世界に衝撃与えた「マイアミの奇跡」 日本が強豪ブラジルを下した快挙 | アトランタ1996

世界に衝撃与えた「マイアミの奇跡」 日本が強豪ブラジルを下した快挙 | アトランタ1996
#日本代表
日本代表 1-0 ブラジル代表
マイアミの奇跡(マイアミのきせき)は、1996年アトランタオリンピック(以下アトランタ五輪と略)・男子サッカーグループリーグD組第1戦において、日本五輪代表がブラジル五輪代表を1対0で下した試合の日本における通称である。
日本五輪代表は城のワントップ、中田英寿(登録はFW)と前園が後方からフォローする3-6-1のフォーメーション。DFラインは鈴木・松田の2ストッパーの後方でスイーパーの田中誠がカバーする。ブラジル五輪代表はスカウティング通りのスタメンで[4]、ベベット、サヴィオ、ジュニーニョらの技巧と、リバウド、ロベルト・カルロスらの破壊力を織り交ぜた4-4-2のフォーメーション。試合会場はブラジルから来たカナリア色のサポーターが圧倒的に多く、日本にとって完全アウェーの雰囲気に包まれた[3]。

最初のシュートこそ路木龍次からの左クロスを中田がヘディングしたものだったが、その後ブラジルは徐々にペースアップし度々日本ゴールに迫った。しかし日本の守備陣も冷静に対応し、GK川口能活のファインセーブもあり前半は0-0のまま終了した。

ブラジルは後半開始からさらに攻勢を強め、ベベット、サヴィオ、リバウド、ジュニーニョらが次々とシュートの雨を降らせた。日本は防戦一方となりながらも、川口が好守を続け、DF陣も集中力を切らさず、またシュートがゴールポストを直撃して難を逃れるなど運も味方し、両チーム無得点のまま試合は推移していった。後半19分、ブラジルは状況を打開すべくFWサヴィオからFWロナウジーニョ(ロナウド)に交代したが、サヴィオのマークをしていたDF松田が事前の打ち合わせ通り、そのままロナウジーニョのマークを担当し、冷静に対応した[4]。「簡単に勝てる」と考えていたブラジルサポーターたちは試合が進むにつれ苛立ち始め、抑えきれなくなったサポーターの1人がピッチに乱入し取り押さえられる場面もあった。

そして後半27分、左サイドにいたウイングバックの路木が、ブラジルのディフェンスラインとGKの間のスペースを目掛け、山なりのボールを放り込んだ。そのボールを狙ってFW城彰二がゴール前に走り込むと、クリアしようと飛び出したブラジルGKジーダと、城を後方から追いかけていたCBアウダイールが激突、ゴールに向かって転がったボールを走り込んだボランチの伊東輝悦が押し込んだ。ブラジルの凡ミスによるラッキーゴールに見えたが、事前のスカウティングで判明していた、数少ない狙い目であるブラジル代表CB2人の背後のスペースを見事に突いた得点であった[4]。

まさかの失点に焦るブラジルはその後も全員攻撃で一方的に攻め続けるが、日本もGK川口を中心に全員守備の意識は切らさず粘り強く守り続けた。ジュニーニョのヒジ打ちにあったDF鈴木は止血が不完全なままプレーを続け、FW城も86分に退くまで右ふくらはぎを痙攣させながらもプレーを続けた[5]。ブラジルの猛攻はロスタイム(現:アディショナルタイム)2分30秒まで続いたが、日本はついに最後まで守り切った。

最終的にブラジルが放ったシュートは計28本。対する日本のシュートは、たったの4本だった[6]。日本サッカー史上、最大のジャイアントキリングである。

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