自洗作用により洗い流されます。小便器のトラップはベルトラップの一種で自洗作用が少ないです。そして大きな塊となって詰まりを引き起こしてしまうのです。
尿石は、パイプ洗浄剤では除去できません。塩酸などが含まれた尿石除去剤が必要となります。こまめに清掃していればサンポールなどの酸性洗剤でも大丈夫ですが、詰まるくらいの尿石の塊は、酸性洗剤ではパワー不足となることがあります。
対策としてはこまめに水を流すことと清掃です。流し忘れもあるので余裕があれば自動化も検討します。トラップ着脱式の場合は、トラップの除去も可能ですが、内蔵型だと完全に除去できないこともあるので、器具の交換が必要になることもあります。
トラブルの2つ目は、「破封」です。
破封とは、封水破壊により空気やガスなどが逆流しうる状態で、トラップとしての機能が「無効」となり室内衛生環境が悪化します。
原因は大きく分けて5つあります。
①自己サイホン作用によるもの
②誘導サイホン作用によるもの
③毛細現象によるもの
④蒸発
⑤水の運動量による慣性のため
これらは、原因の追及は必要ですが、とりあえず水をつぎ足すことで解消はできます。定期的に確認や掃除などの手入れも忘れずに行いましょう。
トラブル3つ目は、漏れです。
漏れは、古いトラップに起こりやすい現象です。腐食により小さな穴が空いたり破損したりします。また接続部のパッキン類は経年劣化により漏れることもあります。
腐食による漏れは、交換が必要です。
トラブル4つ目は、凍結です。
ほとんどの器具は室内で使用しますが、屋外に設置した場合トラップ内の水が凍結し、膨張破損する恐れがあります。
トラップ内の水を抜いておくか、凍結しないような対策をしておく必要があります。
それでは最後におまけですが、管トラップの分解清掃についてかんたんに解説していきます。
清掃が比較的容易なベルトラップと比べると管トラップは、分解して清掃しなければなりません。分解して清掃するには、道具が必要であったり、変えの部品も用意いておかないと万が一のとき使えなくなります。
またただの清掃と違って分解にはリスクがつきものです。そのため、できれば分解しない方がよいですが、どうしようもないときはしょうがありません。
では分解清掃のタイミングはどういうときでしょう?
一つは、すっぽんなどで、引っ張っても通管しないとき。あまり引っ張りすぎるとトラップが破損したり、接続部がゆるむのでほどほどにして分解してみます。
あとはパイプ洗浄剤を入れても改善しないとき。洗浄剤が奥までいかないと通管しないので、完全に詰まっていると洗浄剤は効果がありません。また、薬品で溶けない金属などがある場合も同様です。
またこのときは薬品が残っている可能性が高いので手袋を忘れずに。
分解するときは、ナットを緩めることができるレンチが必要です。モンキーレンチだとナットの大きさが入らないのでイギリスレンチであれば問題ないです。
また、金属製の薄い銅合金のトラップはデリケートです。古いと腐食により壊れることがあります。また、パッキン類は劣化しているので、パッキンの再利用は漏れる恐れがあります。新しいものを用意しておきましょう。
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