福岡市の商業施設でおととし、面識の無い女性を殺害した罪などに問われている当時１５歳の少年の裁判員裁判が６日始まりました。
「間違いありません」。
傍聴席からは見えないよう、衝立で仕切られた中から、１７歳になった少年は検察官が読み上げた起訴内容についてはっきりした口調で認めました。
おととし８月、福岡市中央区の大型商業施設で、買い物に来ていた当時２１歳の女性が、首など複数カ所を包丁で刺され殺害されました。
事件当日、周囲の人たちなどに取り押さえられた当時１５歳の少年は、家庭裁判所に送致された後、「刑事処分が相当」として検察へ「逆送」され、去年１月、殺人などの罪で起訴されました。
１５歳だった少年による事件が、公開の裁判員裁判で裁かれるのは極めて異例で、福岡地裁で開かれた初公判の法廷は、少年の姿はもちろん、名前も伏せられたまま進められました。
弁護側は「根本的な治療や手当てがなされないまま社会復帰すれば、再び同じことが繰り返される」として、家庭裁判所に送致し、更生のため少年院への収容を求めました。
しかし、検察側は「更生の可能性が乏しい」として少年刑務所で刑罰を受けることを求めました。
また６日は、検察側から少年の生い立ちや当日の行動などが明らかにされました。
幼いころから親族に虐待を受けていた少年は、小学生の時に友人の首を絞めるなど暴力問題をたびたび起こし、これまでに精神病院や医療少年院など施設を転々としていたとしました。
犯行の動機は「性的目的」で、トイレで刺した女性の傷は１０カ所以上、深いもので１４センチまで達していたとしています。
被害者の遺族は「１５歳の悪魔のような犯人をなぜ法律で守らないといけないのでしょうか。１５歳ならやっていいことと悪いことは十分に判断がつきます」
少年は、法廷で何を語るのでしょうか。７日は少年自身の被告人質問が行われます。
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