10代母親は『特定妊婦』・・・半日以上パチンコで放置、生後4か月乳児死亡 『特定妊婦』に求められる“温かい声かけ”|TBS NEWS DIG

「パチンコに行っていた」。北海道で両親が幼い子2人を自宅に残して半日以上外出し、生後4か月の次男が死亡した事件。逮捕された10代の母親は、出産前から支援が必要な「特定妊婦」に認定されていたことがわかりました。

■4か月の次男は死亡 13時間半放置で血中糖分低下・脱水症状か

10代の妻とともに保護責任者遺棄の疑いで逮捕された、阿部光浩容疑者(35)。阿部容疑者と妻は6月8日、幼い兄弟2人を残し外出。兄が2歳、弟は生後4か月の乳児でしたが、朝8時半ごろから13時間半、自宅に放置されました。

夜10時ごろ、阿部容疑者と妻が帰宅した際、生後4か月の次男は寝かされた状態で既に意識がありませんでした。

長男(2)の健康状態に問題はありませんでしたが、生後4か月の次男は意識が無く、病院で死亡が確認されました。長男、そして死亡した次男には、外見上の傷や衰弱した様子はみられなかったといいます。

円山ため小児科 多米淳 院長
「13時間半の間、母乳・ミルクを与えられなかったことによって栄養、血液中の糖分が下がってしまったということ。脱水が進んでしまった可能性もある。寒ければ低体温症という症状も加わってくる」

当日の釧路市の最高気温は10℃。ほとんどの時間帯で、気温は一桁しかありませんでした。

■部活では副キャプテン 「まさかそんなことをするなんて」

この日、子どもたちを置いて阿部容疑者と妻が向かった先はパチンコ店でした。

阿部容疑者について、高校の同級生は・・・

「部活で副キャプテンを務めてまして、みんなの意見をまとめてくれたり先頭に立って監督やコーチと話してくれたりとか。まさかそんなことするなんて思っていなかったし、びっくりしました」

■妻は「特定妊婦」 家庭訪問も行われていたのに・・・

阿部容疑者と暮らしていた子ども2人は妻の連れ子。妻と子の3人は、3月まで別の自治体で生活していました。その街で10代の妻は子ども2人を出産していて、▼「特定妊婦」に認定されていました。

▼「特定妊婦」とは、家族構成が複雑だったり、若年で出産したりする妊婦のことで、“出産前から特に支援が必要”とされています。そのため、当時住んでいた自治体の職員が妻の家を家庭訪問。3月に妻が釧路に引っ越し阿部容疑者と暮らすと、引継ぎを受けた釧路市も3月と4月に家庭訪問していました。

私たちの取材にいずれの自治体も「子どもにも会えていて強い支援拒否は無かった」と説明。子ども達に発育の問題や虐待の兆候は確認されず、児童相談所への通報もなかったといいます。

■特定妊婦への支援 何が大切か

行政の支援について元保健師で、特定妊婦の支援に携わってきた専門家は・・・

元保健師・武蔵野大学 中板育美教授
「成育的に問題が無いのは今の時点の“点”での話であって。それなりの理由があって行政もあえて『特定妊婦』と認定しているわけなので」
「(子育て)サービスを上手に使えるようにしていくとか、虐待(の確認)云々じゃなくてそこが大事だと思う」

さらに、こんな身近な“支援”が重要だと話します。

中板教授
「本当にもっと大事なのは、近所とか住民の(家族への)温かい声かけ。そういったものが支えになるんじゃないかなと思っています」

生後わずか4か月で失われた命。警察は、保護責任者遺棄致死の疑いも視野に捜査しています。

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