家族ぐるみで“総額10億円”詐取か 過去に不正受給した女性『遊びに行くノリ 出来心だった』 不正受給が横行する実態とは?【news23】|TBS NEWS DIG

家族ぐるみで新型コロナの持続化給付金をだまし取った詐欺事件。被害総額は約10億円にのぼるとみられています。

過去に給付金を不正に受け取ったという女性に話を聞きました。『遊びに行くノリ 出来心だった』と振り返る女性。不正受給が横行する実態とは?

■知人に誘われ不正受給「遊びに行くノリでした」

持続化給付金を不正受給し返還した女性
「簡単に100万円もらえるから、やってみない?みたいな感じで。そんな人数全部の調査はできないから、バレないんじゃないみたいな感じでした」

こう話すのは都内に住む20代の女性。知人に誘われ、新型コロナに関する国の給付金を不正に受け取ったと話します。

--ただ友達に誘われて、罪というふうには感じなかった?

女性
「全然感じなかった。一緒に遊びに行こうみたいなノリだったので」

女性はその後、警察に自首し、だまし取った金、100万円を返還しました。

■家族ぐるみで約10億円詐取 「持続化給付金」の不正受給

給付金の不正受給が後を絶ちません。5月30日、家族ぐるみで10億円近くだまし取ったとみられる詐欺事件が明らかになりました。警視庁に逮捕された谷口大祈容疑者(22)。警察署に入る車の中では、顔を伏せることなく正面を見据えていました。一方、母親の梨恵容疑者(45)は体を前に屈め、顔を伏せていました。

家族4人が容疑者となった谷口一家。主犯格とみられる父親の光弘容疑者(47)は2020年10月、インドネシアに出国。指名手配されています。

■不正受給が後を絶たない「持続化給付金」とは

詐欺の舞台となったのは新型コロナをめぐる「持続化給付金」でした。

安倍晋三総理(当時)
「スピード感を持って、そして使い道に制限のない現金をお届けします。事業や雇用を必ず守り抜いていきたいと考えています」

持続化給付金は新型コロナの影響で売上げが減少した中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円を給付するもの。

しかし、「持続化給付金の不正受給は犯罪です!!」経済産業省がこう警告する中、不正受給は後を絶ちませんでした。

■「あんないい家族だったのに・・・」谷口一家を知る人は

逮捕された梨恵容疑者ら3人は、あわせて300万円をだまし取った疑いが持たれています。しかし、これは氷山の一角にすぎません。谷口一家は総額10億円近くをだまし取ったと見られているのです。三重・松阪市に一家が住んでいたとみられる住宅があります。近所の人は・・・。

谷口一家を知る人
「外車があったり、すごいお金持ちのお家なんやなと思っていましたけど」

--犯人が谷口容疑者と聞いてどう思った?

谷口一家を知る人
「あんないい家族だったのになんでかなと思って。子どもらもいっぱい出てきてくれて、(町内の掃除を)手伝ってくれてたし」

■うたい文句は“誰でもお金がもらえる”だましの手口とは

では、どうやって給付金をだましとったのでしょうか。
 
東京・港区にあるマンションを拠点に、犯行に及んでいたという光弘容疑者。捜査関係者によりますと、光弘容疑者らはまずセミナーを開くなどしてウソの給付申請をするための申請者を募集。うたい文句はこうです。

【誰でもお金がもらえる】

そして、それぞれの申請者が、コロナで収入が減ったというウソの申請を中小企業庁に提出して「持続化給付金」を受給します。そのうえで、1件あたり十数万円~数十万円を報酬として受けとっていたとみられます。

家族のなかで役割分担もあったといいます。犯行は光弘容疑者が主導し、梨恵容疑者と長男がメールでの申請手続きを担当。次男は、申請に必要な確定申告書を作成するため税務署をまわっていました。これまで約1780件の虚偽申請を繰り返し、不正受給の総額は9億6000万円ほどに上るとみられています。

■「電話1つで100万円もらえるみたいな話」出来心で…

不正受給が相次ぐ持続化給付金。自らも100万円を不正に受け取ったという20代の女性に話を聞きました。

不正受給し返還した女性
「電話1つで100万円もらえるみたいな話ですから。生活保護の不正受給とかいろいろあるじゃないですか。そういう抜け穴って。だからまあいいのかなと」

女性は2年ほど前、六本木のバーでオーナーから持続化給付金の不正受給について教えられたといいます。さらに、持続化給付金に詳しい人物を紹介され給付金を申請。振り込まれた100万円のうち30万円はこの人物に報酬として支払いました。一部はオーナーにも渡っていたとみられています。この人物は女性にLINEで、本人確認書類として免許証などを送るよう求めていました。

女性
「(この人物に)LINE上で個人情報の写メを送って、あとはどのぐらいの売上げを書くか話した」

女性は、出来心だった、と振り返りました。

■「簡単にお金が入ることに抵抗がない人が多い」甘さが事件を生んだ

持続化給付金に詳しい上原幹男弁護士のもとには、給付金を不正に受け取ったあとで相談に来る人が相次いでいると言います。

給付金の不正受給に詳しい上原幹男弁護士
「…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220601-6021025)

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