「ソ連全体主義」の社会を完全再現する「DAU」プロジェクト 前作『DAU. ナターシャ』は、序章に過ぎなかった――『DAU. 退行』は2021年8月28日シアター・イメージフォーラム他にて世界初劇場公開!十年に一度の衝撃!ダンテの「神曲」になぞらえた全9章6時間9分、圧巻の黙示録!
「DAU」プロジェクトの劇場映画第二弾、『DAU.ナターシャ』で描かれた、ソ連全体主義社会のその後の世界を描く、『DAU.Degeneration(原題)』が邦題『DAU.退行』に決定。
公開された予告編では「共産主義は宗教だ。マルクス、レーニン、スターリンへの信仰。この宗教では進化のために退化し、革命のために破壊せざるを得ない」という冒頭で繰り広げられる宗教学者と科学者の対話の中のセリフで幕明ける。
後半に挿入されたテロップの通り、本作はイタリアの詩人・政治家、ダンテ・アリギエーリによる長編叙事詩「神曲」の「地獄篇」で描かれた9つの地獄の層にちなんだ9章で構成されている。
本作で共同監督を務めたイリヤ・ペルミャコフ監督は、「国家が社会的に荒廃していく状況が迫ったときに、どのように気づき、対処するかを、映画という媒体を通して学ぶことはとても重要だと思います。本作は、権力の上層部が超過激派達と、どのように関わっているかという問題を扱っており、単に分析するだけでなく、これらの状況を見たときに皆さんに深く感じて欲しいのです」と語っている。
この超大作を観れば、第一弾『DAU.ナターシャ』をパズルの1ピースとする、『DAU.』の広大な一枚絵が見えてくる。
スタンリー・キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』やジョージ・オーウェルの代表作「1984」が描いたディストピアを現代にアップデートさせ、その先の深淵に迫ろうとするような鬼気迫る一大叙事詩に、映画評論家の柳下毅一郎氏は、「十年に一度の衝撃!」とコメントを寄せている。
『DAU. 退行』は2021年8月28日公開
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